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日本神話から学ぶシリーズ 「怒るのではなく慍(おこ)る」

こんにちは、JUN AMANTOです。

※このNOTEは、僕のオンラインサロンEART LIFE LABOに投稿された記事のダイジェスト!

今週の目標のコーナーでは、日本神話から学ぶシリーズと題し、日本の国柄を定められた環太平洋的価値観を紹介し、学んでいます。

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=お題「怒るのではなく慍(おこ)る」=

今日のお題のヒントは「責任は取らされるものではない」です。
「慍(おこ)る」という文字は現在使われなくなりました。しかし、それは日本の「怒り」とはなんだったのか教えているとても深い言葉です。
そして、それを、現在の日本人がかなり誤解しています。
この漢字が使われたのは、日本書紀(日本書紀は、漢文で書かれています。古事記は書き下し文)。
出てくる場面は、天照大神が暴れん坊のスサノオに呆れて天岩戸にお隠れになった時、「天照様は、おいかりになって天岩戸に…」というくだり。

この時の漢字が「怒」ではなく「慍」なのです。
そしてここが解らないから、実は我々日本人は、天岩戸神話を随分と誤解しているんです。
さあどういう意味でしょう??

果たして、この伝説は、本当にこのような物語なのでしょうか?

=「怒る」と「慍(おこ)る」の違い、「起こる」との繋がり=


「怒る」とは、怒りを表に出して怒鳴り散らす、攻撃するという※CERCULER(着眼)的な意味で使います。
「慍(おこ)る」という時は、内側の怒りを表に出さない、顔色ひとつ変えず内側で怒りを、内包する時に使います。
漢文で読めば、アマテラスの様子が目に浮かびます。アマテラスは決して怒鳴り散らしたり、怒りをあらわにしたりはせず、
「あっそうですか…わかりました、残念な事です」
…と言って、静かに雨の岩戸にお隠れになった…というニュアンスが受け取れるはずです。
光の根源アマテラスが、岩戸に入られたら外は真っ暗。
では、岩戸の中はどうなるか考えてみたことがありますか?
そこはアマテラスご自身の自分の光しか無い…「光の世界」。ここでアマテラスは何が見えるのでしょうか?

(※CERCULERとは?=外側からの情報などによる着眼のことで、相反するALETEと伴い「カロカ5分類」という現象界の雛形をなす。人生における地図ともいえ、客体的に自分自身を見つめる要素は、JUN自身が若年期影響を受けた上座部仏教ビパッサナー瞑想を基礎とし体系化された。これらは、JUN AMANATO私塾天響ノ道」で、公開されている。)

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=アマテラスは御自分を内観なさった=

神様でも反省するのか?
そうです。
これが日本、いいやそれ以上に環太平洋的縄文の精神性です。
日本(=縄文)の根本的な価値観として「起こる出来事は全て自分に原因がある。全ての物事には自分の責任があり、それは自分でしか解決できない」というものがあります。
現代で言うなら量子論的ホログラム理論
もしくは仏教的カルマ学
もしくは、ポリネシアン的な全ては繋がっている論
…です。


(JUN AMANTO撮影クルー参加作、石川梵監督のくじらびとには、現在に残るこのポリネシアン的責任感の話が出てきます。)

=「慍(おこ)る」というのは、自分に怒りを持つ事=

「怒る」というのは、怒りをあらわにして「責任」を周りのせいにするために行う事です。

「自分は潔白!
お前らのせい!
責任を取ってくれ!…」という姿です。

「慍(おこ)る」というのは、自分に怒りを持つ事です。

「なんて情けないの私…!」という姿です。

つまり、全責任は私にある、私は自分に怒っています…
これがアマテラスのお心だったわけです。
そしてアマテラスは事態改善のために、内観する事にしたわけです。
縄文の古代の価値観では、
「責任は、取らせるものではなく取るものだった」

=「おこる」=

ストレスという言葉は日本語にはありません
古代の人にストレスはありません!?
じゃあ辛いことはなかったのか?
もちろん、ありましたよ!
それはストレスとは呼ばず、「試練」と呼んでいました。
試練という言葉も中国語由来…もっと古い大和言葉にすると…「おこる」になります。
神々の世では何もない事が光り輝いた平和の世界で何かが「起こった」ら、それは、もうストレス…いや試練なわけです!
文字のない時代、「起こる」「怒る」「慍(おこ)る」が、同じ音だった事に注目しないといけません。
オコル事は、全て進化のための試練があるので、絶えず自分に取るべき責任がないか探すのが縄文人です。
神々(=私達の神性)は、絶えず責任を取り続けなければならないよ…という意味です。
縄文語で
「オコッタ?」
「ウン、オコッタヨー!」と言えば、
どうも皆で取り組むべき問題が起こったようた…という意味になるわけですね!

