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【備忘録】廻る木馬

サンリミット【廻る木馬】
2021年10月06日15時30分時~/18時30分
@七間町コミュニティホール リアン
作 石川 貴也
演出 サンリミット

サンリミット(@sanslimite2020 )さんの第3回公演を観に行きました!めちゃくちゃ久しぶりの観劇だ。
そして、サンリミットさんは名前と存在はツイッタランドで良く拝見していたので、知ったつもりになっていましたが、初めましての観劇でした!

まずはサンリミットさんの紹介を簡単に。
↓公式Twitterに上がっていた画像を拝借↓

↑運営の仕方が我ら愛染屋に似ている!?↑
しかし名前がオシャレだし、歌もダンスもあるので、とても違うとも言えるなぁ。素敵だ。

さてそろそろ、本日観た【廻る木馬】の感想をば!
わたしは夜公演を観劇でした(昼夜で主演のカップル役俳優ペアが代わる/夜公演の彼氏役の方と一方的に知り合い認定していたし、彼女役の方も以前から拝見していたのでこちらをチョイス)

まずね、エンディングが可愛くてオシャレ。
あ、終わりからですみません。木馬の表現や、貴也さんの歌声も演者さんたちの軽やかなダンスも、何もかも可愛くてオシャレ。らぶ。エンディングに歌とダンスって!天才。しかも、作品のエンディングとのバランスも最高!天才。重すぎない作品のエンディングと軽すぎないのに軽快なエンディングダンスとお歌!ほんと、すき。らぶ。

次に、ツイッタランドでも叫びましたが、劇団ぱんけーき所属の緒方くんという俳優さんの歌が!上手い!突然の歌うまで、一瞬それまでのストーリーを忘れました(ごめんなさいすぐに思い出しましたよ!)。セリフの段階から、伸びやかな発声だなぁ、この声は攻撃力の高い武器だなぁ、なんて思っていたのですが、歌うと!破壊力が!爆上がり!でした!
えー、ずるい、わたしも歌上手くなりたい。
音程が正しい≠歌うま ということよね。
あと、舞台で第一声の歌声がブレないの、すごい。
直前のTwitter紹介にて「今までクセ強なキャラばかりやってきたせいか、最初はナチュラルな演技に苦戦していました。」とありましたが、癖強キャラなのに、いるよね〜ってなるタイプのハマり役で、演出陣のパワーをみました(笑)

佐藤くん、やっぱり脚が長い。椅子を跨ぐ時の脚の余り方がエグい。羨ましい。膝下10cmくらい分けて欲しい。
と、いう僻みもありつつ、また新しいタイプのキャラクタだなぁと思いました。和やかな空気のぶち壊し方が上手い。気まずい空気って、繊細だけど、それを上手に醸してるなぁと。佐藤くん、ほんとにみんなと気まずかった?くらいの良さ。もちろん、佐藤くんはきっとみんなに愛されていたと思うけどね!

ゆうかさん、めちゃくちゃに可愛かった。あと、佐藤くんとの身長差エグい。わたしもわたしとあれくらい身長差あるガリガリに細い彼氏欲しい。
あ、これも羨ましいだけのやつだな。
でも、ほんと、お母さんとのシーンとか、彼ママ(姑ですらない)との絶妙な関係性とか、繊細な表現から、初めての喧嘩の耐えきれない激情とか、感情の幅…いや、それを表現に乗せられるとこだから表現の幅かな、素晴らしいよね!あと、以前よりも細部の表現がオトナっぽくて、小柄で愛らしいのに包容力を感じて、ドキッとしました。らぶ。

るいかさんは『いるよね』っていう女子大生。ゆうかさんとのカンペや反省文のデタラメな掛け合いが、まさに『いるよね』っていうナチュラルさ。
あと、ご本人の肩書きが【フリーのアイドル】ってことですが、何処で何をされているのかしら?アイドル?歌って踊るの?それなら、今回もっとハイトーンの歌声聞きたかった!!

