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28歳♂が半年間の育休を取って感じたこと

半年間の育休のうち、早くも半分に当たる3ヶ月が過ぎてしまい、時の流れの速さに驚きを隠せない今日この頃です。

「タイトルでは半年間の育休を取ったと書きつつ、実際はまだ3ヶ月しか経ってないんかい」

というツッコミはさておき、私がこのnoteでお伝えしたい内容を一言で表すと、

「これから子どもが生まれてくる男性のみなさん、奥さん・子どもと3人で生活を開始するタイミングでぜひとも最低1ヶ月の育休を取ってください!!」

です。

「半年も育休を取っておいて、実際は1ヶ月で事足りるんかい」

というツッコミがまたしても聞こえてきそうですが、

「実際に育休を取った人間が言っているのだから多少は信憑性があるのでは?」

という寛大な心で、以下目次から読み進めていただけますと幸いです。

※上記結論に至る私の体験談は5, 6章に記載しているため、時間が惜しい方は5, 6章から読み進めてください。

■1. 自己紹介 -半年も育休を取っている28歳♂って何者?-

本題に入る前にまずは簡単に自己紹介をさせてください。

・年齢:28歳(2021年9月8日現在)
・職業:総合コンサルティングファーム勤務
 ※プロフィールに会社名記載しています
・居住地域:東京
・結婚した年齢:25歳(26歳になる年)
・趣味:バスケ, 麻雀, 読書
・育休取得期間:2021年6月7日から半年間

大体こんなものでしょうか。要するに都内に勤務する普通のアラサー男子です。
唯一言及できる特徴は、昨今の晩婚化の傾向に反して割と早いタイミングで結婚していることぐらいでしょうか。

要するにこの自己紹介でお伝えしたかったのは、本noteはごく平凡な人間が書いた育休体験記であり、肩ひじ張らず気軽に読んでいただきたいということです。

■2. 育休に関するnoteを執筆しようと思ったきっかけ

そんなごくごく平凡な私が育休に関してnoteを書こうと思ったきっかけは、たまたま見かけた記事で2019年度の男性育休取得率が7.48%であると知ったことです。

皆さんはこの数字を見てどう感じるでしょうか。
私はシンプルに「低い」と感じました。

少子化によって労働人口が減少し、その労働力を補うために女性の社会参加を国が後押ししている割に、それを支える役割を果たす育休制度の男性取得率はこの程度なのかと。

2020年度の男性育休取得率は12.65%で2019年度より改善しています。

「全体で7.48%なら、半年も育休を取っている男性は全体の1%ぐらいなのではないか。だとすると男性の長期育休経験というのは希少価値があるのではないか。」

そのように考えて本noteの執筆に至りました。

「少しでも育休取得を検討している男性に役立つ内容にしたい。」

という思いで書きましたので最後まで読んでいただけると嬉しいです。

■3. そもそも育休ってどんな制度?

私の体験談をお伝えする前に、そもそも育休とはどのような制度かをおさらいしておきましょう。

育休制度(正確には育児休業制度)のポイントは以下です。

※ざっくり制度を理解していただくのが目的のため細かい内容は割愛しています。詳しく知りたい方は下記URLをご参照ください。
https://www.hito-link.jp/media/column/childcare-leave

・育休は国の制度であり育休を取得することは労働者の権利
 ⇒会社の規模に関係なく育休の取得は可能

・取得できる期間は基本的には子どもが生まれた日から1年間
 ※保育園に入れない等の事情がある場合は最大2年まで延長可能

・育児給付金の支給額は半年間は標準報酬月額の2/3、7ヶ月目以降は1/2
 ※標準報酬月額にボーナスは含まず

・育休中は厚生年金保険料, 健康保険料, 所得税が免除
 ※住民税は支払いが継続

・育児給付金の振り込みは2ヶ月に1回
 ⇒ある程度の運転資金は必要

育休を取るうえで懸念となる最大のポイントは育休中の収入はどうなるのか、という点でしょう。

上記のとおり、額面は標準報酬月額の2/3(7ヶ月目からは1/2)となってしまうものの、厚生年金保険料, 健康保険料, 所得税が免除となるため、実際の手取りは働いているときの7~8割程度となります。
(個人差があります。また給付金としてもらえる額には上限もあるのでご注意ください。)

毎月カツカツの状況でなければ生活には困らない制度設計になっており、正直なところかなり優秀な制度です。

ただ注意が必要なのは、標準報酬月額にボーナスは含まれないという点です。

年収に占めるボーナスの割合が高い場合、標準報酬月額が想定より低くなる場合があるのでご注意ください。

※厚生年金保険料, 健康保険料は免除となると記載しましたが、どちらも記録上は支払ったものとみなされます。
つまり育休を取ったからといって将来もらえる年金の原資が減ることはありませんし、保険証ももちろん使えます。
また育児給付金は雇用保険から支給されるため所得にカウントされません。
免除というよりは所得にはみなされないため所得税がかからないという表現のほうが正しいです。

