地方の理系が大手出版社を受けてみた
はじめに
アクセスいただきありがとうございます。
本記事は表題の通り、僕自身の就活の体験記です。
都心の私大生・文系が有利といういわれのある出版業界の就活で、ハイスペックでない自分がどうやって就活に臨んだか。
僕の半年間を読んでいただくことで、出版/エンタメ業界に興味のある方・あるいは就活生の方の糧になれば、と思い書いた次第です。
はじめにことわらせていただきますが、僕は最終面接目前で落ちたため、翌年4月からは出版・エンタメと一切関係ない業界へ就職します。
あくまでご参考までに!です。
スペック、受けようと思ったキッカケ
スペックは22卒・地方・国立理系・低所得世帯・OBなどのコネなし 、特に好きなコンテンツはアニメです。
受けようと思った当初のキッカケは、自分の専攻に関係する業界に行きたくない!という気持ちがあったのと、好きな作品を創る会社の話をタダで聞けるってメチャクチャアドじゃん!と思ったためです。
あさましい理由とはいえ業界研究はしており、その中で業界で実現したいこと・自分だからこそできるのでは?と思える業種が見つかり、エンタメ系の業界で働きたい!というマジな気持ちに変化していきました。
業界研究にあたって、知識を身につける為に本やYouTubeに投稿されている業界の方の動画を観ていました。
また、僕は「どうしてもこの会社で実現したいことがある・もしダメだったら別ルートで実現させる」という気持ちから一社しか選考に参加しませんでした。
どの会社か名前は伏せますが、選考フロー的に受けた/受けている方ならわかるかもしれません・・・
インターンとES
夏休み期間中は業界でどういう人が働いているのか知る・自分がやりたい業種について知識を深める、ということを目的に本命以外の企業説明会に数社参加しました。
これに並行して、受ける企業が手がけている作品をジャンル問わず観るようにしていました。
夏休みが終わると同時にインターンシップの募集が始まったため、ES(エントリーシート)に手をつけ始めました。
インターンは例年倍率10倍以上・競争相手は日本全国の同世代のオタク、と考えたらメチャクチャ熱くなり、ひたすらに書いていたのを覚えています。
ESを書く際は、過去に受験された方が就活サイトに載せているESを別窓で並べ、それを参考に自分の言葉をES用の言葉遣いに擦り合わせていく、という手法を取っていました(自分の思いが大事な気がするので、参考にするのは言葉遣いや起承転結だけにしていました)。
また、文章量も3000字近くに及んだため、推敲をする必要がありました。
友達や家族に見せれば解決しますが、僕は周りにESを見られたくない!という気持ちから全てを一人で完結させていたので、完成した文章を一旦プリントし、喫茶店に紙とペンだけを持っていき文章を推敲・また書き直す を繰り返していました。
ESの内容について、「好きなエンタメを書けるだけ書く」という設問があり、この箇所を活用すれば志望動機よりも自分がどういう人間かを表現できる!と思ったため小説からWebラジオまで、ありとあらゆるものを書きました。
好きな作品を書けるだけ書く、という行為はその会社を受ける方以外にも、自分がどういう作品が好きなのかということを掴めたり・この作品が好きだった時はこういうことを考えていたな と思い出したりできるため、他の企業・業界を受ける方にも効果があると思います(エンタメを通じた自己分析と勝手に呼んでいます)。
そしてESの提出から数週間後、日程の連絡が来て参加することになりました。
インターンシップについては、会社説明・企画提案のGD(グループディスカッション)・座談会という構成でした。GDのメンツが僕以外慶応・MARCHの文系の方だったのを覚えています。
選考
インターンから2週間後、選考の参加意思を問うメールが届き、本選考に向けたESの執筆とWebテストの勉強を始めました。おそらく早期選考だと思います。
Webテストについて、正答率は体感6−7割だったので参考にする指標の一つぐらいかなと感じました。
ESについては〆切までが2週間と短く、年末年始はライン工のバイト中に脳内でネタを考え、家に帰ったらそれを書き起こすことを繰り返していました。
面接は時勢の都合もありオンラインで行われました。
内容は守秘義務の関係であまり書くことができませんが、ESや事前準備資料について引き出そうとして来ていただけた上に、親身になって僕の話を聞いていただけたため、自分を出すことに注力して臨むことができました。
服装は私服を指定されたため、気合が入る服装で挑みました。
また、オンラインの場合は机の上に何を置いても自由なので、自分の大好きなVTuberのグッズを目に見える位置に置いて精神安定としていました。
面接対策については、就活サイトを参考にしたほか、就活一問一答的な本を学校の図書館で借りて、どんな質問でも自分の言葉で返せるようにイメトレを重ねました。でも結局テンパった末に出た言葉が真意かも知れませんが!
