見出し画像

2023年9月 読書感想まとめ

 9月はもあっという間。橘玲さんを知り、色々読んだ。小説も書かれていたとは驚き。また、池井戸潤さんの初期の作品がSFチックだったことにも驚いた。香住泰さんの稲荷山誠造シリーズもまた読んでみたい。大好きなシリーズ「プレミアム5」のあとがきに著者が亡くなっていることが記されていて、6巻までしかないことがわかりガッカリした。森沢明夫さんの「プロだけが知っている小説の書き方」はとても良かった。私は、小説を書くつもりはないけれど、文章を書くときに配慮している点や、どこから作っているのか、という事が詳しくわかって面白い。

読書メーターさま
いつもありがとうございます。

鴨川食堂 (小学館文庫)感想
親子の会話と、その京都弁がいい感じだった。警察官のカンと推理とで味を再現していく様子を読んでいると、その味が本越しに伝わってくるから不思議。私たちの中にある味は、単なる味ではなくて、その時の思いが大きく影響していると感じた。美味しいものを食べたいというよりも、あの時のあの味をもう一度…という気持ちは、歳を重ねるにつれて、誰もがもつ思いなのかも知れない。私は、母の作ったあべかわ餅が食べたくなった。
読了日:09月01日 著者:柏井 壽

特捜部Q―カルテ番号64―(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
いつも特捜部Qの取り扱う事件の背景は、とても心が痛むような問題だと感じる。今回も、知的障害のある女性の性の問題でなかなかツラい。一般的には取り扱わないような内容が取り上げられているところが特捜部Qらしいし、迷宮入りしている事件だから、そういうものなのかも知れない。下巻が楽しみ。
読了日:09月02日 著者:ユッシ エーズラ・オールスン

暗殺者グレイマン〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)感想
映像化されている本だとは知らなかった。私の頭の中でも、すごいアクションシーンが繰り広げら、私には痛いとと言う感覚が多かった。暗殺者だけど、信頼のおける人に対しては人としての対応をするところが魅力。優しさと仕事としての残忍さのメリハリがカッコよく、初めて会った人にとっては、いい人なのか悪い人なのか、がわからないと思えてしまうところも納得できる。人間味あるグレイマンに非常に好感が持てた。
読了日:09月03日 著者:マーク グリーニー

ミレニアム5 下: 復讐の炎を吐く女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 19-4)感想
上巻のリスペットの話は少しお休みで、ガラッと内容が変わった感覚だった。上巻のあとがきに、著者が亡くなったので、10巻までの予定だったが、途中で終了しているようなことがあり、とても残念に思っている。ここから、リスペット姉妹の関係までいけるのだろうか…ちょっと不安に思った。
読了日:09月03日 著者:ダヴィド ラーゲルクランツ

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)感想
すごく考えさせられた。人種、ユダヤ、性別、見た目…いいこと、例えば、賢い、美人等は言ってもいいけれど、その逆は言ってはいけないという空気。遺伝と環境について同様。明言が避けられていることがたくさんあると知った。名言はされていないが、現実、今が知能の時代だと考えると、結論は想像できた。世の中に薄々わかってはいるけれど、タブーとされていることが多くあることに驚いた。
読了日:09月03日 著者:橘 玲

教場 (小学館文庫)感想
まず、警察官になるって大変なんだと…それが一番だった。誰が敵か味方かわからないような、こんな厳しい生活を経て警察官になるなんて、すごいっていうか、私にとってはつらいって感じだった。ある意味ちょっと、読むのがしんどかった。でも、教官の観察力と実態把握力がすごくて、ついていきたいと思った。
読了日:09月04日 著者:長岡 弘樹

無理ゲー社会 (小学館新書 た 26-2)感想
無理なゲームと社会を例えてるが、言ってはいけないと同様、薄々は気づいているが、今まで明言されていないことが多かった。知能と学力の違い、仕事とスキルの違い、生きるために必要な能力は何なんだろうと思った。非モテも格差の一つなのか。今の時代で必要とされる才能ってなんだろうと思った。
読了日:09月04日 著者:橘 玲