■4. 私が半年間の育休取得を決意した理由

さて、前置きが長くなりましたが、そもそも私が育休を取ろうと思ったのはなぜかをお伝えしておきたいと思います。

結論から申し上げますと、

・二度とない子どもとの時間を後悔なく過ごしたかったから

・給付金で十分生活が回ると判断できたから
 ⇒収入に関する不安を払拭できたから

・仕事柄、長期で会社を休んでも迷惑をかける他者が少ないから

の3点です。順に補足していきます。


まず1点目ですが、そもそも私には子どもを授かるということがとても幸運なことであるという認識があります。

理屈では説明できないので「へぇ~そうなんですか」と思っていただくほかないのですが、そういう感覚が強いので、その幸運に恵まれて生まれてきた子どもとたくさんの時間を過ごしたいと思うのは自然な成り行きでした。

経済的余裕があれば仕事もせずに子どもとの時間を優先したいというのが本心ですが、それは現実的にかなわないため半年間の育休で妥協しているというのが現状です。


2点目は、3章でも詳しく記載したとおり、育休制度を詳しく調べた結果、「あれ、十分生活可能では?」と気づいたという話です。

育休を取る際の一番のボトルネックは収入面だと思いますが、日本にはかなり手厚い制度が存在するためこれを使わない手はないというのが私の意見です。


3点目は、私が所属するコンサルティング業界に起因する話です。

ご存知の方も多いかもしれませんが、コンサルティング業界の働き方はプロジェクト型です。
プロジェクトのために組成されたチームで一定期間協働するという働き方を指します。
そのため育休を取得する時期を、プロジェクトが終わる時期に合わせられさえすれば、特にチームメンバーに迷惑をかけるといったこともなくなるのです。

ただ1点注意を促したいのは、「自分がいないと仕事が回らない」という理由とは区別が必要であるという点です。

一見すると「迷惑をかけたくない」という理由と、「自分がいないと仕事が回らない」という理由は同じように見えますが、後者は実は男性側の本心を隠すための欺瞞に使われていることが多いのではないかというのが私の考えです。
(もちろん本当にそのような状況の方もいらっしゃると思いますので、あくまで大部分はという意味です。)

この辺の育休に関する持論に関しては別noteにまとめる予定ですので、本noteではこれ以上の言及は避けたいと思います。

■5. 実際に育休を経験して学んだ事

ようやく本題となる章にたどり着きました笑。

大きく分けると学んだことは3点です。
(3ヶ月時点での学びなので、今後アップデートするかもしれません。)

本章および6章がこのnoteのメインと言っても過言ではないので、育休取得を検討している方はぜひこれらの章だけでも読んでいただければ幸いです。


①育児は体力勝負である
ある程度想定はしていたものの、その想定を超えてきました笑。

やはり一番の要因はまとまった睡眠が取れないことです。
特に新生児期の赤ちゃんは、個人差はあるものの約2~3時間おきに目を覚まします。
(もちろん泣きます。)

そのたびに親は母乳もしくはミルクをあげるためにどんなに眠くても起きなければいけません。

完全母乳で育てる場合男性の出番はありませんが、我が家の場合は新生児期から母乳:ミルク=2:8程の割合で子育てしていたため、ミルクの準備のために毎回一緒に起きていました。
(ちなみにミルクだけでなく、排泄で起きることもあり、ミルクをあげた30分後とかに再度泣き出すということもしばしばです。)

昼寝で多少は解消するものの、日中に自身のやりたいこともあるため、そのバランスを取るのが難しいところでした。

2人でやってもこの有様なので、いわんや母親一人で育児をすることの大変さをや、です。
(それでもあなたは奥さん一人に育児をやらせますか…?)


②育児に高等技術は必要ない

私の妻が出産した病院は、コロナウイルスの感染拡大防止のため面会謝絶の方針を取っていました。
したがって私が我が子と対面できたのは出産してから5日後の退院日で、私の育児はそこから始まりました。

育児に最低限必要な技術を列挙すると以下です。
※思いやりや忍耐力といった心理的要素は除いています。不足ありましたらすみません…。

・抱っこ(寝かしつけ含む)
・おむつ交換
・ミルク関連
 ⇒ミルクの準備、ミルクあげ、哺乳瓶の消毒
・げっぷ出し
・着替え
・沐浴

これ、多いと感じますでしょうか。
ちなみに私は沐浴以外、退院したその日にマスターしました。
(巧拙は別として。)

ここでお伝えしたいのは、「私はすごい」ということではなく、赤ちゃんの面倒を見るために必要な最低限の技術は、身につけるためにそれほど労力を要するわけではないということです。

