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子宮全摘してから3か月後の変化

2022年の正月に死にかけまして。
https://note.com/jungko/n/n2a51d61700d6

子宮全摘術後1か月半で前回の記事を書きました。
https://note.com/jungko/n/n61fb94940d0d

今読んでもかなり痛々しい感じ。ウェブ検索で、子宮全摘後の生活や経過や変化を詳細に綴ったものがあまり見つからなかったので、書き起こしておこうと思います。

体調と傷痕について

術後2か月少しで、倦怠感と傷の痛みはほぼ消失しました。うつ伏せもできます。手術痕はズバンと縦に15cm近くあり、週イチで粛々とテープ貼り替えています。1年くらいテープ保護しといたほうがいいですよと執刀してくださったドクターからきいたので。こういうのはプロの指示がいちばん。手術痕は硬く、ゴリゴリした、太さ5ミリくらいのヒモが入ってる感じ。右と左と同じ位置でくっついてくれなかった部分がツレて、タックになっちゃっているのが2か所…これは私の皮下脂肪が厚かった故。新しいおへそができた、と思ってます。緊急手術のわりにきれいでよかったです。

めっちゃ丈夫になった

今までの人生で、月に1回はぶっ倒れる身体だったのは、もしかしたら生理があったからなのかもしれないぞ??というくらい、むしろ丈夫な体になりました。まだ1回しかぶっ倒れてない。すごい、腹かっさばいた上に臓物いっこないのに、なんなんだこれ。人生史上最高に丈夫です。子宮は生殖にのみ関連する臓器なので、摘出したとて日常生活への影響のなさナンバーワン、むしろ良さしかないのは意外でした(お辛い人にはお辛いです!)(卵巣は残ってるからです!)。

おりもの激減

なんせ悪性ではないので、出血もありませんし、おりものも激減しました。体感8割減。加齢変化でもあるとは思いますが、長年「こういうもの」と受け止めてきた分泌物が唐突に自分から出なくなったことに毎日驚きます。
そういえば、腹痛→生理かな?→あ子宮もうないわ。ていう思考過程はいつも笑ってしまいます。妊娠してもないのに生理がないことにも、まだ驚きます。

丹田の感覚の変化

「子宮があった部分」はどうやらお腹の中で「空き地」として扱われているようで、丹田に力をもってこようとすると、そこにはなにもなく、ふんわりとした空間が広がっています。周辺臓器のソワソワした動き?もなくなりました。「空き地」は術後より広くなった感じで安定。今までは丹田にガッツリ筋肉と血の塊があったので、硬い声だったと思うのですが、空き地になったからか、ぼわっと身体全体に響く声になりました。のどをいためない声の出し方ができるようになるかも?と思っています(お経はこわごわと小声)のでこれからの課題。

排尿後・排便後の痛み

「慣れ」に「痛みの強度がやや落ちた」のコンボが生じ、生きるのに支障ないレベルになりました。ちょっとトイレがまんすると、すぐに便秘になったり、排尿後の痛みで「いてててて…」となりますが、こういう身体になったんだな、くらいのノリで受け止められるレベルです。慣れることができるって、ほんと人間すごい。

めまい・立ちくらみについての考察

いままでの人生で、疲労やストレスで容易に頻発してためまい・立ちくらみが人生からなくなりました。え?は?まじで??ってなってる。あと、術後2か月目で頻発してためまい立ちくらみは、

  • 私自身が「重心」ととらえていた場所から重石となってた臓器(子宮)がなくなったことでバランスが取れなくなったからではないか

  • 術後1か月は寝ることが多かったのと、痛みで気を取られていて気づかなかっただけではないか

  • 動くようになって気づいただけではないか

  • これは腕や足をなくした人がバランス取るのに苦戦するのと似てるのではないか

  • 動くようになって生活そのものがリハビリとなり、「新しい身体」に私自身が順応できたため、めまい・立ちくらみを起こさずに動けるようになったのではないか

…と考えています。「生活そのものがリハビリですよ」と患者さんに話してた私の声が聞こえてきますね(いまおもいかえすとえらそうにおまえがいうなというかんじ)。

冷え性対策

腹巻き一択。偉大なアイテムです。汗をかくくらいの気候になってようやくはずしてもいい…かな…と思えるようになりました。
足先の冷えは、気にならなくなりました。術後あった足の付け根(鼠蹊部)の詰まるような感覚がいつのまにか消失してたし。でも、これは春だからなのかもしらん。次の冬どうなるか要観察。
着圧ソックスは愛用しています。おかげでむくみとほぼ無縁でいられると思ってます。
手はあたたかいままで、男女問わず患者さんに「あたたかい手ねえ〜!」と喜ばれるのは変わりません。この手がなくならなくてよかった。患者さんがそれだけでにっこりしてくれるのは嬉しいです。
ていうか腹巻き文化は日本ならではのもの、とどっかで読んで、諸外国の方の開腹手術は辛かろうなあ…と愛用のシルクの腹巻きをなでなでしています。

精神的な変化

私の死生観も大きく影響しているのでしょう、さほどの辛さはありません。ただ「なんでこの人辛いんやろ?」っていう疑問からの理解にひとしずくの優しさをもてるようになったかもしれない(当人比)です。とくに、痛みや喪失の悲しみは、ひとりだけのものなんだな、というのが腑に落ちました。

術後にどれくらいの回復期間が必要か

病院では術後1か月で復職OKといわれましたが、とても動けませんでした。体調に不安のある人はドクターに診断書の期間を交渉するか、職場に有給が取れるように交渉する必要があると思います。
ちなみに「ちゃんと動けるようになるまで3か月はかかるからね」と各所おばさま方からいただいたアドバイスがほぼ正解でした。

それにしても、緊急手術、つまり、何の用意もなく腹をかっさばき臓物いっこ失った割に、いいかんじの回復です。

これから季節が一巡りしていくうちに、どのような身体的な変化があるのだろうか、引き続き観察を続けていきたいと思います。


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