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あら♪こんなところにパワーワード【読書ノート】

「あぁら、こんなーとっころに、牛肉が!
たっまねーぎ、たーまねーぎ、あったわね♪」

どうも、ハコダです。

突然、懐かしのハウス食品ハッシュドビーフのCMをお送りしました。驚かせて、すみません

さて、今回は僕が読書ノートの中で見つけたパワーワードを紹介します。

「いや、お前の読書ノートってどんなんだよ」って方は、よかったら、過去記事をご覧ください。そちらで詳しく説明しています。この記事の最後の方にもリンクを載せておきます。

まず、先に注意点として、今回、紹介するにあたり、ちょっとした下ネタが含まれます。苦手な方はご遠慮いただいて…。ですが、そのワード自体は下ネタ的な面白さというより、純粋にワードとしての面白さがあると僕は思っています。もし大丈夫そうなら、ぜひ、このままお楽しみください!

それでは、今回の目次です。

元ネタとなった本

今回取り上げるパワーワードの元ネタとなった本がこちら。

「春画で読む江戸の色恋」
著者は白倉敬彦しらくらよしひこさん。

2011年発売。

内容はタイトル通り、春画を通して、江戸人の恋愛観、性の価値観について学ぶというもの。また春画の位置づけと西洋のポルノとの違いについても解説している。

この本について、簡単に僕の感想を述べる。実は、現代の我々と江戸時代の人々との間では、恋愛や性の捉え方について結構な隔たりがある。そこに僕は胸躍った。なぜなら、江戸時代の人々の感性が僕には新鮮なものに見えたし、同時に素敵だと思えたからだ。この本を読んだのは大分、昔のことであったものの、印象深い内容だったため、今でもちゃんと読んだ記憶自体は残っていた。そして、やはりそれだけ面白い本だ。読書ノートに記されたこの本に関するメモ書きすらもめちゃくちゃ面白かった。

江戸時代の人々の恋愛観って、現代の我々にはない、古くから伝わる奥ゆかしさとか佇まいがそこにはあって、「古ぼけるどころか、むしろ新鮮で、輝いてんなぁ…」と思ったわけだが、この話はまた別の記事に取っておく。ひとまず、話を本筋に戻そう。

どういう文脈で出てきたのか?

それでは、このあとに出てくるパワーワードが実際、どんな文脈で登場したのか。それを見ていこう。

この本の中では、菱川師宣が積極的に取り上げられている。なぜなら、彼は春画の木版画もくはんがの創始者とされているし、なにより重要なこととして、彼は作品の中で様々な色恋のかたちやその趣向を表現したからだ。

師宣の春画にはある特徴がある。それは交合図、つまりセックスのシーンばかりでなく、前後にある"非"交合の場面も数多く取り上げたという点。どうやら、彼には彼なりの色恋の観念があり、それを表現した結果らしい。著者によると、師宣の考える色恋は、決して、セックスという行為の中だけに押しとどめられるものではなく、その前後にある佇まい含めて、全体に広がるものだという。

実際に、師宣は逢恋あうこいという男女の逢瀬おうせの場面を春画として描いた。この出会いがドラマの起点となって、このあと、二人の思いが静かに、そして激しく絡み合う。

また、師宣は明別あけのわかれという場面も描いた。出会いは別れの始まりでもある。ちなみに、ここでの別れとは、関係の終わりではなくて、二人の甘いひと時の終わりである。明別は、夜、男が人目を忍んで女と逢引するところから始まる。そして、二人は楽しいひと時を過ごす。が、そんな時間も束の間、外を見ると、いつの間にか、空が白んできていて、別れの時がやってきた。惜別の時。なんとも切なく、苦しい瞬間ではあるが、同時に情感こもる場面でもある。

このとき、女は去りゆかんとする男を引き留め、名残惜しくキス、ならぬ、口吸いをする。師宣は春画で、この口吸いをよく描いたそうだ。さて、ここで本の著者、白倉さんから口吸いについての説明が入る。江戸時代に書かれたセックス指南書「好色旅枕こうしょくたびまくら」という書物にある一文を引用して口吸いがどういうものなのかを説明するのだが、この引用文がお待ちかねのパワーワードである。

問題のパワーワード

その指南書によると、口吸いとは以下のようなものだ。

「男の舌を女に吸わすことなかれ 女に舌を出させ男の口へとり込んで 歯のさゝらぬやうに 唇にて女の舌をしごきねぶるべし」

好色旅枕

(゚д゚)ハッ!!!

「し ご き  ね ぶ る べ し」

つっっんよ!

思わず巻き舌で言いたくなる、この強さ。

メモにあったこの一文を見つけたとき、マジで気持ちいいほどに笑った。語呂の良さ、いきおい。ただただ、おもろい。あー、最高。


締めと次回予告

本日はお読みいただき、ありがとうございました!

ワード、強かったでしょ?一緒に笑ってもらえたら嬉しいです。

次回は、この記事の途中でちょろっとお話した江戸の人々と我々、現代人との恋愛観、性に関する捉え方の違いについて、みなさんと見ていきたいと思います。なかなか、僕らにはない感覚を持っていて、興味深いと思います。

ぜひ、ご覧ください!

それでは、またよろしくお願いします!
(^o^)/


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