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マッサージとエクササイズのメリットの違いを答えられるか。

よくお客様から聞かれる言葉の1つ。

「マッサージと運動の効果は違うんですか?」

これは身体のトラブルに悩む方は感じたことがあると思います。

運動の方が良いとなんとなくは思っているけど、めんどくさいし気持ち良いしマッサージ行こっかな、という方も多く、その気持ちは僕もわかります。


そもそも論を先に言うと。
良くトレーナーだからマッサージ否定派でしょ?と聞かれますが。
これはこのテーマに限らず、目的に沿っていれば手段はなんでも良いと思っています。
なのでマッサージでその人の悩みが解決するのならそれで良いというスタンスです。

運動(ストレッチ/エクササイズと今回は定義します)とマッサージはどちらが良い悪いの話ではなく、分けて考えることが大事です。


1つ言えるのは、身体の痛みやコリなどに悩んでいる方がその悩みを解消したい場合は、エクササイズ一択です。

この理由下に書きますが、脳の仕組みから説明がつきます。


僕が普段伝えていることはこれです。

①身体トラブルの原因から変えたい時→運動
②リラックスの方を優先したい時  →マッサージ



身体を動かすのも結局は脳へのアプローチ

今回は①について。

運動のメリットを脳の目線から一言で言うと。
「身体を動かすことで、脳の中の自分の身体イメージを変えられる」こと。

良くわかりませんよね。怪しい話ではありませんのでご安心を。


例えば、猫背姿勢が原因で肩こりに悩んでいる方。
猫背姿勢の場合は、頭が前に出て、背中の筋肉が伸び、胸の前の筋肉が縮こまるという現象が起きます。(ざっくり書いてます)

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運動を提供するとこのような流れになります。


①猫背姿勢が原因で肩こりに悩んでいる

②この人の脳は「今の(猫背の)姿勢が正しい姿勢だ」と認識している

③猫背を正す運動をすることで、肩こりが減る姿勢に正す

④ただ、数年の姿勢は脳が覚えているので脳が"正しい姿勢"の猫背に戻そうとするのですぐ戻る

⑤猫背を正す運動を定期的に行うことで、脳が猫背ではない姿勢を正しいと認識

⑥肩への負荷が減る



こう見ると運動をして身体に変化が起きても、数日経つとまた元に戻ってしまう原因は脳にあると説明できます。


関わっているのは"運動覚"


ここからは脳の話を掘り下げてみます。
詳しく書こうとするとだいぶ長くなるのでシンプルに。


上記のような現象が起きるかというと、感覚の中でも"運動覚"が関わってくるから。

この運動覚とは、自分の身体の位置やどう動いているかを認識する感覚なので、姿勢や動き方に大きく関わってくるのです。


この運動覚は以下の3つの部位から脳に伝わります。

・筋
・腱
・関節

この3つの中にセンサーがあり、それぞれの伸縮により刺激されると、脳内の中心溝の底部(3a野)に投射され、身体の運動や位置の変化についての情報を察知します。

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簡単にまとめると、
筋/腱/関節が伸ばされる→脳に信号が行く→脳が認識
こんな流れです。


なので極端な話、
筋への振動などで刺激を入れれば運動が錯覚を引き起こし身体の変化が生じるわけです。


ただ、なかなか怖い話でもあるので現実的には運動を継続することで筋肉や関節だけでなく、その先の脳に働きかけましょうという話です。





「運動=筋肉を鍛える」
というイメージが強くこの辺の話はあまり知られていない気がしますが、やはり人間の根本は脳です。

運動を通してここに働きかけられると、よりお客さまの全体を捉えることができたり、予後予測がつきやすいので、大切にしている部分です。

人の身体や感情は複雑なので、正解はもちろんないですが、このように知識を入れていれば対応できる幅も増えます。



小手先にならないための知識を、SNSにあげるための知識でなくお客さまのための知識を、日々アップデートしていく次第です。



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