サンリミットの御三方は、めちゃくちゃ安定感あって、やはりチームの柱なんだなぁ、と。
出番は決して多くないけれども、出てくると場が締まるよねぇ。コミカルなファンタジー勢も、キャラクタの存在感や振る舞いは軽やかなのに、ピシッとまとまっててそのシーンの存在意義や役割を過不足なく果たしてるとこが【チームの柱パワー】なんだろな。あと、二人ともとにかく可愛かった(*´︶`*)❤︎歩き方も表情もメイクもらぶ。お母さんは、息子と絡むのはオープニングのダンスのみで、あとは息子の彼女息子の話をするだけなんだけど、学生チームとの掛け合いよりメリハリがあって、ゆうかさんが会話をリードしているように見えて、明花さんがシーンの重みを支えてるっていうか。すごく距離が遠くて近い関係性の表現を二人で積み重ねているなぁ。

で、ストーリーですね。
平成生まれの若者たちが、昭和を演じていたのかな?
わたしには、あの世界観は昭和に見えたな。学生たちの衣装の雰囲気や、会話のときにチョイスする語彙が、そんな感じ。あと、あれはフォークギターだよね?クラシックじゃないよね?そこにも昭和の匂いを感じる。
でも、作品自体は郷愁というよりは令和より先へ、未来へ、その希望とか葛藤とかそういう【生きていく】という匂いしかなくて、そのアンバランスな気持ちよさが全編に漂っていました。

重いテーマなんだけど、母親も彼女もきっと苦しみきったあとか、苦しみにある程度折り合いを付けた後の、諦めることを諦めた強さみたいなものがあって…。だから観ていてただしんどいだけじゃないってのがいいよねぇ。
中盤のファンタジーと現実のややメタな目線のシーンからのダンスも、お客さんの集中力リセットとエンタメの両立って感じで天才だなぁ。

あと、各所にストップモーションが入るんだけど、これがピシッと決まるのよ。ゆうかさんとお母さんのストップモーションはとくに素晴らしい。ゆうかさん、めちゃくちゃ長いストップモーションあったのに、瞬きも少なくて…家に帰ったらいっぱい目薬しておめめいたわって下さい。。。
佐藤くんは運ばれているときの動きも天才だった。

語彙が死んでくると、褒め言葉に【天才】【すき】【すごい】【らぶ】の4パターンのバリエーションしかなくなるの、なんとかしたい。でも、語彙がしぬほどに、すき。

大満足でニコニコなんですが、細かいこと気にしぃなわたしもおりまして…。

ここから先は読んでも読まなくても!
そして、ここまでも、ここから先もあくまで個人の感想なので!押し付けでも批判でもないよ!感想だよ!
…はい、やや予防線をはりましたね。ダサいね。
でも、ビビリだから予防線はるよ!


1番気になったのは、お母さんの足元。
オープニングはダンスがあるので、ダンスシューズ(バレエシューズ?)なのはいいと思うけど、全編通してそれだったのが、衣装と缶ジュース、コーヒーの具体表現のなかで違和感。
そもそも、場所が分からないよね。リラックス具合は、彼の実家?とも思うけど、だとしたら彼と遭遇しちゃいそうだから、外で待ち合わせて自販機の飲み物かな?だとしたら、外履きの靴が良いなぁ。そうすることで、彼女の外履きの靴との整合性もとれるし、足元という些細なことを気にして場所を見失うこともないかな、と。

同じく【具体表現】についていうなら、大学生活の荷物。彼女、常に手ぶら。最初彼女ってユーレイ?みたいは邪推をしてしまった。いや、これはホラー好きなわたしの落ち度だけど(笑)場転で小道具の移動もしていたので、荷物を持たせることは不可能じゃないと思うんだけどなぁ。あと、彼は学校にサークルだけしにきてるのかな?というのも同じ気になるポイント。