臆病者のための株入門 (文春新書)感想
少し前の本だが、その頃に言っていたこと、例えば、投資信託のインデックスファンドを買うこと等、今では、すっかり普通に行われている。全て説明を知ると、当たり前のことが当たり前に行われて、儲かったり、損したりしているだけのように感じられる。金融リテラシーの不自由な人は、とにかく騙されないようにすることが一番重要だと思った。
読了日:09月04日 著者:橘 玲

悩みどころと逃げどころ (小学館新書 ち 3-1)感想
真逆の考え方をもつお二人の対談が、非常に興味深かった。それぞれの知らない世界があり、それぞれの道で学んだことが凝縮されている。ドフトエフスキーの「貨幣は鋳造された自由である」から、お金で手に入る自由は物理的な自由、お金が入れば入るほど、精神的な自由は制限されていくと。私たちは何を求めてるんだろう、そして、なるほどと納得してしまった。
読了日:09月05日 著者:ちきりん,梅原 大吾

スピリチュアルズ 「わたし」の謎 (幻冬舎文庫 た 20-10)感想
ビッグ5をもとに、すごく詳しく説明があって、わかりやすかった。無意識と意識との説明を地上200mの板の上を歩く、VRに例えられて腑に落ちたし、無意識の力のすごさが感じられた。脳機能によって、私たちは大きく動かされていると思った。サイケデリック治療で抑うつを分断と遮断と考えるところを興味深く感じた。パーソナリティを知り、多様なニッチの中から自分の場所を探すことが有効だと言うことがわかった。これからの生き方は、こういった指標が活用されると思えた。
読了日:09月07日 著者:橘 玲

京都寺町三条のホームズ(18)-お嬢様のミッション (双葉文庫)感想
いじわるなホームズさんとお嬢様のやりとりも面白く、特に大きな事件もなく、ほんわかできる18巻だった。お金と価値観については納得できた。高価なものをもらってしまうと、恐縮して自由がなくなって自分の心が囚われてしまう…だから受け取れないと。最後に、祇園の拝み屋からの内容が載っていて、蔵の様子を初めての人が見たら…というところが、それはそれで新鮮だった。
読了日:09月07日 著者:望月 麻衣

満願 (新潮文庫)感想
結末はわかっているのになぜかドキドキして警察官の話が一番印象的だった。その他の話も、意表をつかれるような結末で、短編なのに結構、重くのしかかってくる感じだった。
読了日:09月07日 著者:米澤 穂信

アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)感想
可愛らしい推理本。解らないことを解明してくれる人がいると言うのは、誰にとっても安心できることだと思う。こんなにすぐに解る人がいればいいのにと思った。祖父に幼い頃からアリバイ崩しを習ったところがなんとも可愛く、一つずつ、可能性を潰していく過程がやっぱり必要なんだな、と。映像化されたものはさらに面白いと思えた。
読了日:09月10日 著者:大山誠一郎

透明な迷宮 (新潮文庫)感想
久しぶりに平野さんの作品を読んで、平野さんらしさを感じた。短編集を読むと、一番初めの作品はいつも印象深く感じる。私は、筆跡を真似ることのできる郵便局員の作品が一番印象深く残った。その労力に見合わないと思えるような行為に意味を見出している主人公の、自分の能力を試したいと思いを強く感じた。
読了日:09月10日 著者:平野 啓一郎

ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)感想
普通でも二つのお話が、ごちゃごちゃこんがらがってしがちなのに、上下巻の間に時間が空いてしまったことに後悔。ストーリーをずいぶん忘れてしまっていた。そして、毎回思うことは、英語圏の人はさらに面白さが増すんだろうな…と言うこと。このシリーズを読むと、文字表現としての書籍を楽しむ楽しみ方がいいなと毎回思う。
読了日:09月10日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ

