「中国経済の来し方行く末」

 今、中国経済の減速がひどくなっている。このことを私は以前に予測していた。今の中国経済の状態は私でも予測できたのだから、一般の人々にとっては自明のこととしてとらえられていることだろう。
以下の文は一昨年(2022年)に書いたものだ。
「中国の今後」
一昨年来(2020年)中国は、アメリカのGAFAMに伍して世界で活躍するアリババを初め大手IT企業に圧力を加えだした。人民が堕落するとして、ゲーム産業を攻撃し、そして、今、巨大教育産業にもメスを入れだした。これらの企業の世界の株式市場での株価は急落している。こうまでして資本主義化に圧力を加えるのは、中国国内で経済格差が拡大しすぎて、権力からの大衆の離反が気になりだしたからだ。そればかりではなく、ビデオゲーム会社は、子どものオンラインゲーム利用時間を週3時間以内に制限する規制を徹底させるため、ユーザーの顔をスキャンするように迫られている。また、テック企業に新しい法規制によって、行動も製品も改めるように迫っている。テック企業は新ルールに拠り、政府が好むコンテンツを奨励し、政権の好まないものは禁止できるようにプログラムを企業が義務付けられる。それによって、中国人がネット上で見るものやすることを統制することにある。共産党の下で大衆を律しようという策謀が見え隠れする。
 ただ、巨大IT企業など、世界の最先端を行っている企業を抑え、国営でまかなっていくことで、早晩、技術の陳腐化が起こってくることは火を見るより明らかだ。公営になれば、働くものは安住し、冒険を犯さなくなり、官僚主義が幅をきかすことにも成る。中国の場合は、企業の現場に共産党の統制が強力に効くので、先端企業の水準は落ちてくることだろう。
 また、人口の減少は止めようがなく、人口オーナス状態に数年後、あるいは既に起こっているのかもしれない。と言うわけで、今後急速に中国経済が減速することは必定である。このときに何が起こるのか、全く予測できないのが不気味である。
 
 2年前の予測が、今現実のものとなっている。が、中国共産党政府は、党指導体制を改めようとしないので、この不況は解決することなく沈んでいくことになるだろう。まさしく、バブル後の日本の後を追いかけることになるのだろう。
 とすれば、中国の現在の状況の原因は明解である。民間企業に対する規制を緩め、自由度を一層高めることで再び浮上することだろう。しかし、共産党中央は自ら掴んでいる権力を離そうとはせず、一層しがみつくだろうから、解決することはない。
 と同様に日本の場合も外から見れば、「失われた30年」の原因も明確にされているのではないだろうか?それをガラパゴス状態にある私たち日本人が知らないだけではないだろうか?

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