あと、これは俳優さんか演出陣か分からないけど…、お友達コンビに、セリフにおけるキュンが何ヶ所か存在していたけど、それを態度では一切示していなくて、だとしたら、キュンのセリフはキュンの意図がなかったのかな?だとしたら、脚本であのワードチョイスはなんでかな?と思い悩んでいる、なう。それから、彼の【心因性のショックに纏わる記憶喪失】と【天然なキャラクター性】とを表現したかったと思うんだけど、【発達障害(高機能自閉症)当事者のわたし】から見ると、あの表現は【自閉傾向強めの発達障害】か【知的遅れを伴う発達障害】の表現に見えてしまって…なんとも…。それを意図せずそうなってしまっていたのなら、なにか…こう…べつのベクトルから【天然なキャラクター性】にアプローチ出来なかったのかな?と。意図していたなら、作中で言及して欲しかったな。と。

で、ダンスについて。これはミュージカル経験アリのダンス下手くそ民かつダンス見るの大好き民の感想なのですが…。
オープニングダンス、Twitterで見るに、昼公演も夜公演も同じ振りだと思うんだけど、【めちゃくちゃ踊れる人】と【頑張って踊ってる人】がサシで踊ってしまうと、後者がすごく悪目立ちしてしまう。身体が硬い、身長差が大きい、この二点においてあの振りは最適解だったかなぁ?などと。ほかのカンパニーのダンスとはベクトルのちがうもので、これはジャズやバレエ、コンテンポラリーに近い感じだったから、よりそれの基礎を知るもの知らぬもの、みたいなものを感じてしまった…。
同様に、中間のダンスも、メリハリの差ですかね。止まるとこ止まれないとステージ上とフロアのクォリティの差がハッキリ見えてしまう。
断っておくけど、どちらのダンスも、【下手な人】は【存在しない】。これはレッスンの結果だと思う。ただ、わたしという観客にはオープニングは最適解の振りに見えなかったし、中間のはフロアのダンサーがもっと精度を上げられた気がしてならない。良いものだからこそ、勿体なさが見えてしまう、めちゃくちゃ勿体ないパターン。
あ、ちなみに、わたしは踊れません。運動神経が音楽に間に合ってない…。

最後、これ、結構初歩的で致命的なんですが、音響のボリュームチェック、どういう状況で行いましたかね…?音響の元の音質とボリューム大きすぎ問題で、【音楽の音割れ】してましたよね?耳が慣れるまで、頭蓋骨に響く音を感じてました。そして、音響の音量に耳が慣れてしまうと、俳優の声量が小さく感じてしまう。声量はめちゃくちゃ足りてるのに、爆音に耳が慣れてしまって…それを処理するから声量が足りなく感じてしまうの、勿体ないオバケ。
あと、学内のざわめきとバス停の通行車のSEもボリューム大きすぎ問題。しっとりしてたり気まずかったりの空気を出す演技、平時よりややトーンが落ちるから…。本来なら聞き取れるハズの声量なのよ、トーン落ちても。でもSEのボリュームでかき消されるとこもあり勿体ないオバケ。
ただ、波の音はとっっても良かった。ボリューム。めちゃくちゃ泣いたしな。あのシーン。

あ、音響繋がりでもう一つだけ!ほんとにこれが最後!
音楽のイメージも、入のタイミングも、すごく素敵なのに音源の音質が悪かったり、ループの処理が甘かったり、すんごい勿体ない…いや、ほんとに素敵な作品だったから、わたしはすっかり勿体ないオバケです。


はい、予防線貼った割に、キツイ言葉になってしまった気もしますが、ほんとに感想なので、関係者は気にしないで欲しいし、見に行った方今後見に行きたい方は参考にしすぎないでね!

気になることはありつつ、作品を大大大満足で見終わって、今夜はゆっくりいい夢観られそうなわたしなので!
大きな声で!何度も!言いますが!
過去2作品や昼回を観なかったこと(観られなかったこと)をとっっても後悔するくらい!素敵な作品でしたので!

昼夜公演、お疲れ様でした!
エンタメと文学を感じた秋でした(*´︶`*)❤︎

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