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想像の100倍大変だった育児体験

正直、100倍では足りないかもしれない。
これは、1歳半〜4歳まで続いた、息子のイヤイヤ期のお話しです。

大変なこと

育児って大変そう、とは思っていた。
でもそれは、お世話が大変だろうなと想像していただけだった。
ご飯を作ったり、お風呂に入れたりお着替えを手伝ったり。
でも、そういうことが大変なのではなかった。
お世話なんて、させてくれるなら、多少大変でも「可愛い」の方が圧勝する。

大変なのは、「お世話をさせてくれないこと」だった。

オムツを替えさせてくれない。
お風呂に入れさせてくれない。
歯磨きさせてくれない。
などなど

あの手この手で、楽しくやろうとしても無理なら、力づくでやるしかない。
そうすると、逃げる。泣き叫ぶ。
どんどん激しくなり、本当に力づくでもできないことも多々あった。
その場合、時間を置いて、再挑戦する。
力づくでやってしまった場合は、しばらく癇癪が続く。

一体今日はどんな方法で、何時に完了するんだろうか。
そんな恐怖にも近いストレスを毎日たくさん抱えていた。

難しいことは何も望んでいない。
ただ、歯を磨いてあげたい。お風呂に入れてあげたい。
それだけなのに、どうしてこんなに泣かれるのか。
どうして、虐待をしているかのような反応をされるのか。

お風呂に連れていくときなんて、泣き叫びながら壁にしがみついて、まるでお仕置き部屋にでも連れていかれるかのように体いっぱい拒否してくる。
私はこんなに優しくしているのに!

育児の先輩である姉に相談したら、
「どうしても嫌がる日は、お風呂に入れない日もあるよ~(笑)もっと適当でいいよ」と言われた。
いやいや、嫌がられて諦めていたら、うちの場合360日はお風呂に入れません(笑)

抵抗する以外にも、とにかく何にでもこだわりが強く、大人には理解できない些細なことですぐに怒って泣いていた。
大きな食べ物を切ってあげたり、ちぎってあげると、それが癇癪に繋がることもあった。
私が置いた物の位置が悪いと泣いて怒ったり、何かが上手くいかなくて、物を投げて怒ったり。
自分の手がちょっと汚れただけでも泣き叫ぶ子だったので、地雷を踏まないようにするのは無理な話しだった。

お出かけ

お出かけが一番大変だった。
お出かけ準備がとっても大変な上に、目的地までたどり着けない。
いろんな「嫌」が発生してぐずったり、自分が行きたい方向に行きたくて、
「そっちじゃない!!」と言われることがものすごく多かった。
息子が喜びそうな公園に連れて行ってあげたいのに、どうして真逆に進みたがるの~~~!

たくさんの試練を乗り越え、目的地に到着すると、今度は「帰りたくない地獄」が始まる。
私にとっては「家に帰れない地獄」。

そうなると、気軽に公園に連れて行ってあげようという気持ちも持てなくなるし、私1人でお出かけに連れて行くことは無理、と思ってしまった。
夫と2人でも、お出かけはいつも大変だった。
たまに外食したくても、「そのレストラン嫌だ」と言わんばかりに抵抗し、入ってくれないことも度々あった。
(4歳くらいから、はっきりと「そのレストランは嫌だ」と言うようになった 苦笑)

育児ノイローゼ気味だった時期

息子が1歳になる前からコロナが始まり、夫が長期間海外出張に行くようになった。
3ヶ月間の出張が年に2回入り、年の半分いなかった。
私もちょうど育休明けて職場復帰したばかりの頃だった。
仕事ができる喜びは大きかったが、保育園のお迎えの時間が近づいてくると、動悸がした。
まだこのまま仕事をしていたい。という気持ちと、1時間後には私はずっと息子に耳元で泣かれているのだろう、と思うと胸のあたりが重く苦しかった。
仕事を一旦切り上げて育児。
ご飯、お風呂、寝かしつけをクリアしたらまた仕事ができる。
泣いている息子を相手に、泣きたいのはこっちだけど、泣いても息子は無反応だし、怒っても意味がない。
タスクをクリアするには、息子の機嫌を良くしなければ進まないと思い、私は動物の真似をしたり、子供の歌を歌ったり、笑わせようと一生懸命笑顔を作る。
心は泣いているのに、顔は笑っている。
そのとき、あれ、やばい、心が壊れそう、と感じた。

一人だったら、泣きたいときは泣けばいい。泣いてスッキリすることもある。
でも息子を前に、早く寝かしつけを完了したくて、泣いている場合じゃないと思ったら、心と表情/言動が乖離しすぎて、自分の中の何かがおかしくなってしまいそうな気がした。
その感覚は、とても怖かった。
笑顔で歌いながらも、涙が出ていたと思う。

一度精神が壊れたらもう戻ってこられなくなるんじゃないかと怖くて、もう海外出張は免除してほしいと、夫から夫の上司に相談してもらった。
夫が上司にも産業医にも相談してくれたことは心から嬉しかった。
しかし、海外出張の免除は許されなかった。

