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5月20日開催 現場知ワークショップ開催報告

5月20日に現場知ワークショップ
「組合員の多様性が進む今、職場・組織・社会に対して労働組合がどのように向き合うのか?」
を開催いたしましたのでご報告いたします。

◆詳細な報告書はこちら(PDFファイルが開きます)

ワークテーマ①
組合員の多様性に対して、今後取組みたい組合活動とは何か?

【多様性に対するニーズ】
①そもそも、自組織における組合員の多様性とは何か?組合員価値観や多様性について、組合員が本当に求めているものは何か?
②組織内にある「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見・思い込み)」を組合員一人ひとりに考えてもらい、まずは、いろんな人の考え方を知ってもらう組合活動が必要
③「褒める」「傾聴」「認める」などのベースとなる活動を起点として、多様性をキーワードに各活動を展開する

【多様化のパターン】
①エリア限定社員やシニア嘱託社員が組合員化され、組合員の三分の一を占めるようになった。雇用形態の多様化への対応
②硬直的な年功序列だった中でエンゲージメントが上がっていかなかった中で改革が求められている。どうすれば個人にオーナーシップをもっていくかはグループ全体のテーマ。
③グループ会社内で、様々な形態の組織があり、「働き方」「地域」など違いを持った組合員に対する組合活動
④2025年にこうありたいと考える中で、ダイバーシティが重要な観点の一つ
⑤長く働き続けてもらう、長く働き続けたいと思ってもらうためにはどうするべきか
⑥会社が多様性に対する長所やメリットを見いだしていないことが組合活動の課題
⑦キャリアのスタイルも多様化しており、副業・兼業制度をキャリア・スキルアップが認められるものに対してのみ施行した。一方で、給与カットに対する補填として副業に関心が強い組織もある(キャリア副業かパート副業か?)

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ワークテーマ②
あなたの組合の組合員の「ホーム」と「バザール」はどのようなバランスか?

【ホーム(安心)重視意見】
<労組がホームで会社が バザールなのか?>
①労働組合として安心(ホーム)を提供していきたい②ホーム80%の現状を90%に高めたい
③製造業なので安全第一、挑戦しにくい。なので、バザールは高くなりにくい。
④やらなければならないことをやっているだけなので、挑戦(バザール)には至っていない。
⑤ホームはやるべきことを普通にやっていると思っている。

【バザール(挑戦)重視意見】
<組合員の属性によってホーム&バザールのあり方も多様ではないか?>
①バザールをいかに強化していくか
②組合員は、見えないところで挑戦しているのではないか。
③研究職は挑戦(バザール)してほしい
④原点に立ち返ると言う意味でのホームは低い。
⑤ホームが低めでバザールが多めではないかと感じている。
⑥ホームは少し低め、バザールが高めの傾向だと思う。
⑦新しいことに挑戦していくというメッセージが強い。
⑧組合員のおよび越しの状態をどう変えていくか?でやっている。
⑨バザール重視。
⑩組合としてはバザールの機会として場を提供している。

【バランス重視意見】
①挑戦(バザール)を後押ししていくが、変化の中で安心(ホーム)も大事。バランスが大事。
②どちらも、高くも低くもない。
③若手はバザールがとても高く、安心感は低い。一方の年長者は挑戦(バザール)でなく安定を求めている。
④会社は、挑戦というキーワードが強く、ストック部門では安心を求められている。
⑤組合としては、両方を見ながら運営をしている。

【その他(経営メッセージ/ホーム&バザールに関して組織内で起こっていること)】
<組合活動としてのバザールが必要ではないか?>
<自組織におけるホーム&バザールのベストバランスな状態とは?>
①経営層のメッセージ発信の言葉が変わってきた「働く人の幸せ」(=ホーム&バザール)
②ホームが高い印象があるが、会社からのメッセージは「挑戦」(バザール)。
③バザール思考(現状を打破したい人)は早期退職で組織を去っている。
④ホーム&バザール指標について、経営層・組合員の声を聞きたい
⑤縦社会(組織)が強かった時代は、ホーム的な価値観は低かった。
⑥組合の中で挑戦をするということは少なくなっていると思った

ワークテーマ③
組合活動を進める上で目印としている指標はありますか?

【ビジョンや方針の達成状況】
<ビジョンなどの「ありたい姿」の達成状況を測る>
①ビジョンの達成状況②運動方針の実践度③ビジョンに即したものに変えてたい④目指す状態に近いかどうかの実感を尺度にしたいと思う。
【組合員アンケートとその回答率】①組合員アンケート(自組織は年1回)のスケジュール
②組合アンケート回答率が一つの指標となっている
③3年に1回アンケート調査を実施している。
④調査による定点観測
⑤アンケートの回収率
⑥アンケートの改修率は7割程度。

【その他方法】
<アンケート調査とヒアリング調査のバランス>
①組合員に直接的に反応を測る(反応ある・ない・薄い)
②可能な限り職場訪問を行い現状を把握している
③会議の参加者数など気にする
④職場集会などの場
⑤本部の会議は参加率
⑥委員会の出席率
⑦職場集会の参加率
⑧職場に対面で行く事にしている。
⑨労組の提案に対して、組合員が議論ができるかどうか。
⑩アンケート実施時のコメント数
⑪HPのアクセスログによる活動認知が一つの指標。
⑫直接伝えるべき情報が「声」で伝わったかどうか?
⑬一つのテーマについて論議が尽きない時(影響度が高いと判断)
⑭一方的に物事が決まっているかどうか

ワークテーマ④
春闘に代わり、社会に発信していく労働組合の指標とは、どのようなものか?

【組合員の幸せ(指標)】
①「働く人の幸せ」を定義すること
②労使による共同宣言「ウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態であること)」
③自分の人生は自分のもの
④スケールメリットを活かしてみんなで助け合っていく(相互扶助)
⑤賃金・労働条件だけじゃないところを大事にしたい=メンバーの「幸せ」
⑥ハピネスを作っていく
⑦組合員の幸福度​の発信
⑧組合員の幸せを追求するためにワークエンゲージメントの向上を追求
⑨従業員の幸福感(例:退職率の低下)
⑩多様な働き方の発信= 組合側から会社を巻き込んでいけるような活動
⑪組合活動を通じて少しでも社会が良くなる
⑫社会貢献の要素による存在意義
⑬組合の理念やビジョンをどう社会に示せるか?

【総括】

■春闘テーマである、組合員の経済的な価値を表す「賃金や労働条件」をベースにしつつ、これからの時代の組合員の幸せを実現する上で、私たち労働組合は、どのような指標を掲げ組合活動を展開し、社会にインパクトを与えていくのか?本格的な議論がスタートするフェーズに入りました。
■上記の意見にある、ベースとなる相互扶助(お互いの多様性を認め合い助け合うこと)は労働組合の磨くべき「持ち味」であり「強味」です。組織によっては、「組合員の幸せ」の状態を組織のビジョンとして掲げ、運動方針に反映し活動を展開しています。
■そのような労働組合がお互いに手を取り、それぞれの組織のビジョン達成に向け影響を与え合うことで、労働組合という組織の活かし方、組合員が幸せを実感できる組合活動が生まれます。
■そのような組織間のつながりを創り、お互いがそれぞれの「ありたい姿」に進んでいくプロセスが、より良い社会に貢献することだと考えます。
■今回の対話を受けて、次回「現場知ワークショップ」のテーマは、以下の通りです。
「自組織の多様性を知り、組合員の幸せを実現する社会での組合活動のあり方」
 ~組合員の幸せを測る「ホーム&バザール」のバランスについて考える~


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