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知っておきたい! 「足関節背屈制限」評価まとめ

「足関節背屈制限」は臨床上多くの問題を引き起こす原因となります。これまで臨床+では足部、膝関節疾患について配信をしてきましたが、その中でも「足関節背屈制限」が多く取り上げられることがありました。

そこで本記事では、「足関節背屈制限」の評価についてまとめていきます。

足関節背屈制限が引き起こす様々な影響

■足底腱膜への影響
歩行において足関節の背屈は約10°、またランニングにおいては約30°の背屈が必要とされます。

Riddleらは、

膝伸展位における他動足関節背屈において
その角度が10°以上の者と比較し
6〜10°で約3倍
1〜5°で約8倍
0°以下で約23倍
足底腱膜をはじめとする踵部底側の疼痛が生じやすい

と報告しています。

荷重位で下腿の前傾を伴う運動をする際、足関節背屈可動域が小さいと足部の外転で対応します。そのため、内側縦アーチが低下し、足底腱膜に伸張ストレスがかかり、足底腱膜炎の原因となります。

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■内反捻挫への影響

■膝関節への影響

また、ACL損傷の危険因子である「動的膝外反」や「膝関節の浅屈曲」にも足関節背屈制限は大きく関わっています。

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足関節背屈の関節動態

足関節背屈というと一般的には距腿関節の矢状面上での動きのみをイメージすると思いますが、実際は荷重位でこのように複数の足部の関節が三次元的な動きをします。

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