何が言いたいのかというと、

「別に難しいことは何一つないからパパも積極的に育児しようね」

ということ笑。


育児の大変さは自分の欲求を後回しにしなければならない状況に常に置かれ続けることであり、これは育児に参加する人数が増えることで大きく緩和されます。

お金を稼ぐということも大切ですが、生涯をともに歩むと決めた奥さんの負担を軽減させてあげることも同じぐらい重要なことではないでしょうか。


③相談できるということが精神的負担を大きく軽減させる
育児をしていて睡眠以外にこたえるなと思う瞬間は、頑張ってあやしているのに子どもが泣き止んでくれないときです。

赤ちゃんは当然ですが泣くことでしか意思表示ができません。
親は子どもが何に対して不安や不快感を抱いているのかを察して、それを取り除いてあげなければいけません。

赤ちゃんが泣く原因は主に、

・おなかがすいた
・排泄をしてお尻のあたりが気持ち悪い
・眠い
・げっぷが出ていなくて気持ち悪い

といったものが考えられますが、考えうる泣く原因を取り除いても、泣き止んでくれないときが多々あります。

そうしたときに、

「なんで泣き止まないんだろうねぇ~」

とか

「眠くて泣いて、自分の泣き声に驚いてパニックになっているのかなぁ~」

とか、その状況をパートナーと会話できるだけでずいぶん気が楽になります。
(1人で面倒をみているときに大声で泣かれ続けると、正直かなりの精神的ダメージを負います笑。)

母親だろうが子育ては初めてであり、思い通りにいかないと不安や焦りを感じますし、場合によっては苛立ちを覚えてしまうこともあるでしょう。
そうした感情の起伏が疲労として蓄積され、場合によっては母親のメンタルをも破壊してしまいます。

育児を2人で行うことが、こうした疲労の軽減に大きく貢献してくれることでしょう。

■6. 結論 -せめて1ヶ月は育休を取ろう-

私が育休を通して学んだことを要約すると、

「育児に必要な技術は単純であるものの、親がしたいことを常に後回しにしなければならず(特に睡眠)、1人で請け負うには荷が重い。」


ということになります。

これを解決するためにはどうしたらよいでしょうか。

冒頭ですでにお伝えしましたが改めて述べさせていただくと、

「奥さん・子どもと3人で生活を開始するタイミングで最低1ヶ月の育休を取ること」

これが私の結論です。
(もちろん1年取れるのであればそれがベストです。あくまで最低限の解決策を述べています。)

なぜあえて「奥さん・子どもと3人で生活を開始するタイミング」と書いているのかというと、里帰り出産を想定しているからです。

出産後、奥さんの実家で夫も共に生活するというケースはまれなのではないでしょうか。
(ちなみに私は1ヶ月妻の実家で過ごしました。)

その場合、1ヶ月の安静期間を終えた後にようやく3人での生活が始まるため、そのタイミングに合わせるのがベストという意味合いで上記表現としました。

実家で過ごす場合、奥さんの母親という強力な助っ人がいます。
母乳を与えること以外は、おそらく何でも手伝ってくれるので、奥さんの負担はかなり軽減されるでしょう。

3人での生活がスタートするということは、その強力な助っ人を失うということを意味します。
その状況で奥さんを手助けできるのは誰でしょうか。

…言うまでもなく夫です。

ゆえにそのタイミングで育休を取るべきなのです。

期間を1ヶ月としたのは、赤ちゃんの月齢が2ヶ月になれば徐々に睡眠時間も伸び、奥さんの大変さも軽減されると考えたからです。
(個人差があるので月齢2ヶ月でもまだまだ夜泣きする子もいます。)

また会社を休むのも、1ヶ月であればなんとかなるのではないかという思いもあります。
(賛否ありそうですが…。)

はなから無理と決めつけず、どうしたら1ヶ月の育休を取れるだろうかという姿勢でぜひ一度検討してみてください。

■7. 終わりに

まずはここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
要点だけを書くように努めましたが、なかなかのボリュームになってしまいました…。

最後に1点だけ補足しておきたいことは、育児は決してつらく大変なことばかりではないということです。

このnoteを通して伝えたかったことが「男性も育休を取るべきだ」という内容であったため、そのような論調で書いてしまいましたが、あくまでそれは育児の一側面でしかありません。

自分の腕の中で安心して眠る我が子を眺めるときや、こちらの笑いかけに反応して我が子もにこっと笑ってくれるときなど、日々の大変さを吹き飛ばしてくれる幸せな瞬間もたくさんあります。

最近我が子は3か月を迎えましたが、声を出して笑うようになりました。
控えめに申し上げて、めちゃくちゃかわいい笑。
こうした初めての瞬間に立ち会えたのも育休を取ったおかげです。

よく言われることですが、赤ちゃんは本当に驚くような速度で成長していきます。その成長を見逃さないよう、残り3ヶ月となってしまった育休期間も大事に過ごしていきたいと思います。

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