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【備忘録】東京原子核クラブ

2021.05.08 19:00~
静岡ムーブメント『東京原子核クラブ』
作 マキノノゾミ
ファシリテーター 山田裕幸

ゴールデンウィーク空けてすぐ!
スパックの泉陽二さんを発起人とするチャリティーリーディングイベント、静岡ムーブメント、のリーディングを観劇に。

これ、愛染屋の俳優コバこと小林大峰がお声掛けいただき、出演してたんですよ!
昨年は『父と暮らせば』をリーディングしていたようですが、都合がつかず観劇出来ずにいたので、今年は観られて良かった!
総勢12名のキャラクター(つまり俳優さん)と、1人のト書(泉さん)、14名の豪華俳優陣のリーディングでした。スパックやユニークポイントの俳優陣と、地元劇団のZ・Aの俳優粥川さん、東京拠点の劇団快快に所属ながら静岡へ帰ってきた俳優山崎さん、そして我らが小林大峰。

なんだか不思議な気持ちでした。
白子ノ劇場で、柔らかい時間でした。客席と俳優が空間と時間を共有して、笑って泣いて考えるっていう、本当に貴重な…でも今までは割と当たり前に過ごしていた時間。

わたし、戦争作品って、とっっっっても苦手なんです。PTSDと言っても過言ではない。というか、診断が降りているPTSDに戦争も含まれている。
中学時代、修学旅行(沖縄)の為の平和学習で『ひめゆりの塔』の映画を観たり、様々な写真資料や文書資料を与えられ、祖父母から生々しい戦争体験を聞き取り調査した。また、世界貿易センタービルテロの翌年なのでアクティビティもなく、ひたすら平和について学ぶ2泊3日。平成の後期に、まだ血が臭うようなガマや、一家壊滅し家主が居ないためまだ放置されている町中にある民家などを見学。語り部のひめゆり学徒隊の皆様の悲痛な過去の話。
これらの濃密な戦争追体験から、戦争というものがただただ恐ろしく、我武者羅に否定すべきものになってしまったんです。

そんなわたしは、昔1人で黙読した記憶のある、東京原子核クラブ、リーディング聞いて大丈夫かしら?なんて思いながら向かいました。

群像劇。
科学者と、学生と、ピアニストと、新劇俳優と、お水風のお姉さんが暮らす下宿。大家さんと娘さん。
科学者の友人の軍人。科学者の同僚や上司。
舞台は下宿のエントランスと玄関ポーチ。

キャラクターのデハケは俳優が立ったり座ったりで表現する以外は、まっさらのリーディング。

前半は、日々の細やかな生活。面白おかしいこと、仕事への悩み、些細な自己主張なと。
中盤は戦争へ向かっていく世の中への不安と、日々を暮らす以上のことは出来ない人々。研究の軍事利用。
ラストは戦後。原爆への科学的興奮をおぼえる科学者。戦死した学生。それでも生き続ける人々。

目の前で言葉を紡ぐ俳優さんたちと、その俳優さんたちが脳内で舞台を駆け巡る妄想をするわたし。

結論づけると、リーディングだから戦争の描写のある作品を観劇出来たな。と。

これを、俳優さんたちがリーディングの熱量を持ってして肉体でも表現したら、わたしはまた再起不能の鬱へ落ちていったと思う。
それぐらい、濃密な観劇でした。
また、客席でほかのお客さんと空気を共有出来たのも、とっっっっても幸せでした。
やっぱり、演劇はこうでなきゃな。って強く思ったし、配信はリアルタイムだとしても、やっぱり【演劇】では無い別ジャンルの表現だと思った。

愛染屋は、様々な観点から新型感染症終息までは上演を控えます。
これは『活動を休眠させる勇気』です。

そして、様々な対策をして、お金をかけて、今現在上演を継続してくれているプロアマ問わない全ての舞台表現をしてくれる皆様。
これは『絶滅させない勇気』だと思います。

【今】続けてくれる人達がいるから、【いずれ】わたしたちも再開できると信じられる。
だから、わたしは、精一杯、どんな形であれ【今続けてくれる人】を応援していきたい。

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