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19:手術を乗り越えて、現在

最後の手術のあと、1つだけ問題が起こりました。
手術の翌日、急に「漢字が読めない」と言い出したんです。あと先生の名前がわからない、とも。

震えて上がりましたが、先生に確認すると「造影剤脳症」というもので一時的なものらしいということだったので安心しました。
翌日には症状が治ったので良かったです。
でもそんな事が起こるなんて、脳の病気は本当に恐ろしいんだなと改めて思いました。


2023年5月31日退院

仲良くなった看護師さんたちともお別れです。
開頭手術後のひどい状態をみていた看護師さんたち。何人もの看護師さんがしみじみと「本当に良かったね」と言いながら笑顔で送り出してくれました。

そして、約束していた6月2日の結婚記念日も2人でお祝いすることができました。
毎年、旅行やちょっと良いレストランでお祝いしていたのですが、今年はどこにも行けず自宅で出前のお寿司。それでも、今年の結婚記念日が今までで1番嬉しくて思い出に残る記念日となりました。

退院して3ヶ月半経った今、夫の様子はというと、今のところ大きな後遺症もなく、毎日リハビリしながら過ごしています。

先日のMRI検査でも問題なしとのこと。12月にまた造影剤検査を受ける予定ですが、ひとまずは安心する事ができました。

細かいことを言えば色々とありますし、全て今まで通りとはもちろんいきません。

趣味だった登山もできなくなるかもしれないし、仕事もまだ休業していて、今後どうなるかはわかりません。

ただ体に麻痺はなく、高次脳機能障害もない夫は奇跡的な回復と言えるでしょう。

今までと同じような生活を求めると「これもできなくなった」「あれもできなくなった」と悲しくなるような気がするので、その考えをやめ、これから新しい生活が始まると考えていけばいいと思っています。

新しい趣味を見つければいいし、仕事も今の夫が出来ることを探せばいい。
少し不自由な生活になるかもしれませんが、私は夫とくだらないことで笑って過ごせる毎日があれば、あとはなんでもいいと心の底から思うのです。

くも膜下出血という恐ろしい病気、まだまだ終わりではありませんが、ゆっくり私たちのペースでこれからも向き合っていこうと思います。

終わり


とても長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
現在まで追いついたので、一区切りとしてこの「くも膜下出血〜8回の手術を乗り越えた夫の話〜」は一旦終了します。
これからは、色々と省いたことや日々の生活、その後の病状など気ままに書いて行こうと思っていますのでよろしくお願いします。

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