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Mid Term Review

Mid Term Review という、中間講評会みたいな学期中間の一番大きなイベントを先週終えた。外部のゲスト含めて審査員7人に囲まれて発表し講評を受ける。

まず、日本人の感覚からすると、M1年生のしかも中間講評なのにかなりちゃんと人を集めて講評してくれる。僕ら10人のセクションの為だけに7人、2日間で総勢約70人の審査員が忙しい実務の合間をぬって大学まで足を運び4時間以上付き合ってくれることに驚いた。
そして、とてもポジティブな意見が多く、学生の士気も上がる会だった。僕の経験だけで言うと、日本の大学での講評はアラ探し的な発言も多くて辛かったなというイメージだったかな。

今回はドローイング5枚(A1サイズぐらい)の提出が必須だったが、不思議なことにスケールのある純粋な平面図・断面図・立面図は誰も描かない。求められてもいない。それよりインパクトのあるパースや分析をグラフィックにしたもので自分のプロジェクトを説明することに意味がある。
今回の課題は「線は一切使わず、面とカラーだけで表現する」という縛りだったというのも大きな理由だけど。

また、ここでは模型もかなり重要視されている。日本でも勿論そうだけれども。(すごく狭いスタジオなのに)課題毎に、結構大きなサイズの模型を作る。しかも素材が結構ヘビー。日本でポピュラーなスチレンボードは殆ど使われておらず、やたらとコンクリートや樹脂を打設したり、石膏で固めたりと様々。スチレンボードの代わりは木材かアクリル板か紙という感じ。僕はスタディ模型は日本的にスチレンボードで作って、本番模型は銅板やアクリル板を使ったりしている。

当然それをどう上手くプレゼンするかが最重要な訳で、模型から動画を作るのがFinalの課題。今日はプロの模型写真家のレクチャーを受けた。照明ではなくストロボを調整しながらライティングを決めるらしい。
ただ、インテリアのカットを上手く撮るには1/50以上の大きな模型が必要で、そのアングルによっては模型を壊しながら撮ることになる。模型自体のインパクトや理解のし易さは十分分かるが、CGと模型写真/アニメーションの違いはどれだけあるのか疑問に思ってきた。コンピューターで作ったモデルから3次元の模型を作ってまた2次元の写真にして、それをまたフォトショップで加工して、意味があるのか。今、それに膨大な時間を費やしている。そして、模型を一生懸命作れば作るほど案を変更するのに躊躇してしまう。

ただ、模型を作るのはやっぱり時間を忘れて楽しい。

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