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理念やビジョンを組織の文化・風土に昇華させるための方法とは

おはようごございます!眼から鱗という会社で経営者のメンタリングサービス『あとおし』を提供している長島です。今日は”理念やビジョンを組織の文化・風土に昇華させるための方法とは”について書いてみます。

言語化よりも大切なこと

理念やビジョン、パーパスなど。経営の目的を言語化することが大切だと言われています。経営の目的を持つことは大切ですが、言語化することは手段でしかありません。言葉を紡ぐために経営者合宿をしたり、その思いを
動画などに封じ込めて、それを社員に共有するといった事も、意味があることだと考えています。

ただし、それ以上に大切なことは、その言語化した事を、体現している社員がいて、その会社独自の世界観を感じられるレベルになる事です。つまり無意識的な行動に昇華することが重要であり、言語化するのはスタートラインでしかありません。

前提として、人は忘れる生き物です。忘れる理由は簡単です。それを使う場面が圧倒的に少ないからです。日常的に触れることであれば、それは無意識的な行動としてプログラミングされます。ところが、1ヶ月間、覚えた事を全く使わない環境があったとしたら、人は忘れてしまいます。

理念なりビジョンなりを行動レベルに昇華するためには、どうしたら良いのでしょうか?

Step1:毎日繰り返しその言葉に触れる
Step2:日常的に使う場面を意識的に作る
Step3:無意識レベルの行動になるまで繰り返す

朝礼の唱和の目的

Step1で有効になるのが、朝礼などでの唱和です。初期の唱和の目的は、言葉を覚えることにあります。毎日声に出し、また立って動きがある中で繰り返し発することで、意味は分からなくても表面的にでも言葉は覚えます。

理念やビジョンを体現するためには、言葉を覚える必要があります。覚えていないことは行動できません。まずは言葉を覚えるという目的で、朝礼での唱和を行います。

無意識的に行動できる社員が増えてくると、この朝礼での唱和の意味が変わってきます。全員で声を揃えることで、テンションを統一したり、心を一つにするための時間になります。ただ、このレベルになる前は、まずは覚えるためという低めの目的からクリアしていくと考えて行うことが大切です。

Step1で覚えた言葉でも、日常の場面で利用するシーンが無ければ、それは染み込んでいきません。受験対策で学んだ古文や漢文も、日常的に触れることが無い限り、身体に染み込むことはありません。

意識的に使う場面を創出する

Step2では意識的に使う場面を創出していきます。一番有効なことは会議の場面で使うことです。会議室の壁に理念やビジョンを掲示しておき、会議が進む中で、意思決定のタイミングになった時に、全員で壁に貼られている言葉を見て、【これが我が社の価値判断基準だ】と伝えて、意思決定をしていく。このプロセスを繰り返すことで、決断の軸に理念やビジョンが浸透していくことになります。

意識的に全員で使う公の場面を日常レベルに落とし込み、それをルーチンにしていくことで何を決める時の基準として、社員に落とし込まれていくようになります。判断に迷うような議題があった場合なども、間違いなく理念やビジョンに立ち返るために掲示されている言葉を確認する習慣を付けます。

中間管理者である部課長レベルも、部下から相談された場合には、理念やビジョンに基づく判断を行います。壁に言葉を貼っておくことで、それを見て考えるという習慣が付くようになります。これが当たり前レベルになってくると、無意識的に理念やビジョンに基づく判断ができるようになります。

無意識レベルまで継続する

Step3では、それが無意識レベルでできるようになるまで、諦めずに継続する執着心を経営者が持つことです。浸透するということは、会社の文化や風土を作ることと同じことです。短期間で理想的な状態になるというのは幻想です。

無意識レベルの状態にまで昇華させるには、一定の時間が必要だと理解しておくことで、経営者のイライラは小さくなります。毎年採用をしている会社であれば、新しい人が入社する度に、その精度が落ちていくという現象にも直面します。

まとめ

諦めたら、その瞬間に記憶から無くなり、言葉だけが残る虚しい状況に戻ってしまいます。大切なことは、

覚える→使う→繰り返す→無意識レベルになる

という手順であることを理解しておくことです。人は使わなければ忘れていくという能力があります。新しい環境への適応力があるのも、この忘れるという才能があるからです。それを理解しておけば、忘れないようにするための仕組みを考えることができます。

理念やビジョンを言語化したら、それを組織の文化や風土にするための仕掛けを徹底していきましょう。無意識レベルになれば、それは最強のチームになります。

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