お菓子作るのもご飯作るのも嫌なのになんで喫茶やってんの?について

お菓子を作るのが嫌いなのに、珈琲とおやつの店をやっている。時々ご飯も出すけれど、料理もなかなか嫌いだ。
お菓子と料理どちらが苦手かというと確実にお菓子作りのほうが苦手なのだけど、なぜ僕が、珈琲とおやつの店をやっているのかという話。

大前提として、喫茶はお菓子がなくても成立する。
なんせ茶を喫する店だし。本来的にはおそらく飲み物だけあればなんとなく大丈夫な気がしている。

お菓子の何が嫌いかって何よりも計量が苦手なのだ。きっかり計らなければ失敗するとは思っていないけれども、それでもなかなかしんどくなってしまう。
それにお菓子作りは手順がなかなか細かい。
シフォンケーキは卵黄と卵白を分けなければならないし、このとき卵白に少しでも卵黄を入れてしまうとメレンゲはきれいに立たなくなる。卵黄と砂糖を混ぜるよりも前に卵黄だけをといて空気を含ませたほうがなんとなくきれいにできるし、そういう細かい作業が多いのだ。
それに最後のメレンゲを混ぜ込む工程も混ぜ過ぎれば生地が詰まってしまうからここも注意が必要だったりする。

何よりもお菓子は仕上げがオーブンなのだ。
オーブンに入れてしまったら最後。
間違いに気づいたところでもう遅い。やり直しが効かない。
料理はその点味を見ながら微調整が効く感じがあるので、幾分かいいのだ。

どちらにしてもどちらも苦手だけど。

そんな僕がなぜお菓子を2年以上も毎日のように作ってお店のメニューに加えているかということなんだけども、これはそのほうが「良い」と思っているからに他ならない。

珈琲を飲んだら甘いものが欲しくなるし、何より気分が落ち込んでいるときは胃の中に何かしら入れたほうが良いことのほうが多い気がするから。

何よりもお菓子は珈琲と相乗効果で伸びる気がする。
珈琲もお菓子もだけど。
お菓子を食べながら珈琲を飲むと少し幸せになる気がする。

だから僕は苦手だけどお菓子を作り続ける。
それがお客さんにとってなんとなく「良い」ことだと思っているし。

店を良くするためにはやりたくないことをやることも必要なのだ。とお客さんが言っていたけれども、まさにそういう事かもしれない。書類仕事とか。
僕の中ではお菓子作りはやりたくないことだけど、店を続けるためには必要なことだったりするのだ。

何よりも珈琲だけよりなかなかバリエーションがあって楽しい。
チョコレートには深煎りが合うし、レモンケーキには浅煎りの豆が合う。
なんとなく合わせるのが楽しい。
そんなことを考えていると、お菓子作りは苦手だけど、案外いいものなのかもしれないと思い始めたりもしている。

喫茶は茶を喫する店かもしれないけど、他のものがあっても可能性が広がるから。
その可能性のためにお菓子を作り続けているのかもしれない。という話。




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