=神々の天命の全う・天安河原=

八百万神が相談しあった場所が、天岩戸神社から徒歩10分ほどの場所にあります。
洞窟、天安河原(あまのやすかわら)です。
そこには石が、古代から累々とコツコツと積み上げられています。崩れても崩れても、また誰がが石を積むのです…その神々しい雰囲気には何度訪れても圧倒されます。

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八百万の神々がアマテラスを引っ張り出すのに、どんちゃん騒ぎをしたという「楽しそうな宴」…というのは、全ての職種の神々が、生き生きとその本分をわきまえ、光り輝いてその役割を輝かせている状態、つまり、神世の国政を表しています。
「各担当の神々が一生懸命働く…」その姿は、まるで宴のように日々楽しいイヤサカイヤサカな世の中…我々もそんな社会を目標にしなさい!という事です。近代的法治国家のやり方では、騒乱の犯人であるスサノウを裁判にかけて、その責任を1人に負わせ、刑務所に入れて終わり…それでは、社会も人も何も変わりません。また災いは起きます。
古代の日本、いいや、環太平洋縄文価値観では、天岩戸隠れという事件が、「オコッタ」わけですから、八百万の神は、皆で集まって、それぞれが、そのオコッタ出来事を自分のせいと考え、それぞれが反省して自分の役割を高めて改める…という事が問題の解決だったことがわかります。

=アマテラス級が三日も瞑想した!?それって、どんだけスゴイこと!!=

「鏡を見てそこに映った自分の姿を、自分より素晴らしく光り輝いた神だと勘違いして、もっと見たいと身を乗り出した」
…という事ですが、古代には鏡がなかったのでアマテラスは自分の顔を知らなかったのかな?…などと夢夢思ってもいけません!!
考えても見てください!彼らは神様たち!
それに「八咫鏡」という固有名詞のある鏡も既にあったわけです。

鏡を見るとは、サニワをするという意味です。
現代風にいうと「検証する」です。


アマテラスが、自分とは思わなかったぐらい別格に光が増しているという点に注目してください。
それだけ深い内観にお入りになったアマテラスは、「オコリ」を、きっかけに、非常に深く浄化され更に高次元から光を下ろせるようになり光が増したという意味なのです。(これは三大神勅の3番目とも繋がります)

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=A級に大切な神話:「しめ縄」は、不可逆の苦しみ=

そして、フトダマが締めた縄が、現在の「しめ縄」の始まりだそう。「しめ縄」を締めてその場所を残すとは、自分の中に、立ち戻るべき場所を大切にしなさいという意味。
もう一つは、苦しかった事。
苦しかった事は嫌う事ではなく、試練は貴方を磨く「磨き砂」

そのおかげで成長できたと学ぶなら苦しみは、貴方とは分離して不可逆的に二度も戻る事はありませんご安心なさい…という神々(祖先)の私達を想う心です。

そして、同じ過ちを犯さず二度と戻らないためには、辛かった記憶も有り難く残して忘れない事で、同じ過ちは繰り返さないものなのですよ…貴方の過去を愛せるようになるのを目標にしなさい…というアマテラスのお教え、八百万の神々の生き方を、子孫である我々に伝えるため残してくださった逸話だったわけですね!

「この神話は特A級に大事という事で、天武天皇の頃(681年=天武10年)に川島皇子(かわしまのみこ)や、忍壁皇子(おさかべのみこ)らが日本書紀、古事記に書き残す事にした」…というわけです。まあ何と心暖かい祖先の親心なんでしょう!心してありがたく受け取るべし!

おわり

=おまけ:ちなみに、アメノタジカラオって…=

この天の岩戸をアメノタジカラオケは投げ飛ばし、その岩の扉は、日向から信濃国戸隠山まで(現在の宮崎から長野)投げ飛ばされたそうです!(力持ち過ぎ^^;)
僕のオリジナル武術「天手Amante」の名前の由来は、アメノタジカラオの漢字表記「天手力男」から来ています。

=EART LIFE LABO=

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JUN AMANTO

幼少より武道武術をたしなみ、スタントマンから大道芸人を経てパフォーマーに。
世界を旅するうちに日本人独自の運動特質と環太平洋の古い部族の動きを各地の格闘技、伝統舞踊学び、研究しその共通点を編集、独自の哲学をもとに傾舞(かぶくまい)を創始した。
アートパーフォーマンスとして、単独で古民家の公開改装パフォーマンスを行いカフェ、サロン・ド・アマントを設立。 中崎町を中心に、アートスペース等活動拠点を展開中。

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