見出し画像

鬱々とした日曜日の夜にno.2

ウィーンに来て2.5週間が経った。

12/12-18

とりあえず月曜日から水曜日までは寝ていた。
鼻水が耳との間に詰まって、耳が聞こえにくくなっていた。
最近は16:00くらいには真っ暗になってしまうので、19:00くらいにはベットに
入って寝ている。朝は6:00-8:00の間で起きているからかなり寝ていると思う。
夜が長い。そして寒い。ひたすらに寒い。
タバコを持ってる手が赤くなっている。

13日

火曜日は家の内見に行った。
高いか安いのかわからない、市内の中心からちょっと離れた家である。
お風呂があるのがポイント高いが、家具が何もないのが少し面倒臭い。
なので、Carlaというセカンドハンドショップに家具を見に行く。
https://www.carla.at
ウィーンのいいところは小さいから、
乗り換えなく4-5駅で目的地につくところだ。

ソファーから椅子から食器からなんでもある。
そして安い、
これなら家具集めも楽しめそうなので、新しい家に引っ越しても
いいかもしれない。今いる家は540€で光熱費込みだが、
次の家は580€+100€の光熱費なので150€くらい高くなってしまう。
さらに家具集めとかもあるから、無理して出なくてもいいのだが、
まあなるようになるということで、様子見しよう。

15日


こっちで唯一のオーストリア人の友達と4年ぶりの再会を果たす。
耳が聞こえにくい中、頑張って会話したが、
時の壁を越えてちゃんとコミュニケーションが取れたのでよかった。
あっちもこっちも、クリエイティブな世界に住んでいると、
評価される不自由さと承認されたいという欲求の戦いであるなと再確認する。
彼女は今、テレビ局でドキュメンタリーのアニメーション制作に関わりながら
大学のディプロマを取っている。

16日

初めて夜のクリスマスマーケットに友達が連れてってくれた。
食べ物は想像通り美味しくなかった。
お金を使っているのか使っていないのかわからないのは、
どこの国の祭りでも同じらしい。怖いものだ。
ヨーロッパで可愛いクリスマスオーナメントを探しているのだが、
一向に見つからない。
日本の方がよっぽどある気がするが、どうなっているのだろうか。

そのあと、ホイリゲに連れて行ってもらってディナーをした。
ホイリゲとはウィーンの居酒屋のようなところで、
夏になるとビヤガーデンになり、みんな外でビールとちょっとしたご飯を嗜みながら夜を楽しむのだ。
ホイリゲのシステムは大体次のようになっている。
店には肉や野菜の料理のカウンターがあり、お客さんはそれを見ながら好きなものを好きな量注文することができる。ワインは回ってくるボーイに注文する。
お肉は焼いたり、茹でたり、揚げたりされた、牛肉、豚肉、鶏肉であり、
ハム、ソーセージや各種のチーズがある。
野菜は各種の豊富なサラダで、茹でたものが多い。
久しく日本語を話したり、大人数とご飯を食べる機会がなかったので、
帰ってくる頃にはだいぶ疲れてしまっていた。

17日


前日の疲れのせいで、朝はずっとベットの中でうずくまっていた。
ちょうど数日前からキッチンだけシェアしている中国人のルームメイトが
がクリスマス旅行に行ってしまし、新年まで帰ってこないと告げられ、
束の間の一人部屋を楽しもうと思ったのに、これである。

これではまた1日潰れてしまうと思い、とりあえずウィーンの世界堂に行くことにした。手を動かすトレーニングをしないといけない。
手を動かさない時期が伸びれば伸びるだけ不安は積もり、
そのせいでまた手が動かなくなる。
東京にいた1年間はほぼ創作活動といえることができなくて、
できない自己嫌悪と恐怖がさらに創作活動にストップをかけていた気がした。
ウィーンではもう少しリラックスした状態で、思考のストレッチと
リハビリを行おうと思っているのに、また不安に苛まれて悪循環に陥ってしまっていては意味がない。そして、行けば楽しいのである。
いろんな紙、違う規格の絵の具、画材、日本にはないもの、
日本で売っていたもの。思考は道具に形取られているのだ。
我々人間は道具を生み出す過程で創造力を培ってきた。
そのことを忘れては行けないと画材屋に行くたびに思うのである。

そして、画材屋の裏にあった墓地にも足を運んでみた。
ヨーロッパの墓地は落ち着いていて、いつも同じ景色と空気を纏っている。
落ち込みそうになった時や何が何だかわからなくなった時に行くと落ち着くのだ。
日本のお墓とは違った凛とした空気がいつもある。
そして、悲しみも漂っていて、健全だと思う。

日曜日は朝から友人のピッチを聞く。
作品に対して、穴を埋めるように細やかな論争をしていかなければいけないし、
そのためには歴史的時間軸、他者が行った批評を知った上で
自分の言語というものを積み上げていかなければいけないと思う。
日本にいるとあまりにも歴史というものから隔絶されていて、
見えないことが多すぎるが、ヨーロッパにいると否が応でも過去というものの
上にいまが成り立っているので時間を意識せざるおえないのだ。

今回の滞在では本を読み、歴史を勉強し直し、
それをこの空間の中で行うことが大切だと思っている。
そして自分の中のジャポニズムの確立、
ヨーロッパ文化との行き来がスムーズにできるようになりたい。

来週はもうクリスマス直前だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?