自動車業界の闇…こんなんだから衰退する
自動車業界は昔はそれなりに人気があったと思う。
昭和時代には3Cという三種の神器の一つにも挙げられていたほどである。
しかし、時代も変わり、世の中『地球温暖化』『エコ』という言葉が先走り、法規制も自動車業界を締め付け、洗脳された一般人も『エコ』じゃない車は車じゃないという思考回路に染められた。
そんな世の中においては、開発側のエンジニアですら、その思考に染められている者も多く、そんな思考でどうやって新しいモノを開発するの?と突っ込みたくなることもある。
そもそも自分の働いていた会社は部品メーカーであり、所詮下請けに近い立ち位置であるから、自動車メーカーの方向性に従うしかない。
それにしても、日々のどうでもいい仕事に流され、『本当に技術者?』という人間があまりにも多く、さすがにそんな中でモチベーションを維持するには限界もあった。
会社としては、いわゆる大企業に位置付けられ、完全週休2日制、有休取得率100%、残業時間も管理されオーバーワーク防止、残業代は全部支給、福利厚生も充実。
外っ面はとても良い待遇にみえる。
事実、会社を辞めることになった際、職場の同僚の殆どが『上手いこと逃げやがって』というニュアンスの『自分も辞めたいけど辞められない』という意識の言葉が多く、『なんで辞めるの、勿体無い』と言ったのは1人だけだった。
ところが、内部事情を知らない周りの人からは、『そんないい会社なのに、どうして辞めちゃうの?』という意見が殆どである。
自動車業界のエンジニア職、特に世に出る前の新しいモノを開発している部署においては、仕事内容は他言無用、一切外部に漏らすことはない。
結果、仕事の辛さや、大変さも外部に伝わることはない。
一般的な外っ面の情報から判断するしかないから、そう言われるのも当たり前である。
そもそも残業が規制されてオーバーワークを抑制するというのも、一見聞こえがいい。
しかし、実態は元々残業しないと終わらない業務量を抱え込んでいる中に残業するなという規制が掛けられているだけである。
人事部署は所詮人事部署、開発サイドから言わせると『ひとごと部』である。
表向きを良くするための方針だけ動かして、後は『各部署で考えて頑張ってね♪』というスタンスである。
ただえさえ人が少ない、やりたくもない業務ばかり抱え込む、その上、上司からあれやこれや言われる。
それでもって、残業するな。有休は取れ。
会社の上層部はそういうだけである。
ルーチーンワークの仕事ならそういう工夫も可能である。
しかし、新しいモノを作り出すエンジニア業においては、そうもいかない。
そんな葛藤の中で日々の業務に追われ続ける。
そんなやり甲斐も失う環境で、それなりに給料が約束されている職場に何が起こるのか?
やる気の無い人間が量産される。
出来高で特別に手当が貰えるわけでもないし、そうそう減給されることもない。
それなりに仕事をこなして、上司にヤイヤイ言われるのを耐えれば給料が貰えるのであれば、それでいい。
そんな窓際族的な人間が増殖されるのである。
新しいモノを作る場所に、そんな人間が集まったら…
生まれるべきモノも生まれなくなる。
それが実状である。
夢と現実に挟まれた時に、現実の方が強すぎる…
それを感じるようになった時、それが引き際だった。
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