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年末年始で親にスマホをインストールする!4day ブートキャンププログラム 前編

この記事では、ガラケーの60代親を1年でキャッシュレス決済を使えるまでに育て上げた筆者の実体験をもとに作成した「4日間スマホブートキャンププログラム」を紹介します。

これから親にスマホを持たせる人、すでにもたせてるけどイマイチ使いこなせてない人にオススメ!

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SMSやPCメールで連絡してくる親に言いたい。

「そんなもん見てねーよ!」

ガラケー親は、様々なものを相対的に失っている。

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息子の近況を知るチャンスも、PayPayのボーナスも、いちいちツタヤにDVDを借りたり返したりする時間も。

人生100年時代、親だってまだ何十年も生きるだろう。

その何十年を、SMSで会話し続けるのか?現金払いを続けさせるのか?DVDを借りに運転させ続けるのか?...そんな恐ろしいことがあるか!

そんなわけで、私は決心したのだ。

「一刻も早く、親にスマホを持たせよう」と。

しかし、東京に住む私は、田舎に住む親とは正月くらいしか顔を合わせない。だれか教えてくれる人がいればいいんだけどな。

そんなニーズに答えて、携帯キャリアが「スマホサポート」なるものを提供している。アプリのインストールだけで3,000円取るらしい。アホか!!!

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というわけで、私は田舎に滞在する4日間で親へのスマホインストールを完結させねばならなかった。

その四苦八苦と、四苦八苦の末に生まれたスマホネイティブ養成プログラムを見ていこう。

4日完結は無理ゲー。なら何を目指すべきなのか?

今、何気なしにこのNoteを読んでいるあなたは、とんでもない偉業を成し遂げている。だって、ここに至るまでにあなたは

スマホの基本設定を完了し
タップやスワイプをマスターし
文字入力をマスターし
AppstorePlaystoreを認知し、理解し
TwitterやらNoteやらのアプリをインストールし
プロフィール情報を一通り入力し
フォローや検索を経て記事を発見して
ハイパーリンクの性質を理解し
アルファベットの意味不明な文字列をクリックする恐怖を克服し
etc.etc.

というスキルを、長い年月をかけて自学自習してきたのだ。

早速どんでん返しで申し訳ないが、4日で覚えさせるなんてムリ!スマホ導入後は必ずフォローアップサポートが必要になる。

親と一緒にいられる4日間で達成しなければならないのは、フォローアップサポートを遠隔で成立させるために
親のスマホで何が起こっているかを正確に把握できるようになることだ。

というわけで、この4dayブートキャンプの目標は

「親が、自分で見ている画面の URL/スクショ を自力で取得をできるようになり、それをLINEで他人に送れるようになる」

というただ1点である。

スマホで起きていることを最も正確に伝える手段は ”URL” ”スクショ”
親とこの2つをやりとりできれば、親のスマホを手取り足取り遠隔操作できる。

それを確実に達成する、ハードなプログラムはこれだ!

Day1-午前の部: スマホを買おう!~親向けスマホ、どれがいいねん?~
Day1-午後の部: スマホを好きになろう! ~基本操作とFacebookの魔力~ 
Day2: 自家製らくらくスマホをつくろう! ~厳選初心者アプリ9選~
Day3: インターネットの世界へようこそ!~ネットを理解する5つのエレメント~
Day4: 卒業試験 ~URLとスクショを私に送って!~

2020年は、家族全員デジタル・ネイティブになろうじゃないか!

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Day1 午前の部:スマホを買おう!~親向けスマホ、どれがいいねん?~

結論から言おう。

あなたが買うべきなのは、今あなたが持ってるスマホと同じ機種だ。

シニア向けビジネスは活況。各キャリアが「らくらく」系のスマホを出している。簡単に言えば「機能を削ってシンプルにしたスマホ」だ。スマホが難しいのは、色々できすぎるからだ。制限してしまえば、シンプルでカンタン。実に理にかなっている!

残念ながら、あなたが買うべきなのはそれではない。

らくらくスマホを買った叔母に、スマホ操作を聞かれたことがある。そもそも「らくらくスマホ」なのに操作に詰まってしまう時点で「らくらく度」が足りてないことは明白なのだが、衝撃的なのは私が教えてあげられなかったことだ

試しに下のスマホを見てほしい。

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画像引用元: らくらくスマートフォン me F-03K | らくらくスマートフォン | 製品 | NTTドコモ

「...設定は...どこだ?」

「...LINEはどこだ?」

「えーと、アレ(うろ覚えだけど必要な、言葉にし難い何か)はどこにあるんだ?」

その場でブツを持っていてもよくわからない。謎スマホの操作を遠隔指示するなんて、Switchのコントローラーで車を運転しろといわれるようなもんだ。ムリゲー。

ゆえに、親に持たせるスマホは自分が隅々まで機能がわかっている、自分と同じスマホに限る。設定アイコンはどこにあるかわかるし、設定の先の画面のその先まで全部一緒だ。迷いなく指示が出せる。

