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健太が行く 年金体験プロジェクトあけぼの荘六畳物語 あとがき

『健太が行く 年金体験プロジェクトあけぼの荘六畳物語』をご覧になっていただきありがとうございました。
 まだご覧になっていない方で、あとがきからご覧になりたい方も大歓迎です。是非物語もご覧ください。
 但し物語のコメディとは違い、至極まじめな文章ですので最初に覚悟をもってご覧ください。

 なお、この物語を書いたのは2009年です。この物語に書いた「緊急提言」を今回見直してみて、まだまだなだと稚拙さを恥じております。
 その後にホームページを作成し、この物語に書いた「緊急提言」を発展させてきたつもりです。

2014年に、超緊急提言 を、主だった政党に送付しました。
2016年に、超緊急提言Ⅱ を、主だった政党に送付しました。
2018年に、超緊急提言Ⅲ を、主だった政党に送付しました。

少しでも語気興味がある方は、上記をご覧になってみてください。

あとがき

 拙著、年金体験プロジェクトを最後までお読みいただきありがとうございました。私が、この本で書きたかった事は、三つあります。

一つ目は、少なくとも日本は不条理に満ちていることです。

一生懸命働いて、老人になったら年金がまともに受けられない世の中になっている。一部のあほな官僚の数字だけの行政に翻弄されているということです。
 年金だけではありません。派遣切りに代表される雇用問題。一生懸命働こうとしていても、仕事が無い。仕事があっても満足な収入が得られない。私も、現在(2009年7月31日現在)明日をも知れない環境で仕事をしている一人でもあります。その一方で、金を持っている人は自分たちの生活を謳歌している。それは、能力だけの差でしょうか?
 社会の仕組みが間違っているからではないのでしょうか? 私は、共産主義のようなえせ平等をいっているのではありません。少なくとも、日本にいる限り、最低の文化的生活を約束している憲法に抵触しているのではないでしょうか?
 政治家や官僚はどうでしょうか? 拙著で、美咲が言った、「政治家や官僚たちと、国民がいがみ合う国って、まともな国だと思いますか(後略)」という一言に込めたつもりです。この根っこにあるのは、国民が途端の苦しみをしているのにも関わらず官僚の待遇は、あまり変わっていません。天下りにしても、結局放任されているに等しいと思いませんか? 

二つ目は、日本は、本当に民主主義の国家なのでしょうか?

 という疑問が沸いてきます。「もう、政治屋さんの時代は終わったんや。政治を息子やなしに国民に手渡してもええのとちゃうか?」と言った、西条という老婆の言葉に私の想いを込めたつもりです。その理由は、拙著でも書いたように、供託金の存在です。それと、立候補した人間は平等に扱われないという民主主義に程遠い日本の姿があるからです。

 選挙により得票率は異なりますが、決められた得票率を下回った場合、供託金は没収され、選挙事務所や選挙カーなどの経費も自腹で支払わなければならなくなります。まるで戦前の、制限選挙と同じではないでしょうか?
「日本のために一千万以下の給料でも、ちゃんとやる人間は、ぎょうさんおるで。ただ、ハードルが高過ぎる。供託金高いやろ。金を持ってないと立候補できんやろ」
「それは、面白半分に立候補されたら困るからではないですか? 代議士の奥さんだった方のお言葉とは思えません」
 よしっ。これでは反論できないだろう。川添は、やっと一矢報えるとほっとした。
「ええやないか」
 西条は、あっさりと言った。
「何故です? もし、そんな輩が国会議員になったら…」
「あんたは、やっぱりあほや」
「あほ呼ばわりは、やめてくれませんか」
 川添は、不服そうな顔を西条に向けて抗議した。
「すんませんな。と言いたいけど、あんたは国民を馬鹿にするんか? あほと、愚か者しか選択の余地が無い今の選挙を代えようとせんのか。国民は、面白半分で立候補したかどうか。それぐらいの事は判るはずや」
 また、拙著からの引用になりますが、日本の供託金は、世界でもトップクラスだそうです。
 供託金は、衆議院で三百万円必要です。と言うことは、三百万円のお金がないと立候補することすら出来なくなります。何故でしょうか?
 現在の政治家がプロで偉くて正しいから、ど素人が当選してもまともな政治はできないとでも思っているのでしょうか?
 貧乏人が選挙で当選して自分たちの仕事がなくなると困る。とでも思っているのでしょうか?