犯人に告ぐ(3) (上)紅の影 (双葉文庫 し 29-07)感想
個人的に詐欺の話はあまり好きでないけれど、騙されているフリをしている一枚上手の老人に脱帽。上下巻一気に読んだので、もしかしたら下巻だったかも知れないが、リップマンの生い立ちとその能力?に惹かれたワイズマンとの師弟関係にも心温まった。ポリスマンが誰なのか気になる。
読了日:09月11日 著者:雫井 脩介

犯人に告ぐ(3) (下)紅の影 (双葉文庫 し 29-08)感想
やっぱり悪いことをして、足を洗うのは難しいのか、という感想。上巻で師弟関係に心温まったが、そういう関係ではなかったようだ。逆に、上司の命令と正義との間で揺れに揺れて、警察官としての自分の使命を全うした秋本は偉いと思った。とにかく面白かった。
読了日:09月11日 著者:雫井 脩介

ロスト・シンボル 上感想
やっぱり、ダン・ブラウンの作品はテンポがよくて面白い。どんどん読み進められる。上巻は、ちょっと疑問…という中、どんどん話だけが進むけれど、これからが楽しみ。中巻があるので、先は、まだまだ続きますね。
読了日:09月12日 著者:ダン・ブラウン

ロスト・シンボル (中) (角川文庫)感想
当時の人たちが英知を集めて、隠しながら伝えようとする 発想が面白い。現代の方がたくさんの情報があるけれど、その成り立ちや言われを解っている人がどれだけいるだろうか、と思った。当時の知恵と、その時代考証の解説が、推理の深みを増している。下巻ではどう展開するのかが楽しみ。
読了日:09月16日 著者:ダン・ブラウン

ロスト・シンボル (下) (角川文庫)感想
人の視点を上手く操れば、大きな錯覚を抱くと思った。現代にもこんなに興味深いものがあるのだと驚いた。フリーメイソンの組織の大きさもだが、今回の現代にも関わることが、謎のように残っていることに一番の驚きがある。古の神秘と科学と聖書とが絡み合って、何かたくさんのことを隠して伝えようとしているのかも知れないと思うと、面白い。ダンブラウンの専門性が推理への奥深さを引き出し、全てが本当にある団体名だとの注釈から、さらに現実味をもって物語へ入れてしまう。これが、ダンブラウンの真骨頂だと感じる。
読了日:09月16日 著者:ダン・ブラウン

三十の反撃感想
韓国の情勢が大きく反映されていて、新鮮だった。日本の作品では、こういった作品をあまり読んだ記憶がない。若者の感覚と括っていいのか、韓国の若者の感覚と言っていいのかがわからないが、社会に対する不満がありながらも、日常生活の中での理不尽さに流されている自分にも、多かれ少なかれ不満や違和感をもっているのかな、と思った。社会への不満が根底に流れている感覚に、少しカルチャーショックを受けた。
読了日:09月16日 著者:ソン・ウォンピョン,矢島暁子訳

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)感想
若い頃読めば、もう少し刺激があったかも知れない。それぞれのキャラクターと背景がわかり、なんともトラブルが起こりそうなところで下巻へ。
読了日:09月16日 著者:辻村 深月

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)感想
作家を思うファンの力と、その力に応えたい作家の力を、爽やかに素敵にした感じでよかった。いい人たちだな…人のために動ける人って、見ていて気持ちいい。
読了日:09月16日 著者:辻村 深月

ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法 (文庫ぎんが堂)感想
ゆるく考える中にも、自分の軸をもっていこう…と言う思いが伝わってきた。ちきりんさんのゆるい考え方には、根拠がしっかりとあり説得力があった。そこがちきりんさんのすごいところ。
読了日:09月16日 著者:ちきりん