そんなわけで、うちの親はジジババのくせにおそろいで最新のiPhoneを持っている。

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Day1 午後の部:スマホを好きになろう! ~基本操作とFacebookの魔力~ 

買ったら早速、初期設定をする。あなた自身で、全部。

「使用状況に関する情報を Apple と共有するってなんか不安やわ〜」とか言ってる間に1日消えます。全部あなたのスマホと同じ設定でOK。

ささっと初期設定がおわったら、基本操作の習得。こればっかりは、手取り足取り教えてあげる他ない。Day1に真っ先に習得させなければならないのは下記の3スキル。

- 基本タッチ操作(タップ、スワイプ、ホームに戻る)
- 文字入力
- コピー&ペースト

コピペはDay3以降に重要なスキルになるので、必ずDay1に仕込む。

とはいえ、スキルの単純反復はつまらない。スマホを嫌いになってしまったら大変だ。頻繁に教えることが難しい我々にとって重要なのは、親の自発的学習意欲を高めて勝手にうまくなる状態を作ること。

そこで圧倒的におすすめするのはFacebookだ。

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親のFacebookのアカウントを作ってあげて、親の知り合いのアカウントをバーっとフォローしよう。

「おお〜、あいつこんなことになってたんだ〜」「え〜、○○さんのお孫さんカワイ〜♡」

これで親は自分の知っている人が、自分の知らないところで別世界を生きていたことを実感する。一気にスマホを触るモチベーションが生まれて、自発的に触り始めるようになるのだ。


<Day1演習>

-  子供や友達に、Facebookでメッセージを送ってみよう。

- 長押しでテキストを選択して、コピーアンドペーストをしてみよう。


Day2 : 自家製らくらくスマホをつくろう ~厳選初心者アプリ9選~

スマホを複雑にしているのは、アプリだ。

らくらくスマホが減らすべきなのは、機能ではない。アプリの数だ。アプリを厳選することで「親にも、教える側にもわかりやすいシンプルなスマホ」が誕生する。

ではなんのアプリを残すべきなのか?厳選した初心者アプリ打線はこれだ!

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〜解説〜
基本機能・インターネット・SNSの3カテゴリで説明する。

<基本機能>
電話...ガラケー世代間の交信ではまだメインツール。なくすと不安がるのでわかりやすいところに置く。
カメラ...みんな写真だいすき!
写真...カメラで撮った写真はどこで見るの?と必ず言われるので、わかりやすいところに置く。
    スクショもここに格納されることも念押し。
メッセージ...SMS認証を導入するときに必要なので残す。ガラケー世代との交信にも使う。
設定...指示を出すことがたまにあるので、発見しやすいところにおいておく。
    触らせると危険なので触らないように言っておく。

<インターネット>
Chrome...すべての窓口。目立つところに置く。
      Safariでもいいが、のちのちGoogle系アプリは頻繁に使うようになるので
      Chromeのほうが連携が楽。Googleアカウントの作成も忘れずに。
YouTube...インターネットカテゴリに置くことに疑問があるかもしれないが、
      今どきはYouTubeでググる人も多い。How to 系動画の検索場所として重要。
      あと猫動画。

<SNS>
LINE...我々と親のメイン交信ツール。目立つところに置く。
Facebook...スマホモチベーションの原動力。


「アプリ」という言葉は機能を説明しないのでなるべく使わない。​


というわけで、まずは頻出アプリだけをファーストビューに集めよう。遠隔で教えるときに非常に楽になる。他のアプリはセカンドビュー以降に追いやってしまおう。フォルダに突っ込んで触る確率を減らすとなおよい。

他のカテゴリ(生活改善/エンタメ)のアプリは2回目の帰省で導入する。(上級編の記事で書く予定)
初年度は上記のアプリの習得を最優先にしよう。

Chrome(Google)/LINE/Facebookのアカウントセットアップも、自分でぱぱっとやってしまおう。親が慣れるまではID/Passは子供が管理している方がベター。プライバシーを尊重して親にID/PASSを決めさせるのも一理あるが、必ず忘れて発行元に問い合わせをするハメになる。誰もが通るアイパス問い合わせ。よくわかってない人に遠隔操作でやらせることが地獄であることは、容易に想像がつくであろう。


<DAY2演習>
- それぞれのアプリを触って、なにができるか理解しよう。

- Chromeの検索で、趣味の記事さがしてみよう。

- カメラで写真を撮って、LINEで送ってみよう


~後編に続く~

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