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【146.水曜映画れびゅ~】"Dune: Part Two”~我々は今、SFの歴史の中にいる~

"Dune: Part Two”デューン 砂の惑星 PART2は、3月15日から日本公開されている映画。

2021年に公開された前作『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編です。

あらすじ

砂の惑星デューンをめぐるアトレイデス家とハルコンネン家の壮絶な宇宙戦争が勃発!ハルコンネン家の策略により、アトレイデス家は全滅。しかし、最愛の父とすべてを失うも、後継者ポールは生きていた。ポールは愛する砂漠の民チャニと心を通わせ、その絆は、彼を救世主として運命に導いていく。一方で、ハルコンネン家は宇宙を統べる皇帝と連携し、その力を増していく。そして、遂に復讐の時ーー。
未来の希望を取り戻すため、ポールたちの全宇宙を巻き込む最終決戦が始まる。

日本公式サイトより

遂に、全面戦争へ!

宇宙の資産とされる麻薬"スパイス"が採取できる惑星アラキス。アラキスの統治を任されたアトレイデス家は、ハルコンネン家とのスパイス戦争により、壊滅した。

命からがら生き残ったアトレイデス家の後継者ポールは、アラキスの先住民族である砂の民”フレーメン”と行動を共にする。初めはポールをよそ者扱いしていたフレーメン達であったが、移住区域を侵略するハルコンネン軍と果敢に戦う姿を目の当たりにし、認めていく。フレーメンのなかには、ポールをアラキスの救世主"リサン・アル=ガイブ"として崇拝する者までいた。

フレーメンを率いてハルコンネン軍を追い詰めていくポール。そして遂に、フレーメンとハルコンネン軍の全面戦争が始まる。

PART1はプロローグに過ぎないっ!

2021年に公開された前作『DUNE/デューン 砂の惑星』。コロナ禍の余波が残る映画業界において、大ヒットを記録しました。

さらに、第94回米アカデミー賞においては作品賞を含む10部門にノミネートされ、作曲賞や撮影賞をはじめとする技術部門で6冠を達成しました。

★受賞
サウンド賞・撮影賞・視覚効果賞・作曲賞・編集賞・美術賞
☆ノミネート
衣装デザイン賞・脚色賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞・作品賞

第94回 米アカデミー賞 結果発表!!

大ヒットも記録し、評価も高い前作。しかし、前作はあくまでも本作のプロローグに過ぎません。

本作の原作はフランク・ハーバートによるSF小説のシリーズの第1巻。シリーズ全体で合計6巻ある超大作で、さらに第1巻『デューン砂の惑星』だけでも、現在の文庫版で上・中・下に分かれているくらいの大作です。

しかしっ!
聞くところによると、PART1はなんと原作の序盤の数十ページ分しか描いていなかったんですよね。

なので、大ヒットしたPART1はあくまで状況設定の役割を果たしたにすぎません。そして本番は、いよいよ本作"PART2"から始まることになります。

我々は今、SFの歴史の中にいる

日本の皆さんはあまり認識していないようなのですが、実はこのDUNEシリーズが公開されていっている現在を生きていることは、大変なことなんですよっ!

SF映画シリーズといえば、『スターウォーズ』シリーズ、『ターミネーター』シリーズ、『エイリアン』シリーズ、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『ハリー・ポッター』シリーズなど、これまで様々な長大な物語サーガが紡がれていきました。

上記のSFシリーズは、まだ続いているものも多くありますが、正直言って、最近はかなり下火になってしまってます。『スターウォーズ』なんて、それの最たるものですね…。

そんななか始まった新たなるSFシリーズが、このDUNEシリーズ。IMAXカメラで撮影を行い、広大なスケールとその没入感で、盛り下がっていたSF映画界を席巻しているのです。

そしてもちろん、PART2で終わりというわけにはいきません。世界的な大ヒットを受け、つい先日PART3の製作が決定しました!

つまり我々は今、SF映画界が新たな時代へと転換している歴史の渦中にいるのです!こんなの、観ないわけにはいかないんですっ!!!

IMAXで観ないと、
DUNEを体験できない!

ということで、前談が長くなりましたが、そろそろ映画の本編について語りましょう。

前作は、あまりにも専門用語や状況設定の説明が長くなりすぎたために、なかなアクションシーンが盛り込めなかった印象でしたが、今回は一気にその前作でのフラストレーションを発散してくれています。

前作でも凄まじかった映像に、躍動感のあるバトルシーンや戦争シーンが加わることで、もう…言葉にできないくらい凄まじい画が生まれています。特に、サンドワームにポールが乗るシーンは凄かった…。

さらに映像とともに凄かったのが、俳優陣の演技。ティモシー・シャラメゼンデイヤハビエル・バルデムなどの前作からの続投組に加えて、フローレンス・ピューレア・セドゥ、さらには本作が俳優復帰作となるクリストファー・ウォーケンが参戦。

そして何より凄かったのが、オースティン・バトラー。本作のラスボス的立ち位置で登場しますが、とにかく圧倒的な存在感で、半端なかったですね。おそらく来年のオスカーで候補になると思われます。

・・・

ストーリー、映像、演技…どれをとっても素晴らしい本作ですが、鑑賞において1つだけ注意点があります。それは、IMAX、もしくはドルビーシネマで鑑賞することです。

前述しましたが、DUNEはIMAXカメラで撮影をしており、IMAXで鑑賞することを前提として作られています。それは推奨というレベルではありません。なぜなら、IMAXカメラで撮った映像はIMAXシアターで観るための画角になっているからです。

IMAXは、通常のシアターの画面の1.5倍ほどの大きさです。その大きさに合わせて撮影しているので、通常のシアターで鑑賞すると、IMAXでは見えている部分が見えていないことになってしまうんです。つまり、通常版でDUNEを観ると、DUNEの全体像が一部切り取られた状態で鑑賞することになります。

これは大変に損なことです!
500円の差で、観える映像に差が生まれているのですからっ!

だから私は声を大にしてこう訴えています。
「IMAX・ドルビーシネマ以外のDUNEは、DUNEではない!」と。

なので、ポップコーン代をケチってでも500円払ってIMAXでDUNEを観てください!!!


前回記事と、次回記事

前回投稿した記事はこちらから!

これまでの【水曜映画れびゅ~】の記事はこちらから!

次回の更新は、久々に第96回米アカデミー賞関連作品。国際長編映画賞を含む2部門にノミネートされていたNetflix映画La sociedad de la nieve雪山の絆紹介させていただきます。

お楽しみに!