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アルコール飲料戦国時代を征したのは驚きの「アルコールテイスト飲料」だった!!

12月9日に「今年の一皿」がぐるなび総研によって発表されました。この1年の世相を反映し、後世に伝えたい食を選ぶ「今年の一皿」ですが、決まったのは「アルコールテイスト飲料」

2アルコールテイスト飲料

レモンサワーが時代に波に乗り、ストロング系がブームとなっていたはずが・・・
それに向けたブログを書いたと思っていたら、早くも次の時代のブログを書くことになるとは、この時代の移り変わりについていかないといけないので現代の経営は大変ですね。

今回はストロング系缶チューハイからアルコールテイスト飲料への移り変わりについてお伝えしていこうと思います。

アルコールテイスト飲料とは

アルコールテイスト飲料

アルコール度数が1%未満で、味わいがお酒に似ていて、一般的に『微アル』『ノンアル』飲料のことです。
コロナ禍での「飲食店の救世主」として登場。緊急事態宣言等でお酒の提供ができない飲食店でしたが、アルコール度数1%未満のアルコールテイスト飲料は提供OKとのことで、居酒屋やバー、カクテル専門店でもノンアルコールや低アルコールのこだわりの飲み物を提供しています。もちろん車を運転する人や未成年は飲んではいけません。
「一時しのぎ」かと思われていた「アルコールテイスト飲料」が健康志向の高まりや新しいお酒文化の台頭により消費者に受け入れられてきています。

ビール各社もアルコール度数が1%以下の微アルコール飲料を相次いで投入しています。コロナ禍で業務用の酒類販売が落ち込む中、国内で飲酒可能な年齢ながら日常的な飲酒習慣がない層の8割にあたる約6,000万人の開拓を目指しています。

微アルの先駆者であるアサヒグループホールディングス傘下のアサヒビールの調査によれば、20〜30代のいわゆるミレニアル世代の半数以上がお酒を飲まない(飲めない・あえて飲まない)とのこと。20〜60代でも半数が飲まないという調査結果で、その数なんと約4,000万人。家でお酒を飲まないわたしがターゲットなんだと驚きました(笑)
「飲まない市場」を楽しむ市場に変えていく、なるほどCMがストロング系からは微アルに転換されていっている理由がわかります。

市場

健康意識の高まり

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各社とも市場の拡大が続くストロング系の缶チューハイを全面に押し出す戦略をなぜやめたのか・・・
ストロング系缶チューハイはアルコール度数が7〜9%で、一本飲むだけでも十分に酔えるため、人気を博していました。

しかし、度数の高さから「危険ドラッグ」と揶揄されることになります。厚生労働省によると、生活習慣病のリスクを高める1日平均の純アルコール摂取量は、男性が40グラム以上、女性が20グラム以上。男女とも500ミリリットル(度数9%)のストロング缶1本を飲めば、簡単に目安を超えてしまいます。政府がメーカーに対して、缶にアルコールをグラムで示すことの検討を要請。このことから、ストロング系に力を入れれなくなったのが理由の一つです。CM減ったのも納得ですね。

コロナ禍で11キロも増量したわたしとしては、食生活の改善をしないと生活習慣病を招くのでは?と思います。このように改めて生活習慣を見直す消費者が増えているので、アルコール摂取も健康志向に重点を置くことが理由の一つになります。

ノンアルと微アルの違い

違い

ノンアルとはノンアルコールのことです。今回は比較としてノンアルコールビールを例に話をしたいと思います。
微アルとは微アルコールのことでアルコールテイスト飲料のことです。今回は微アルコールビールを例に話をしたいと思います。

まず気になるのは味です。

飲み比べると驚くことに!!

ノンアルコールビールは、足し算の製法で作られています。大まかにいうと『ビール味の素』に炭酸を加えたドリンクです。この『ビール味』を決定するフレーバーの調合技術により、ノンアルコールビールもかなりビールに近いおいしさになっているそうですが、ビールではありません。一方、微アルコールビールは引き算の製法で作られています。『ビールからアルコールを抜く』のがポイントで、ビールなんです。

ビール風味の炭酸ドリンクとアルコール度数が低いビールなので、味の違いがあるのが想像できるかと思います。

引き算の製法

製法

アサヒビールの微アルコールビールテイスト飲料「ビアリー」の製法を参考にお伝えさせていただきます。

アサヒビール 新価値創造推進部 次長 津田真里さんのコメント
「脱アルコール製法として、独自の低温蒸留技術を採用しました。アルコールは水より沸点が低いので蒸留によって取り出すことができますが、急速に加熱するとビールのおいしさのもととなる香気成分が飛んでしまいます。そうならないよう、蒸留温度を低温にしてゆっくりじっくり蒸留することで、ビールの香気成分をなるべく失わないようにアルコールを抜いています」

この引き算の製法が、ビールとしての味わいとコクを感じさせるポイントで「うまい」微アルを実現しています。

価格

会計

微アルはアルコール度数が低いので安いのかと思いきや、価格はビールとほぼ変わりません。近所のスーパーで確認するとアサヒのスーパードライ184円、ビアリー189円です。よくよく考えると製法はビールより手間がかかるので高くなっていても不思議はありません。

市場を席巻したストロング系缶チューハイの価格は108円、ノンアルコールビールは117円なので、ライバル達に比べると微アルの価格設定は結構高いです。

ストロング系缶チューハイやノンアルコールビールは、原材料費だけでなく酒税が安い分だけ価格設定を安くできます。税金の観点では酒税がかからないビアリーも安くできそうですが・・・やはり微アルは「ビール」なんですね。製法分のコストを考えると納得です。

まとめ

2アルコールテイスト飲料

ストロング系缶チューハイからアルコールテイスト飲料に時代が変わったかと思いましたが、これから変わっていくかもしれないって段階です。
「今年の一皿」は、2014年から始まり今回が8回目。過去には「パクチー料理」(2016年)や「鯖さば」(2018年)、「タピオカ」(2019年)などが選ばれ、確かに盛り上がったことを考えると「アルコールテイスト飲料」は今後注目となります。

「とりあえずビール」となっていた昭和らしさが再来するかもですね(笑)

飲める人は「ビール」、飲めない人は「微アルビール」と飲み会の場が変わるかもしれません。
また、ランチタイムにお酒好きな人が「微アル」を選択したり、明日のために今日はアルコールを控えたいので「微アル」など新しいお酒文化が確立されていく可能性を見た商品です。

今回は時代や環境によって市場や商品が変化することがお伝え出来たと思っております。
特にビール業界は大企業であってもチャレンジ精神を忘れず、アグレッシブに市場開拓や商品開発に取り組んでいるので、中小企業も負けずに色々と挑戦していきましょう。

最後に

後藤又兵衛

今回は、ビジネス的なお話をさせていただきました。
本業は中小企業の新規事業開発支援・DX支援を行っております。
オープンイノベーションの相談や、デジタル化のご相談がございましたら、お問い合わせください。

ホームページ制作やITツールの活用(MAやRPA)等の支援なども行っております。

普段は、歴史、温泉、紅茶、読書なんかのブログを書いておりますが、今回はビジネス系となりますので、会社の宣伝させていただきました。
勝手気ままにブログを書いてる後藤純ですが、他のブログもよろしくお願いいたします(笑)

時代の移り変わりは早いので日々の情報収集が欠かせません。
気が付いたら自分の趣味情報だけ集めていることも多いので、経済・経営に関する情報収集もやらないと!!と思えるのでビジネス系ブログを書くのもありですね(笑)

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