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ビジネスの現場で絶対活きるルール化脳の作り方!そのメリットと習慣について

ルール化脳を鍛える。これは前職のコンサルタント時代に教えられた考え方の一つである。自分が体験したことや世の中で起きている事象に対して、自分なりに考え、その法則性を捉えてルールとして落とし込んでいく習慣を身に付けることを、私はルール化脳になると定義している。

ルール化脳を持つことのメリット

ルールを見つけるとは規則性や法則性を発見することである。その為に必要なことは、物事を大雑把に捉えることが大切になる。正確に詳細に捉えるのではなく、大きく捉えて規則性を見出していくこと。例えば、2:6:2の法則がある。多くの人が知っているルールの一つだが、企業における貢献度の高い順に、2:6:2の割合でカテゴライズされるというルールである。これを厳密に数値に落とし込んでいけば、何%かの割合で狂いが生じるはずだ。つまりルールは正確性よりも大切なことがあるということである。

正確性よりも優先されるルール化することのメリットとは何か。それは”境い目”が明確になることにある。人は曖昧な世界で生きている。例えば、良い・悪い。長い・短い。寒い・暖かい。全ては感覚の世界である。これは、それを発言している人の感覚によってイメージされる世界は異なっている。品質管理の担当者と営業が同じ商品の品質について、良い・悪いの判断を実施したとしよう。恐らくは、品質管理者の基準よりも営業の方がその精度は悪くなると予想できる。それでは同じ品質検査キットが渡され、明確な品質の基準数値が示されたらどうだろうか?明確な数値という境い目ができたことで、その基準値よりも良いか、悪いかという判断ができるようになる。

ルール化することで、経験などの差によって生じる感覚の違いに対して、共通の物差しを提供することで、ミスコミュニケーションを無くすことができるようになる。例えば、経営における成長の壁というルールがある。社員数が30名前後になると入社する社員と退職者が均衡し、会社の成長が停滞するという壁である。社員数30名を超えると、社長一人では社員全員を見ることができなくなり、組織の構造としては階層型が必要となる。階層構造を作るということは管理者の役割が大きくなる。人事評価などもこの管理者が一次評価者となるケースが出て来る。社長以外の管理者の力量が問われる状況となり、管理職の能力や人事評価などの制度が整っていないことから社員の不満が高くなり、退職者が続出する事態となる。

30名とは、組織の作り直しや評価制度の見直し。成長を持続させるためのビジネスモデルの再点検などが必要な規模であり、その前後には、そうした会社としてのアップデートが必要になる。それを30名の壁というルールを持って経営者と共通認識を持つことで、事前に対策を打つことができるようになる。ルールがあることで、経営者とも共通認識が生まれ、会社で起きている事象を整理でき、次の成長に向けた意思決定を後押しすることができる。ルールには、そうした力がある。

ルール化脳を後天的に鍛えるための習慣

ルール化脳は後天的に鍛えることができる。その為の訓練法を整理してみる。

・世の中にあるルールを知る
・小さくても良いから毎日ルール化する
・アウトプットの場を作る

まずは世の中に、どんなルールがあるのかを知ることから始める。ルールになっているものに、どんなモノがあるのかを知ることで、ルール化のための法則が分かってくる。私の場合、前職のコンサルティング会社がルール化の塊だったため、身近にルールのお手本がたくさんあった。自分なりに、ルールとはこういうものか、という理解を深めることが最初の一歩になる。基本的には規則性や法則性があり、同じような場面において再現性が高い事象を発見してネーミングすることがルールの基本となる。

ルール化脳を鍛える為には、日々の習慣が必要になる。そこで毎日ルール化を自分に課し、それを継続していく。ルールというと、非常に大袈裟なことをイメージしてしまうかもしれない。ここでは、その習慣を付けるということが大切なので、些細な自分だけにしか通用しないルールで構わない。大切なことは、曖昧な世界に規則性を発見し、誰かと共通の物差しを持つことにある。「あるある話」的な発想で構わないので、生活の中でルールは無いかを常に意識してみる。

そしてこれが最も大切だが、アウトプットの場を作ることである。私は当時、会社のルールとして日報の文化があったので、それを活用して日々の気づきをアウトプットするようにしていた。自分が発見したルールを、公の場で伝える習慣ができると、情報を整理する力も飛躍的に向上する。当時は、A41枚程度のレポートを毎日アウトプットしていた。その習慣は、600回を超えていたと記憶しているので、2年間毎日、A41枚分のレポートに気づきをまとめていたことになる。

これはSNSなどで一言ルールのような形でも良い。誰に見てもらうというマーケティング的な発想ではなく、ルール化脳を鍛える習慣を身に付けるという視点でアウトプットの場を設定して欲しい。

ルール化脳を持つことで手にできる価値

これをとにかく1年継続すれば、自然とルールについて敏感になっている。規則性や法則性を意識できるようになると、曖昧な状況が発生した際に、それが何が原因であり、どう線引きすれば整理できるかといった考え方が身につくようにもなる。結果としてはファシリテートの能力が身に付いていくはずである。

ルール化脳を鍛えるとは、

・曖昧な状況の原因が理解できる
・正しい線引きができる
・共通の物差しで議論を進めることができる

という3つのことが身につくようになる。

ルール化脳を鍛えましょう!というのは決してルール製造機になりましょう、ということではない。実はこの能力が身に付けば、ビジネスのあらゆる場面において役立つ力が身に付くことになる。噛み合わない議論や平行線を辿っている不毛な会議など、しんどい時間を経験したことはないだろうか。これは感覚の異なる人たちが、共通の物差しを用意せずにお互いの意見を戦わせている際に発生することが多い。

こうした不毛な時間は前向きな空気も生まないし、結論が出ないことが多い。ルール化脳があれば、状況を理解でき、感覚の違いを修正し、あるべき方向性へと導くことができる。議論が不毛になっている境い目が理解でき、視点を揃えるアシストができるようになる。自分の時間も有益になるし、会社の中での評価も高くなる。

ルール化脳を鍛える習慣を始めよう。その能力はあなたを助ける武器になっていくはずである。


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