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否定することで本質を掴む

日米の教育の差は色々あると思うがこの6週間で最も強く感じたのは、「徹底的に否定することでそのテーマの本質を得ようとする」のがアメリカの教育姿勢だ。

ここでは肯定することは全く評価されない。ほぼ賛成だとしても何か違うと思う点を掘り下げることを求められる。ペーパーでもディスカッションでも基本的には同じスタンス。確かに否定するには十分な理由とそれを説明しうる論理性が求められる。否定することは、同時に別の何かを肯定することであり、自分の深い思考を整理するには最も効果的だと思った。

建築を体験した際も、殆ど否定することが多いけど(建築関係者は否定する人種だと思う)、やっぱりそれは自分の信じるデザイン/ロジックの裏返しなんだと思う。

前後逆になったが、大学ではAAEGSという6週間の英語準備プログラムを終えたところだ。コロンビア大学院に入学が決まっている者のみ受講できるクラスの為、基本的に英語のレベルは高い。アメリカの学部を卒業した人も結構いる。それぞれの専攻が異なる為、分野を超えた情報交換と今後の人脈作りには非常に良いと感じた。私のクラスは、中国人9人、日本人3人、韓国人1人、コロンビア人1人(合計14人)であり過半数が中国人という実態。

AAEGSの主な学習内容は①ディスカッション(クラス内)、②レポートの書き方、グラマー等のレクチャー(クラス内)、③クリティーク(課題)、④プレゼンテーション(課題+クラス内)である。
①については与えられた記事を事前に読んでおき、クラス内で筆者の主張を議論する内容である。また、セミナーリーダーに指定された者は自分で討論に相応しい議題とそれに関係する記事、質問内容を用意し、当日進行しなければならない。
②については、Plagiarism(盗用)について徹底的に教えられた。Plagiarismにならないラインはどこか、引用する場合のルール等。”less mental effort”という連語をそのまま使用しただけで盗用と指摘された際にはかなり感覚の差を感じた。最悪の場合は退学になる重罪なので、今後ペーパーを作成する場合は非常に慎重にならなければならない。また、意外と日本で習った文法が間違っていることがあった。
③は自分の専攻に関係のある記事を読んで、それに対して批評するというもの。これが冒頭に書いた「否定する」という内容。もちろんただDisagreeと書いてもNGなので、筆者の論理性を崩すところが重要になる。リサーチやデータを引用していても、その使い方が偏っていれば指摘する。他の理由が考えられるのに、一つの理由に絞っていれば指摘する、といった具合。提出→チェックを3度繰り返して、最後はこのアメリカの”Logical Thinking”を少しは掴めたと思う。
④は3人グループで自分たちの専攻に関係のあるトピックを選んで15分のプレゼンをするというもの。私のチームは土木、都市計画、建築設計という具合だったので、AIをテーマに選んだ。もちろん英語は辛いが、PPTも使って良く比較的慣れているのでそれ程苦ではなかった。

ちなみに、なんでこんなに真面目に書いているかというと、月に一度会社に報告書を提出しなければいけないから、、、ほぼ同じ文章を投稿しています。写真と文章のトーンがズレているのは、まあしょうがない。

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