それはこっちが決めることだ

編集者をやっていると、いろんな表記が気になって仕方ない。

・こだわりドリップコーヒー
・古来より、工芸というものは~~
・それ確信犯だろ!

などなど。プロのライターたちも平気で使ってくるからなんだかな。日本語って生き物だから、みんなが使うようになれば本来の意味と違ってもいいんだって。伝わればいいんだって。

わかるけどさ。言葉を生業とするやつは一応、気をつけてくれろってばよ。
もう溢れまくって有耶無耶なんだい。それもう確信犯だろ!

会社の近くにコンビニがあり、1日1回は立ち寄っています。

毎日パートタイマーのおばちゃんか、インド系お姉さんがレジ対応をしてくれて、必要以上に話しかけてくるわけでもなく、ふてぶてしくお釣りを投げて寄越すでもなく、ちょうどよい塩梅で接客をしてくれます。

毎日行っているはずなのに、そのパートタイマーのおばちゃんの顔も、インド系お姉さんの顔も、薄ぼんやりして思い出すことはできません。オーシャンズ11でマッド・デイモンがこんなことを言われていました。

「答えは短く、体を揺らすな。目を見ろ。だが睨むな。明確に話せ。だが印象は薄く。気に入られろ。だが覚えられるな」

僕が買うのはホットコーヒー。サイズは2種類あるのですが、その日の気分によって小さいのも大きいのも買っています。7:3で小さいのを。夏でもホットを買うのが僕のこだわり。

夢のコーヒーマシンにカップをセットして、なれた手付きでスイッチオン。するとひかれた豆の良い香りがふわりと鼻をつき、目的の30%は達成されるのです。

1分弱。ぴーという音がして、コーヒーイズレディ。古来より、砂糖にもミルクにも用がない僕は、最後の1滴が落ちるころにはプラスチックのフタを持ってスタンバイ。

「おいしいコーヒーができあがりました」

見慣れた表記に今日も提言する。

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