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ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化って?

最近読んだ冊子に「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」について書かれていました。

「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」とは、1970年代に文化人類学者であるエドワード・T・ホール氏によって提唱された概念で、国や地域におけるコミュニケーションスタイルの特徴を表すものです。
ハイコンテクスト文化を持つ国は、日本、中国、エジプト、サウジアラビア、フランス、イタリア、スペインなどです。

ハイコンテクスト文化 日本!

日本には「空気を読む」という文化があり、「言われなくても感じて行動する」という「ハイコンテクスト文化」が存在している。例えば…

  • 以心伝心

  • 空気を読む

  • やんわり

  • 忖度

  • あうんの呼吸

  • つーといえばかー など

話し手と聞き手との間に共通項が多く、多くのコミュニケーションを介さずとも意思の疎通が図れ、暗黙で通じ合える。島国ならではの人種・文化的な多様性があまりない日本人の特徴だと言えます。

ローコンテクスト文化の国々は?

一方、ローコンテクスト文化を持つ国は、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、デンマーク、ノルウェーなどです。
アメリカ人に日本人の「察して文化」が通用しにくい。例えば…

  • はっきり

  • ずばり

  • 言葉で伝える

  • 論理的

  • 直接的

  • 不明はすぐに聞く

  • 大事なことは3回言う

様々な人種が入り混じり宗教や価値観も違う中では共通項が少ないので、きっちりと言語化し、クリアでシンプルでわかりやすいメッセージをはっきり伝えないと理解してもらえないからだそうです。

時代の変容とともに

日本社会はこれまで、ハイコンテクスト文化が前提で成長してきました。その中では、組織する人たちの知識や価値観が近いため、多くのコミュニケーションを介さずとも意思の疎通が図れてきました。しかし、昨今、テレワークやリモートワークなど「新しい働き方」へ変化し、同じ場所に居て空気を読んだり、あうんの呼吸をしたりが困難になってきています。

例えば、オンライン会議でも使える時間が定められているので、限られた時間内でいかに情報の伝達をスムーズに行うかが重要になったり、チャットツールも長々と書かずに簡潔明瞭に入力するようになっています。

コロナ禍やDX化、また、一緒に仕事をするメンバーも、年齢、性別、国籍、文化や宗教などダイバーシティ(多様化)が重要視されます。このような環境の変化で日本はローコンテクスト文化にシフトしつつあり、これからもこうした動きはどんどん加速していくことが予測できます。

まだまだベテラン社員さんの中には、ハイコンテクスト文化で通じると思っている方も居られると思います。しかし、若手社員さんはローコンテクスト文化に触れてきた経験が豊富であるため、お互いにコミュニケーションがとりにくと感じてしまうのかもしれません。ベテラン社員さんは、現代社会の情勢に対応しながらローコンテクスト文化に合わせていくことも必要であるかもしれません。
そもそもビジネスはローコンテクスト文化かも…

  • 大事なことははっきり言う(会議など)

  • 依頼のときには長い前置きは不要。直接依頼内容を伝える

  • 寡黙よりコミュニケーション力を意識する

  • 自分の気持ちはしっかり伝えないと評価にならない

人生100年時代と言われ、70歳まで働くのもそう遠くない昨今、ベテラン社員さん、若手社員さん共にお互い心理的安全性の高い環境でコミュニケーションがはかれるようコンテクスト文化について一度、考えてみてはいかがでしょうか。

※コンテクスト(コンテキスト)とは
コミュニケーションが行われるときの物理的環境・対人関係情況・心理的状態などをすべて含めたものをいい、コミュニケーションに影響を与える。あらゆるコミュニケーションは何らかのコンテキストの中でおこなわれる。

引用:放送大学教材「コミュニケーション学入門」

浜本 典子
国家資格 キャリアコンサルタント

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