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ククブクの味見

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海外の料理本のことならククブクにお任せ! 優れたデザイン性があり、コンセプトにひとと風土と文化が見える海外の料理本「cookbook」を紹介するマガジン「ククブク」を、noteで…
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2018年11月の記事一覧

その土地のキッチン、いちばん遠い旅先

タラブックスから刊行された書籍の日本語版が発売今日は友人に教えてもらった情報をシェアしたいと思います。 そのていねいな本づくりが世界的に評価されている、インドのちいさな出版社「タラブックス」。 この出版社が、日本人建築家/デザイナーの齋藤名穂さんが著した南インドのキッチン探訪記『Travels Through South Indian Kitchens』を発売したというニュースは、今年の4月にククブクのストーリーでお伝えしました。 この本の日本語版が、『南インド キッチ

アイーシャからサミンへ

編集者が語る、感謝祭特集のフード雑誌の表紙 2018 #04先週の木曜日がアメリカの感謝祭だったことをきっかけに、フード雑誌の11月号「感謝祭特集」の表紙デザインを見ていっています。 全7誌のうち、前回までで『Bon Appetit』『Southern Living』『Martha Stewart Living』『Cooking Light』『Rachael Ray Every Day』の5誌を終え、いよいよ今日が最終回。 今日もフード情報サイトEaterの編集員たちが、

ローストのうえにかかる適切な量のあらびきコショウ

編集者が語る、感謝祭特集のフード雑誌の表紙 2018 #03アメリカのフード情報サイトEaterの編集者が、フード雑誌の感謝祭特集号の表紙をレヴューする毎年恒例の企画。 4名の編集者が、全7誌の表紙デザインを好き勝手に論じているのですが、今日はその第3回目をお送りしたいと思います。 本日登場するのは、タイムズ・グループとメレディス・グループの合併の影響で12月に定期購読号が終了する『Cooking Light』誌と、昨年の本特集でターキーのお尻にクロースアップして非難轟々

パイゆえに人は苦しまねばならぬ!!

編集者が語る、感謝祭特集のフード雑誌の表紙 2018 #02先週の金曜日、23日は、勤労感謝の日で祝日でしたよね。 お仕事がお休みだったかたも多かったと思います。 でもなんで労働に感謝するなんて日が、11月にあるんでしょうか? 1年も終わりに近いから? この点、国民の祝日に関する法律を読んでみると、勤労感謝の日は「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日と規定されています。 そして、もともとこの「勤労」というのは農業労働のことを指していたんです。 「

金曜日のcookbookランキング

#096 となりの海抜くん 新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 11月第4週のランキングをお伝えします。 いろいろドタバタがありましたが、先週末から高知での妻の展覧会が始まりました! 今回は3会場にわたって映像と写真、野外インスタレーションの作品があるのですが、そのうちの映像作品でぼくが撮影を担当しています。 よかったら見に来てください! 宣伝はこのくらいにして、無事展覧会が始まったので、ついに香美市の外に出ることができました

昔のウロコで出ています

編集者が語る、感謝祭特集のフード雑誌の表紙 2018 #01今年もなんとか無事(?)ハロウィーンが終わって、次の大きなイベントはクリスマスということで、日本では商戦が動き出しておりますが。 アメリカではクリスマス前にもういちイベント(もうひとがんばり?)、感謝祭というのが11月の第4木曜日(今年は本日、11月22日)にあるんですね。 家族や友人がたくさん集まって、一年の実りに感謝しながらごちそうを囲むという貴重な機会が、この感謝祭。 このため、感謝祭のある11月にはフー

ラタトゥイユの東、パスタの西

コート・ダジュールのふたつ星レストランがcookbookを発売毎年発表されている「世界のベストレストラン50」。 今年2018年は、マッシモ・ボットゥーラの「オステリア・フランチェスカーナ」が首位に輝き、2位にはスペインのジローナにある「アル・サリェー・ダ・カン・ロカ」が選ばれました。 このとき第3位に食い込んだのが、フランス・マントンにある「ミラズール」。 今日はそのレストランが11月に発売したばかりの、新作cookbookをご紹介したいと思います。 サウス・チャイ

世界でいちばんcookbookを書くのが好き!

ククブクの、どこよりも早いcookbook出版情報最近Eaterがcookbookの新刊情報を更新しないので、ククブク独自でまとめてみました。 まずは、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストであり、cookbook作家のアリソン・ロマンが、クラークソン・ポッター社と2冊のcookbookを出版する契約を結びました。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

揚げて、砕いて、小分けにして

cookbook作家が愛用するキッチンツール その3アメリカの建築雑誌『アーキテクチュラル・ダイジェスト』誌のウェブサイトの記事から、この秋に発売されたcookbookと、その著者たちが愛用しているキッチンツールについて見ています。 前回は、いかにも高級そうなペッパーミルから、安価だけどキラリと光るアイディア商品まで、そのひとの思想やライフスタイルまでが透けて見えるようなチョイスにあふれていました。 最終回の今日は、どんなキッチンツールが登場するかな? 最後までどうぞご

金曜日のcookbookランキング

#095 パンがなければ食べるお菓子新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。 11月第3週のランキングをお伝えします! 今週もまた、高知からの食のレポート。 朝の風景を撮ったあとの朝食は、香北町にある道の駅美良布(びらふ)で。 高知もカフェ文化が根付いてるんですね〜。 いまいるところは山間の小さな集落なのですが、近所に美味しいお弁当屋さんを見つけました。 メニューが日替わりなのと、お手頃な価格がうれしい。 おばあちゃんたちのお茶

その「おこだわり」、私にも使えそう!!

cookbook作家が愛用するキッチンツール その2アメリカの建築雑誌『アーキテクチュラル・ダイジェスト』誌のウェブサイトから、最近発売になったcookbookの著者たちが日頃愛用しているキッチンツールを紹介する記事を読んでいます。 前回は4人のうちふたりが愛用のヘラを挙げていましたが、今日はどうなっているかな? 続きをご覧ください。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

ヘラほど役立つものはなし

cookbook作家が愛用するキッチンツール その1アメリカの建築雑誌『アーキテクチュラル・ダイジェスト』誌のウェブサイトに、cookbook作家たちが愛用しているキッチンツールを紹介する記事が掲載されていました。 写真家あるあるで、「たいしてテクニックもないアマチュアが、高価な機材を持ってる」とよく揶揄したりするのですが、ぼくは乏しいテクニックをカバーするためには、アマチュアこそ良い機材を使うべきだと考えています。 料理もこれに同じ。 プロのcookbook作家たちが

コミュニティを巻き込むことで変わるもの

とある書店のお引越しイギリスのサウサンプトンにある独立系書店、「オクトーバー・ブックス」。 このお店が10月から11月にかけて店舗を移転したのですが、その引越しのようすが一風変わっているとニュースで報じられていました。 イギリスのガーディアン紙でも10月29日付で取り上げられていましたが、今日は10月31日に配信されたニューヨーク・タイムズ紙の記事を見ていきたいと思います。 *** 続きはぜひククブクのページでご覧ください!

喜びも悲しみも幾歳月

人生の悲喜こもごもを語る家庭料理のcookbookあまりメジャーなレーベルから出版されたのではないからか、「2018秋のベストcookbook」的な記事ではあまり取り上げられることがないのですが、「声」のあるフードライティングとして気になるcookbookがあったので、今日はそれをご紹介したいと思います。 記事の出典元は、アトランタの日刊紙「AJC」のウェブサイト。 この記事を寄稿したウェンデル・ブロックは、2016年にジェームズ・ビアード財団賞のジャーナリズム賞を受賞し