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18:最後の手術

退院してすぐゴールデンウォークだったため、休み中また二人で家にこもりました。ただ、シャント手術後の時のように痛みなどの症状がなかったため、ずっと寝たきりではなかったし、なにより夫の表情が明るかったのが嬉しかったです。
友達や両親も様子を見に来てくれましたが、みな思っていたより元気そうだと言って安心していました。

ただ夫は慎重派なタイプのため「体があちこち痛いしまだ動かない方がいい」と言って、ソファの上から全く動こうとしません。私も「本人が言ってるからそうなのか」と思い、ゴールデンウォーク明けの通院まで手厚い介護をしました。

休み明けの検診の時、病院についてから「まだ歩けないから」と車いすを借り診察室まで向かいました。
診察室に車いすで入ると、先生も看護師さんもびっくりしています。「まだ歩けないんですか?!」と。

バツが悪そうな夫に代わって私が「歩けるんですが、痛くて大事を取ってるそうなんです」と伝えると、「動かさなきゃダメだよ。体固まっちゃうよ」と若干笑いながら先生に注意を受ける夫。後ろで看護師さんも笑っていました。

私も内心「大げさなんじゃないか」と感じていたため先生が言ってくれて本当に良かったです。これにて甘えという名の介護生活が終わりました。

そしてこの日の問診で、最後の手術の日程を決めました。

そうです。大変な手術が終わったばかりなので若干忘れかけていましたが、後1回、最後の手術が残っているのです。次はカテーテル手術なので1週間程度の入院予定です。

次の手術は5月25日に決まりました。

入院までの2週間半は、歩くリハビリや軽いストレッチをしながらゆっくりと過ごしました。よほど前回の手術が怖かったのか、事あるごとに「入院したくない。手術したくない」と嘆く夫。

「これできっと最後になるはずだからもう一踏ん張りしよう。帰ってきたら結婚記念日のお祝いしよう」と、なんとか夫の気持ちが奮い立つように励ま続けました。

5月24日に入院し、
5月25日に手術。

通算8回目となる、最後の手術です。

今回はフローダイバーターというステントを設置するという内容です。
このフローダイバーターというステント、とてもすごいもので取り扱っている病院も少ないらしいんですが、たまたま夫の担当医が取り扱いができるという。
運ばれたのがこの病院で本当に運が良かったんだと感じました。

もうすっかり慣れたデイルームで、義母と手術が終わるのを待ちました。

8回のうち1回だけは夜中だったため私も付き添いをしませんでしたが、あとの7回の手術の時は必ず義母が一緒に付き添ってくれました。

夫のことを同じだけ心配している人が隣にいてくれるだけで、どれだけ救われたことか。
義母は事あるごとに、私へ感謝の気持ちを伝えてくれるのですが、こちらこそ義母には感謝しかありません。

大体4時間くらいで手術が終わりました。
17時ごろ先生から説明を受けてる途中で、夫からLINEが入りました。

夫は麻酔が合わないタイプらしく、毎回気持ち悪くなるんですが、今回も気持ち悪い以外は特に問題無さそうで一安心。


こうして一年間で8回に及ぶ手術の全てが終わりました。

夫は本当によく頑張ったと思います。

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