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関心のあることから、始める

私の関心は、工場で技術を持っている人たちと携わり仕事をしたいということでした。これは創業してから考えていたようですが、自分の中で明確に言葉にされていませんでした。サービス(事業)として価値を提供していくことと、現場に入って一緒に仕事をしたいということは、意味が異なります。会社という形ではなく、社員としてどこかの企業に就職すればよいはずです。深く生産現場に携わる中で、時間をかけて気づくことができました。満たされていないものは、満たすために行動する。やってみないとわからない。まずは経験してみたい。

行動してみると新しく見えてくるものがありました。お客様が自社で立てた指標を達成し、部門を超えて喜びを共有している場面に立ち会うようになりました。その場面をみて、自分が携わることで、少しでも貢献できたことはうれしく思いました。一方で、自分も誰かと、何かを成し遂げたいと思う気持ちが出てきました。この感情は、私にとっては大きな変化です。実は数年間、「組織」や「チーム」という言葉を私は遠ざけていました。読書好きですが、これらのキーワードを含むものを読まないようにしました。そして、「機械」や「システム」という無機質なテーマをピックアップしていました。誰かと何かを成すということへの恐れがあったようです。しかし、先ほど記載したように、工場も「チーム(組織)」で動いていました。「機械」も「システム」も、動かすのも人でした。

偶然にも「ビジョナリー・カンパニーZERO」という書籍に出会いました。その中で創業時に一番大切な指標の話がありました。それは、「バスの重要な座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合」でした。いろいろな偶然が重なりました。私自身が自分の関心ではなく、バスという乗り物を考え始めました。はじめは、恐れがありました。しかし、それを諦めているわけではなく、本当は実現したい。信頼できる仲間と共に達成したい。

自分の気持ちを言語化し、共有することが私は苦手です。「対人(他者)」であれば、気持ちを感じ取ることができるのに、「対自分」に関していうと、的確に表現しきれていません。人の気持ちを察する方が比較的、得意です。しかし、これから一緒にやっていく仲間には、しっかりと自分の言葉で、自分の気持ちを表現することを諦めないようにします。そして、自分の話を一方的にするのではなく、対話できる器を身につけます。

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