 だから、金の無いやつは、我が党から立候補して当選したら我々の思い通りに動いてもらう。とでも、考えているのでしょうか? 事実としたら、政治の私物化。党利党略以外の何物でもありません。
 今回(2009年8月現在)歳費一割削減を掲げている政党もありますが、はたして妥当でしょうか? 他の政党はどう考えているのでしょうか? 今回のマニフェストでは何も触れていないようです。そんな代議士の偉い先生方は、日本の国会議員の歳費(給与)がどれだけ高いか? そんな事もご存じないのでしょうか? それに、少し前にイギリスで問題になった経費を私用に流用していた事実をご存知でしょうか? 
 日本の、文書何とか費は、毎月余っても百万円非課税で支給されるのですよ? その百万円は、何に使っても自由です。表向きは、経費ですが、余っても、返す必要は無いのです。領収書はいらない。結局、自分のために使っても誰も分からない。そんなに、日本の政治家は聖人君子でしょうか? だって、おそ松建設? から不正な献金を与野党貰っている。死んだ人や、献金していない人からも献金があったことになっているんですよ。そんな政治家信じられますか? せめて、拙著で書いたように、仮払い若しくは、経費専用のカードを造って、使った経費は全部公開するぐらいのことをやらないと、国民は何時になっても政府を信用することは無いでしょう。

 もう、政治にお金がかかるという嘘を言うのははやめましょう。お金が掛かるのではなく、勝手に自分たちの都合のいいようにお金を使っている。と、本当のことを言いましょう。つまり、○○のお金を育てる会? みたいな、資金管理団体は即刻解散しましょう。頭のいい国会議員の先生方は、何故、政治にお金が掛かるかご存じないのでしょうか? お金を集めるためだけに存在する秘書? 人件費だけで相当な額になるのではないでしょうか? もっと、お金を賭けないで政治が出来る世の中にしないと、日本は滅んでしまいます。「国敗れて政治家と官僚だけあり」にならないように。

三つ目は、政治家や官僚たちが国民のことを本当に考えているのでしょうか?

 自分たちの事しか考えていないのではないのでしょうか? という事です。
 拙著で、健太が老人たちに聞かせた緊急課題の一部を引用します。少し長い文章になりますが、再読してください。

「⑦公務員の給与を、一般的な水準に是正します。一般職員平均年収500万円程度。幹部職員の上限を800万円にします。
⑧国会議員定数は、衆参合計で350名以下とします。給与を、一般の水準に是正します。
 総理及び、各大臣の年収の上限を1千万円とし、議員の年収は、800万円程度に抑えます。必要な経費は、仮払金とし、月末に精算します。経費専門のクレジットカードの導入も検討し、議員の経費は、無条件ですべて国民に開示します。
 外遊、海外視察について移動は、格安エコノミー運賃を利用することとし、差額を、自費で補填する場合のみ、ファースト、ビジネスも可とします。帰国後、趣旨、日程、レポートを提出することを義務付け、国民に公開します。趣旨、日程、レポートに虚偽の報告がある場合、議員を罷免することも考えています。
⑨市町村議員をボランティアにし、公務に対しては、時給2,500円を支給します。議員専任を希望する者は、生活保護費相当を給与として支給する。以上が、政府機能のスリム化地方分権化の私の案です」
 これは、政治家が職業ではなく、この国を良くしたいと思った人の、発露の結果だということです。だから、最長でも十八年を任期の最高としました。

 つまり、率先垂範です。きっと、政治家や官僚は率先垂範と言う言葉をご存じないのでしょう。政界では、死語になっているかも知れません。
 日本が大変だから、未曾有の経済危機だから、国民が塗炭の苦しみを味わっているから、政治家も痛みを感じます。今の歳費を、半分にして、余ったお金を福祉に回します。ぐらいのことを言ってもいいのではないでしょうか? それでも、アメリカやイギリス以上のレベルの歳費なのですよ。決して、少ない額ではないのです。
 この前、某党がマニフェストを配っていたので、噛み付いてしまいました。(※2009年当時)「政権交代をタイトルにするな!」と、言った私は、歳費を半分にするぐらいのことはやれ。と言ったところ、考えていると運動員? から返事が返ってきました。考えているだけでは何も解決できません。国会議員の誰か、一人だけでも実行すれば日本は変わると思いませんか?

