#noteクリエイターサポートプログラム に応募してみる話~地方XRコミュニティの運営サポート出張に行きたい~

こんにちは、じゅんです。
Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というHoloLens・VR技術好きの技術者コミュニティの勉強会を運営していて、開発者の知見の交流を促進しています。また、元・物性研究者として、研究機関に所属する若手研究者でxRに興味を持つ人を見つけてはHoloLensを被せに行き、開発者コミュニティへの橋渡しを行う事を続けています。これらを適切に表現する職名が無いので、勝手にScientist/Developer Relations と名乗っています。

 さっきnoteのトップに来てみたら #noteクリエイターサポートプログラム という企画を画面右上のほうに発見したのでカジュアルにのっかってみる事にしました。使いまわしの資料で(雑)。

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やりたいことは、地方開発者コミュニティの応援活動と開発者個人の選択肢の確保


 VR系・拡張現実(AR)系の開発者のコミュニティを四年間運営していて現在感じる事は、全体的なアウトプットの減少と、それに伴うコミュニティ文化の衰退・転換です。発信活動の減少についてはSNSの治安の悪化などの影響もあるとは思うので本来のポテンシャルの変化との関連は不明ですが、コミュニティについては東京一極集中の流れを受けて確実なものだと考えています。生き残っている地方コミュニティにおいても、活動拠点がDiscordなどクローズドなプラットフォームに転換してきて、外部から見つけるためのきっかけが減っています。ですので、新しい学びを始めたい人にとっては適切な師をコミュニティで見つけるのが厳しい時代になってきています。
 一方で、地方で開発者コミュニティを始めたい運営者にとっても難しいフェーズになっていると考えています。案件の量やエンジニア間交流の量の地域間格差が埋まっておらず、VR/ARエンジニアに関しては関東圏で始めるのが有利であると言わざるをえません。東京と異なり、地域からはXRエンジニア減っていく前提で施策を講じる必要があります。では地方は黙ってみているしかできないのかという思いがあります。

やっている事は、地元で技術に触れる機会の創出と地方コミュニティ間の連携を通じたノウハウ模索

 2018年に開かれた札幌HoloLens Meetupをきっかけに Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というコミュニティが生まれました。この広報活動を4年半続けてきて状況状況に合わせた仮説検証を繰り返して今に至ります。
 目指しても無駄だと各個人から思われる分野は例外なく衰退することをかつて自身で経験しました。なので、参加してくれた人からの情報はそれに関心ある人に届けるように体験設計し、機会が呼び込めるきっかけになるよう努力しています。
 一つの形として、オープンな複数のコミュニティ拠点同士を連結してイベントを続けていくことでそれらが機能するのではないかと仮説しています。一つのコミュニティだけでは衰退路線に早く陥ることもあり、相互の助け合いで補う考え方です。
 運営者の立場で私がやるべき事としては、趣味・志向の近い遠隔地のコミュニティをどうにか見つけて、お互い損しない形の連携方法を適宜組んでみるという方法を試しているところです。なので、地元の勉強会・体験会運営を手早く回す能力の他に、他の技術領域・リアル地域に越境してエッセンスを汲み取る能力を鍛える方向に振ってきました。結果として、現在の自分自身がエンジニア・ベンダー企業双方と話をする情報ハブのような存在に落ち着いています。

 これらの活動については、場づくりのノウハウも含めて普段のnote記事でイベントごとに発信しています。2022年に入って、地元エンジニアだけではなく関東圏のベンダーからも少し注目してもらえるようになった経緯も↓の記事でたまたままとまっています。

インフルエンサーマーケティングから距離を置いた淡々とした運営

 上のセクションで書いたコミュニティ活動は、企業・製品と強い関係を持たないからこそ実施できている側面が強いです。ポジショントークにならずに技術を楽しめる場を作るために無所属という身分が有効に使える場面があります。また、インフルエンサーにお願いして盛り上げてもらうのも考え物で、そこで得られた一時的な盛り上がり(本当に一瞬)をどう活かすかという問題をクリアしない限りは運営者のモチベーションが枯れる原因にもなりえるので採用しません。
 あくまで参加者の発信をベースに次の参加者が来てくれればよいというくちコミのスタンスで継続しているため、活動が大きく目立つことはありませんが淡々と続いていきます。新規の参加者の流入経路も作っていきます。外で発信してきた私経由になることが増えています。