なお模擬面接や他社の選考は一次面接時点で受けたことがなく、その企業での面接が初の面接でした。もう少し人を頼っても良かったのかもしれません・・・
その後面接を重ねたものの、これを通過できれば最終面接、というところで不採用となりました。
自分を全力でアピールして落ちたのだから、という心持ちでいましたが、やはり一ヶ月ぐらいは調子が優れなかったです(同じ時期に大好きなVTuberが卒業した、というのもありましたが)。
そんな中でしたが、自分が学校で専攻している理系の業界を数社受け、3月中に就活を終わらせました。
就活をする同じ境遇の方へ
地方で理系で、という方の中には自分の学歴や家庭環境・出自をコンプレックスに感じている人もいるかもしれません(僕自身そうでした)。
自分の大学や家庭環境はどうにもならないし、たとえばGDとかでそういうものに自信のある連中にナメられて、意見を挙げても詰められることがあるかもしれません。
自分との戦い的な要素が強い就職活動、自分に自信を持たないと上手くいきません。
どうすれば自分に自信が持てるのか?と考え、僕は自分が好きなモノに自信を持つことで解決することができました。
例えばラッパーのSEEDAとVTuberの犬山たまきが大好きな同世代は僕しかいないだろうし、この偏愛が僕たらしめている。この両方が好きな自分はイカしてる。そう考えています。
極端な考え方かもしれませんが、偏愛に塗れたES/自分だから通じた気もするし、就活に向き合う上でこの姿勢が一番大事だと気づきました。
この業界を志すみなさんなら自己肯定感がどれだけ低くても、自分が好きなものに対して低い評価をすることは決して無いはずです。
コンテンツへの愛を信じて進んでいっていただけたらと思います。
就活については、同じ業界を受ける仲間がいるとメチャクチャ心強いですが、僕は同じ学校にはそういった仲間が一切いませんでした。
そのうえ僕の学校は専攻以外の業界へ就職しようとすると冷たい目で見てくる風潮のある学校で、教員を一切頼らず就職活動をしていたため、完全な個人戦就活を強いられました。
僕は幸い趣味やサークルの友人がいたため救われたところがありましたが、最近ならLINEのオープンチャットを使うのが心強いかと思います。
この業界のオープンチャットは優しい方が多いため、ROM専ながらも非常に支えになりました。
また、エンタメ/出版業界を受けるにあたって、コンテンツの向き合い方などについて助言をするならば、以下の通りです。
◯好き嫌い構わず今流行ってるコンテンツを一つは観ておこう
→世間でウケているコンテンツにはそれなりのウケる理由があります。ウケている理由を考えるのは非常に勉強になると思います。
また、それが自分が好きになれないコンテンツならばどこが好きでないのか。絵が得意になれない、シナリオが媚びすぎている。そんな些細なことでも立派な自分の意見なので持っておくといいのかなと感じた次第です。
余談ですが、就活が終わっても何かコンテンツに触れる時、色んなコンテンツに触れようという姿勢が産まれるため作品鑑賞が楽しくなります。
◯YOASOBIの「群青」を聴く
→これは上に近しいのですが、僕は就活を終えるまでYOASOBIを知りませんでした。
僕は就活中、自分の好きなことを仕事にすることに少し怖さを感じていました。他の方からしたら些細なことかもしれませんが・・・
また、インターンで社員の方に「入社前と後で好きなコンテンツに対する見方や気持ちは変わりましたか?」と質問したものの望んだような回答が得られず、一抹の不安を抱えたまま面接を迎え、終始このことが頭を巡っていました。
その後、就活を終えてからVTuber・犬山たまきの歌ってみたを通じてこの曲に出会い、歌詞や元ネタになってる『ブルーピリオド』を知り、感動とともにこの曲が自分の恐怖心へのアンサーであるように感じて「もっと早くに知っておけば・・・!」という気持ちになりました。
この曲は僕と同じような不安を抱えてる方の気持ちをほぐしてくれると思います。
最後に
好奇心が高じて夢になってマジになって。就活というワンチャンを使って何者かになろうと試みましたが、結局なれなかったためこの記事を書いています。
自分は10年前からオタクで、アニメの事ばかりを考えて生きてきたのだ。好きなコンテンツをただ信じるのだ。ということだけを唯一自分を信じられるアテにして就活に挑戦しました。
けどこの機会のおかげで、自分のコンテンツに対する気持ちは自分の中で思っていたよりも会社に通じたということ・面接での弱点・エンタメへの向き合い方。その他色々に気付かされ、夢を見せてくれました。
貴重な失敗体験だし、飲みの場の話のネタになった。と数ヶ月経ちようやく割り切れて、今は20代をかけて自分の夢を果たすためにスムーズに動けている気がします。
僕は絶対にエンタメに携わりたいと考えています。
この記事を読んだ方が業界に入れて、一緒に仕事ができる日が来るのを楽しみにしています。遠回りですが僕も努めます!
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