 結果。凄いことになると思いませんか? 単に国会議員の歳費が半分になっても高が知れていると、お思いではないでしょうか? 政治家の偉い先生方も同じ考えなら、大ばか者としか言いようがありません。
 国会議員の歳費が、一千万程度に下がったら? 高級官僚と呼ばれる、公務員が今のように一千万以上も貰えないでしょう。退職金だって減ります。結果、公務員の給与は、相当下がるはずです。つまり、国会議員の給与を下げるだけで、一兆円や二兆円の人件費は、簡単に下げることができると思いませんか? まず、そこから始めましょう。もちろん、日本の国民が豊かになったと感じたら、政府に信頼を持てるようになったら、歳費を少し上げても国民から文句は出ないでしょう。だって、最近の知事や市長は、給料を下げるといってるんですよ。自分の給与を。

 それから、二重行政や二重政治をなくし、道州制にして、無駄な議員や公務員を大幅に減らしましょう。年金や保険は、一本化して不要な公益法人は無くします。というよりも、ゼロから、必要な法人を造っていくぐらいの心構えが無ければ削減はできません。
 余った公務員はどうなる? と、お考えの皆さん。官民交流センターもなくします。もうお分かりですね。国民と同じ境遇になるだけのことです。だから、日本の課題は、どうやって雇用を創出するかに掛かっております。それと、ハローワークを充実します。余った公務員で、医師免許があれば、不足している地域に派遣してもいいじゃないですか。

 マニフェストで無駄を省くと言うのなら、前述したように二重行政や、三重政治からやめましょう。それから、ちゃんと優先順位を決めて、優先順位の高い政策からお金を使いましょう。優先順位の低い政策は、国民に説明して待ってもらう。そんなめりはりをつけなければ国民の負担は増えるばかりです。

 私が拙著の中で書いた案が正しくて、政党が掲げているマニフェストが間違っていると声高に言うつもりはありません。只、政治家は、職業ではないと考えております。いや、断じてあってはならない。

 素人で無名の私が、何を言っても誰も見向きもしないでしょう。が、機会があれば『ど素人の考える日本の政治』みたいな本も書いてみたいと思っております。これからは、政治のプロや、どんな基準で選ばれるか訳の分からない有識者? だけではなく、日本の将来を本当に憂いている名もなき庶民の意見を少しでも汲み上げることが日本の将来を良くする端緒となるかも知れません。

 最後に、嵐健太という若造が当選したとしたら、演説で言ったことを実現できるのだろうか? どうするのか? どう戦うのか?  皆さんでお考え頂きたいと思います。

 もし機会があれば、続編を書いてみたいと思っております。もちろん、日本が本当の民主主義、本当に国民のことを考える政治に変われば、続編を書く必要はなくなります。しかし、私に続編を書く機会を日本の政治は与えてくれるような気がしております。もちろん、この本が読者の共感を呼べばという前提はありますが。

おまけ(税金について)

 最近税金のばら撒きという言葉を耳にします。ばら撒きはけしからん。果たしてそうでしょうか。言い換えれば国家予算の基本は、ばら撒きです。つまり、国民や企業からお預かりした大切な税金を、国民のためにばら撒くのです。つまり、税金は再配分なんです。

 今までは、道路やダム、要らない箱物や赤字になるのを分かっている空港などにばら撒いてきたじゃないですか。道路やダムはばら撒きと言わないで、減税や、給付金、児童手当だけをばら撒きと言うのは少しおかしいと考えています。違うでしょうか?

目次

第一部 年金の星? 誕生

第二部 年金体験 

第三部 嵐健太の決意

あとがき

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