熱帯魚 (文春文庫)感想
長編じゃない作品を読むと、読み手の想像力を試すように感じられる。答えを教えてもらえないけれど、自分なりに答えを出す感覚。人のことをわかっているようで、意外と知らないことが多いような…その人といる時には覚えているけれど、その人と離れるとすっかり忘れてしまうような、まだまだ未熟でそんな感じとしか言えない…。
読了日:09月17日 著者:吉田 修一

最後に手にしたいもの (集英社文庫)感想
今まで、吉田さんの作品を何作か読ませてもらっていたが、エッセイははじめてだった。お人柄が出るエッセイ、そして、横道世之介に通じるような雰囲気を持っておられるように感じた。ザ・作家と言う感じではなく、普通な感じの作家さんのエッセイで、私の日常生活にも近い感覚があるようで、読みやすかった。
読了日:09月17日 著者:吉田 修一

泣きたくなるような青空 (翼の王国books)感想
沖縄から帰った時の気持ちに関する考察に共感できた。沖縄には、夢?というか、憧れのゆるい生活を感じてしまうところがあった。現実味はないが、日本国内でそういった思いを持てる貴重な場所であると思えた。それにしても、吉田さんはたくさんの地域へ旅行をされているのだな、と感心した。
読了日:09月17日 著者:吉田修一

合理的にあり得ない 上水流涼子の解明感想
悪い人がやられる。とにかく、気持ちよく安心して読めた。ドラマがあるようだから、1話1話そちらが楽しそう。
読了日:09月17日 著者:柚月 裕子

1日ごとに差が開く 天才たちのライフハック感想
天才たちが、自分の研究など考えていることを中心としてこだわってきたことが、結果的に、今言うライフハックになっていたというとだが、周りの人とは全く違ったことをしていても気にすることなく、突き詰める力の凄さを感じた。天才と言われる人たちが、自分の分野を追求することにかける努力が垣間見れた。
読了日:09月18日 著者:許 成準

NOISE 上: 組織はなぜ判断を誤るのか?感想
ノイズとバイアスの違いを知るところから始まった。バイアスのかかり方の辺りは、ファストアンドスローと被っている部分があったように思ったが、すっかり忘れていたことだったので、もう一度頭に入れてもらえてありがたい。バイアスはシステム1と大きく関係しているのだと改めて理解した。
読了日:09月18日 著者:ダニエル・カーネマン,オリヴィエ・シボニー,キャス・R・サンスティーン,Daniel Kahneman,Olivier Sibony,Cass R. Sunstein

絶対悲観主義 (講談社+α新書)感想
内容は面白かったが、題名とのギャップがあった。組織とチームとの違いが心に響いた。新しい制度設計を待たず、まず自ら動く。とりあえずは自分の影響の及ぶチームに新しい動きを起こし明らかな成功例を作る。そうすれば賛同する人がついてくる。制度やシステム化を作るのはその後で十分。構造変革を待たずに動き出すのが本当の構造変革者だと。あとは、潔さについて。新浪剛史さんの嫌いな奴から嫌われるのが好き、と言う言葉にも自分は自分だという軸があると。
読了日:09月18日 著者:楠木 建

超予測力:不確実な時代の先を読む10カ条感想
ちょうどカーネマンの本を読んだところだったので、重ねて理解できた。でも、予測する力は、理論だけでなく具体的な内容を吟味する力が必要で、その辺り、なかなか難しいと感じられた。
読了日:09月18日 著者:フィリップ・E・ テトロック,ダン・ ガードナー

京都寺町三条のホームズ(19)-拝み屋さんと鑑定士 (双葉文庫 も 17-27)感想
18巻同様、拝み屋さんが登場することで、歩いて行けるくらいに、どちらも舞台がすごく近くだったことに改めて気づいた。また、鑑定というテーマと、霊を扱う(と言っていいのか)テーマと、それぞれの横に並べてみて、改めてその特徴を感じられた。私は両方好きです。
読了日:09月21日 著者:望月 麻衣