もう自分の人生は歩めないんじゃないか、というネガティブな気持ちにもなっていた。

過酷な保育園の送迎

イヤイヤ期を引きずる中、3歳後半で引っ越しをした。
引っ越し前の保育園は、家から徒歩1~2分だったので本当に助かっていた。
それでも、外の下駄箱で靴がうまく履けなかったことなどがきっかけで40分立ち往生したりなど、やっぱりイヤイヤがひどくて目立っていた。
1歳から、園の門は開錠から全部自分でやらないと気が済まないので、時間がかかり、前後に来る親子に迷惑をかけていた。
周りの子はスムーズに出入りして行くのに・・・。

引っ越した後の保育園は、家から徒歩10分の保育園となり、送迎が比じゃないくらい大変なものとなった。
普通に歩けば10分の距離も、息子と一緒だと1時間近くかかった。
道中にはパン屋さん、コンビニ、自販機など、息子を誘惑するお店が多数あり、そのたびに寄っていく、何か買って、とせがまれた。
買わないと永遠に帰れない気がして買ってあげることも多く、これでいいのか、悶々とし続ける日々だった。
「大丈夫、これが小学生まで続くわけではない。気持ちよく帰れるなら、1個くらい買ってあげてもいいよね。」と考えるようにした。
でも、1つだけと約束して買ったのに、また次のお店でどうしても寄る、と言い出すこともあり、そんなときは心を鬼にして、頑なに入らなかった。
それを譲るともう収集が付かなくなると思っていたので、妥協しなかった。

息子はめちゃくちゃ意志が強いので、お店の前から一歩も動かなくなり、引きずって帰ろうとすると泣き叫び、数メートル進んでは私から逃れてお店までダッシュで戻る、の繰り返しで、全然帰れなかった。助け舟を出そうと話しかけてくれるおばあさんが何人もいたが、状況は悪化するのみだった。
商店街の中で、息子の泣きわめく声は響き続ける。。

毎日、どうやったら家にたどり着けるのか、頭をひねって考え続けた。
昨日は上手くいった方法が、今日は通じない。そんなことの繰り返し。
「考えろ〜!考えろ~!」と自分に言い続けた。
「家にアイスがあるよ!」「どこどこまで競争だ!」「このお店には蛇がいるよ(と脅す)」など、あの手この手を試すけど、全部ダメな日もあり、一体今日はいつ、どうやって帰れるんだろうと途方に暮れる。焦る。
仕事も終わってないし、寝る時間はどんどん遅くなる。お腹もぺこぺこ・・・とストレス値はどんどん上がっていく。

「早く家に着いた方が勝ち~」が有効なことが多く、そのせいか(元々だった気もするが)、道路でまったく私と手を繋いでくれず、走って行ってしまい、事故に遭うんじゃないかと毎日心配で心配で仕方なかった。

心配されるのが嫌で、私に先に行けと言い、私が先に行かないと動いてくれないということもあった。仕方ないので先に行っても全然来ない。戻ってみると警察官に話しかけられていたこともあった。
このパターンは休日にも度々あって、(1人で歩きたいから)先に行けと言われるので、先に行ったと見せかけて隠れて見守っていると、周りがざわざわし始めるので(幼い子が1人だと迷子かと思われる)、仕方なく出ていくと、息子が怒って泣きわめく、という流れは本当に困ったものだった。

伝えたいこと

困ったエピソードは、挙げきれないので、この辺にしておく。
いや本当に、聞いてもらいたいエピソードは、もっともーっと、たくさんある!笑

それらのエピソードは、息子が将来大人になったら、笑い話として聞かせてあげたいなと思っている。

育児の苦労話は、「単なる愚痴だ」と思って、なかなか言えなかったり、言った後にどう思われたかなと気にしてしまうことが多かった。
子供が可愛くないのかな、とか、愚痴が多い人なんだな、と思われたら嫌だなと思っていた。罪悪感を感じてしまうこともある。

でも、私のように育児に苦労をしている身からしたら、他人の苦労話も聞きたいと思うもの(笑)
大変な思いをしているのは私だけではないと思うと救われるし、自分の息子がどの程度普通なのかそうでないのかも知りたいと思っている(普通じゃなくて良いんだけど、ただ知っておきたい、という気持ち)。
だから、読みたい人に届けばいいな、と思っています。

私は、息子がここに書いたような状態で、周りの子と比べると手がかかる子だなと思ってはいても、息子のことを欠陥品だと思ったことは一度もありません。
「今だけだ」と思い続けて、3歳にはイヤイヤ期が終わるだろうと思っていたのが、4歳最後まで続きました、という話し。(3歳から徐々にマシにはなっていきました)

今でも、ちょっと精神年齢が低めだなとは思うけど、頭は良いし、その意志の強さは悪いものではない、将来が楽しみだ、と思っています。

それから、私は自分を責めたこともありません。
もちろん、育児で反省することはあるけれど、基本的に自分を責めてはいないので、自分の育児の仕方が悪かったからこうなった、などとは考えていません。
私はよくやっている、と思っています。

自分を責めてしまうお母さんの話しを聞くことがありますが、世のお母さんはみんな頑張っていると思います。
忍耐力強めの私がこんなに育児大変だって思ったんだから、そりゃあ大変ですよ(笑)

責める必要はない。大変って言ってもいい(私に聞かせてくれ!笑)。
そして、明けないトンネルはない!

次回、5歳になった息子の今を書くので、ぜひそちらもお読みいただけると嬉しいです。

※今回のカバー写真はイメージ画像を利用しており、息子の写真ではありません。

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