他の地方開発者コミュニティの活動への解像度を上げるために、現地イベントを現地でもサポートしたい

紹介できる人を増やすための技術遠征

 2022年に入って対面でのイベントを出来る時期も少しずつ増えてきたため、手探りながらも対面の公開イベントを再開し始めています。デバイス体験会・新技術体験会・ハンズオンイベントなどそれぞれ設計しています。実施を通じて、やはり参加者と直にお話しする(他の事が同時にできない)ことで、参加者に対する理解度(どの領域の技術が好きでどんな活動スタイルなのか)が変わってくる事が分かってきています。参加者の立場でも、運営メンバーと顔見知りになる事でSNSなどでの継続的なやりとりを続けやすくなる効果もあると実感しています。イベント再開を通じて、自分たちも対面の重要さを再認識しています。

 新しく技術コミュニティを立てたいと思っている他の人も対面のイベントを立て始めたいと思っているのではないでしょうか。

 ところで、地方コミュニティ運営者は1人で孤独にスタートすることが多く、賛同者が現れなければ地方から去ります。もし、先行して活動している運営者として他の地域おこしに協力できる事があるとしたら、運営者として現地イベントをお手伝いし現地に行く事が有効かと考えています。オンライン運営と違い、現地開催するには単純に人手が足りないことが多いです。そこを補えれば運営のハードルが下がります。

 札幌に居るだけでは情報の入ってこない技術が他の地方で育っていることも多く、それらの技術と取り組んでいる技術者に対する解像度が高くなることも目指しています。そうすることで、若い人から技術について相談された時に紹介すべき相手がすぐ見つけ出せることにつながるので、自分の地元地域としてもあきらめずに済む可能性が上がると考えています。コロナ前のコミュニティイベントを東京でやって札幌から手伝いに行った時に知り合った人ともまだ続いているので、それの地方版ができたらいいのではないかと考えています。

旅費の支援があるともうちょっと動けるかもしれない

 地元にxR文脈のキャッシュポイントを作っていませんので、収入を手弁当の活動で食いつぶしながら生活しています。現在は遠征費が税金支払いによって消えてしまい、身動きが取れない財政状況です。
#noteクリエイターサポートプログラム に期待している内容は移動のための旅費支援になります。
 年内のコミュニティイベントに飛行機で出かける資金を補助して頂ければ、地方の開発コミュニティ運営者サポートの為に出張してみたいと考えています。
 コロナ拡大状況も踏まえそんなに実地開催できる団体も多くないだろうと考えますので、年内は月1件×3カ月くらいが限度と思います。旅費・滞在費で5~10万円の範囲内の出張ができればと思います。旅をしたときのまとめも今や立派なノウハウなので、これらも都度noteでまとめています。


noteの支援に応募してみた理由は現行の支援制度でカバーしない領域へのサポートがあるかを知るため

 VR・拡張現実領域はトレンドの変化があまりに速すぎるため、年単位の補助金などとの相性が極めて悪い領域だと考えています。枠組みを持たねば受けられない補助金は基本的に活かせないので、柔軟運用ができる少額支援から始まるのが現状にとても適していると思います。
 今回お試しでこの試みが出来たとしたら他の地方コミュニティ運営者にも言いふらして回ることができるので、これは勉強会運営のハードルを下げる事につながり裾野の拡大を見込める事になり、クリエイターの活躍の場を増やす目的にも少し重なっていくかと思います。今行っている活動はビジネスにはまったくなっていませんが、将来のエンジニアの芽ぐらいはつくっていってるとは思います。

以上、私からの提案でした('ω')

登壇スライド(遷移先に47スライド)

#DoMCN としての開催イベント(一部)

手伝ったイベントのツイートまとめなど(togetter)

コミュニティ周りで実践をまとめているnote


(2022/9/1 22:00 初稿公開 3460字 120min
 2022/9/22 18:00 文脈整理 3737字)