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)感想
原田知世さんがデビューした時に、映画を見て本も読んだが、本のことはあまり覚えていなかった。映画の内容で謎だった部分が解き明かされた気がする。あの時、本当に本を読んだのだろうか…と思った。当時、ラベンダーはすごく珍しいものだったことを思い出した。
読了日:09月21日 著者:筒井 康隆

タックスヘイヴン TAX HAVEN感想
金融を題材とした小説は読んでいたが、国際的な金融に特化した内容は初めてで金額自体も非常に大きく、利益を追求する金融機関や投資会社の思考も、新鮮でドキドキがあり、とても面白かった。背景が珍しく、そちらに目がいっていたが、その中での推理小説的な要素もよかった。
読了日:09月21日 著者:橘 玲

THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法感想
心理的安全性を保証し、自分の弱さを共有し、共通の目標を持つチーム。メンバーのモチベーションを上げられるチームの土台を教えてくれた。人として当たり前の、基本的なことが一番大切だと教えてもらえた。
読了日:09月21日 著者:ダニエル・コイル

自由の命運 上: 国家、社会、そして狭い回廊感想
自由が、制度や体制によって保障されていると改めて感じた。勝手に自由になっているのではなく、勝ち取ったものだと言うこと。こう言った本を読んでいると、女性に自由が与えられたのも、つい最近のように感じられてしまう。
読了日:09月21日 著者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン,Daron Acemoglu,James A. Robinson

新装版 BT’63(上) (講談社文庫)感想
池井戸さんのSFチックなストーリーははじめてで、ちょっと驚いた。金融推理ものと父親の時代へのタイムスリップ的なものとの融合で、この後、宅配便がどうなるのかと、悪者たちがどうなるのか、未来が変わるのかが早く知りたい。
読了日:09月21日 著者:池井戸 潤

稲荷山誠造 明日は晴れか (本のサナギ賞受賞作)感想
キャラが濃くて、ストーリーに引き込まれた。あり得ない様なことが起こっても面白い、と思えてしまう設定になっていると思った。その中でも、加齢を重ねていく自分を見つめている年配男性の気持ちの変化が心温かく、色々な世代の人と付き合うことの大切さを示してくれているように感じられた。
読了日:09月22日 著者:香住泰

プロだけが知っている小説の書き方感想
森沢さんが小説以外を書いていることに驚いた。全てに森沢さんの示した例があり、失敗例と成功例とがわかりやすく示されていた。それも森沢さんの例文なので、親しみがあると言うか、ありがたい。小説を書くつもりはないので、視点ははじめてのものが多く新鮮で、文章の書き方の勉強になった。
読了日:09月22日 著者:森沢明夫

つながり過ぎた世界の先に(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)感想
コロナの流行を受けての各国の考え方や文化について哲学的な視点からわかりやすく説明している。実はアメリカには文化的に異質なものは存在しておらず、アメリカ人は多様性に非常に弱く、中国人は異なる文化を支配するために、文化的に異質なものを研究するのが得意だと。納得できた。人間は動物であることを非常に恐れていると言うことも、よくわかった気がする。私たちは自分を動物だと思っていない。哲学的に説いてもらえると、私にはすんなりと腑に落ちることが多くあった。
読了日:09月23日 著者:マルクス・ガブリエル

精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法感想
親を憎む前に、親に何か問題がなかったのかを考えてみようと言う視点の本。題名からイメージしていたものとは違ったが、発達障害とそのグレーゾーンや、その他の精神疾患について詳しく説明されていた。ヤングケアラーもそれが日常で、子どもの頃からの環境であれば、なにも疑えず、受け入れるしかない。周りの環境を知るためには、詳しくていい本だった。
読了日:09月23日 著者:益田 裕介

夜明けのすべて感想
HSPとパニック障害、どちらがしんどいと言うことではない。それぞれどちらもが大変だと言うことを、周りの人が理解してくれている職場は温かいと思った。自分のしんどさを相手に投影して、自分のできることで助けになろうと思ってくれる人がいれば、とても心強い。また、自分ではなかなか気づかない、分かりにくい些細なことを伝えてくれる同僚は家族のようだと思った。恋愛へと発展するのかはわからないが、同志という感覚はあるだろう。
読了日:09月24日 著者:瀬尾 まいこ

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)感想
小説の面白さと言うよりも、金融知識の凄さが面白い。海外での口座開設や送金の方法など、とても興味深かった。そして、ストーリーも誰が…と言う謎が常にあった。物語よりも、金融知識の方が興味深かった。
読了日:09月25日 著者:橘 玲

働く50代の快眠法則感想
50代のと言うところで、50代ならではの悩みがあり、その部分の解決法を、それぞれのやる気に合わせての段階を示してくれていた。
読了日:09月28日 著者:角谷 リョウ

隣人の愛を知れ (幻冬舎文庫)感想
いろいろな立場の女性の思いを中心にした小説だなと思った。「取り返しはつくかつかないかではなく、つけていく」格好いい言葉。法律が夫婦の絆を守っていくわけではない…残酷だけど同感。なりたいものは色々ある。思う様になれなかったことの方が多いけれど、本気でなりたいと生きていれば、近づいても遠ざかることはないんじゃないか…素敵な言葉がたくさんあった。
読了日:09月28日 著者:尾形真理子

小説 こんにちは、母さん (講談社文庫)感想
大人になると、いつの間にかしがらみの中で動けなくなっていたり、自分が望んでいたものかどうかわからないけれどその方向へ行っていたりとつらいな…としみじみ感じた。みんな、自分の思いを殺して社会に適合しようとしているところがあるけれど、それにすら、自分でも気づいていないところがある。人生は周りのすべての人から教えられると気づいた。
読了日:09月28日 著者:小池 水音

花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)感想
シリーズものとは知らなかったので、ここから読み始めてしまったが、安定した設定があるようで安心して読めた。人のつながりが薄くなった昨今、温かい人間模様がある日常の中で起こる出来事、少し推理要素もあってそれが心地よかった
読了日:09月28日 著者:吉永 南央

わかりあえない他者と生きる 差異と分断を乗り越える哲学(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)感想
国民が無知な方が政治家は得をする。恋に落ちると言う、恋愛は予想外に起こる。恋に落ちると投影が始まる。自分が描いていた人と違ったとわかったところからが関係を維持できるかが勝負。そして、どんな人間も相手を所有などできないと言うこと、程よい距離感が必要。利他主義は道徳ではなく、利己主義は不道徳ではない。道徳と利他主義の混同は間違っている。ワクチンは自分のために受ける。無知の知をソクラテス式問答法で炙り出すことの有効性。哲学は面白くて、興味深い切り口や、私たちが無知を知ることが大切だと理解できた。
読了日:09月28日 著者:マルクス・ガブリエル

運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法感想
偶然が人生に大きく影響することや天才たちは好奇心が旺盛で、開放性が高いと。CEOはジェネラリストとスペシャリストを比べるとジェネラリストの方が年収は高くなる。独創的なことを行い好奇心を失わない。幅広いチャレンジをすることが大切。「上手くいくまで上手くいっているフリをする」失敗に落ち込んでいる暇もないと言うことや心の瞑想がポジティブなものだけでなく、ネガティブなものもあると言うことには非常に納得できた。すべての行動は経験値。運と一言に言うがそれを受ける人の影響が大きいと感じた。失敗と成功に心動かされず…。
読了日:09月28日 著者:鈴木 祐

株式会社タイムカプセル社 十年前からやってきた使者 新版 (喜多川泰シリーズ)感想
読み始めてみて、読んだことがあるけれど、こんな今風じゃなかったと思って、感想を探してみた。あった。新版だから、なるほど時代に合わさっているんだとわかった。いいお話。
読了日:09月28日 著者:喜多川 泰

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?