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科学者コミュニティとの関わりを拡げてきた話

こんにちは、じゅんです。
Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というHoloLens・VR技術好きの技術者コミュニティの勉強会を運営していて、開発者の知見の交流を促進しています。また、元・物性研究者として、研究機関に所属する若手研究者でxRに興味を持つ人を見つけてはHoloLensを被せに行き、開発者コミュニティへの橋渡しを行う事を続けています。これらを適切に表現する職名が無いので、勝手にScientist/Developer Relations と名乗っています。

年末という事で、本業(?)である、Scientist Relations(#SciRel)の活動についてもまとめておこうと思います。大きな会には3つくらい参加して、勉強会にも継続的に参加し続けていました。活動中、お話を聴いていただいた研究者の皆様には感謝です。ありがとうございました。


応用物理学会春学会(3/15-18)

 確定申告の作業に追われ、現地参戦は今年もできませんでしたが、オンラインにて講演セッションを聴いて参加していました。VRを使った交流会自体は去年秋でいったん終わってしまいましたが、VR系の技術のセッションが新しく生えていたり、VR体験会が会場内でできるようになったりしていたところが印象的でした。

顕微鏡学会春学会(6/26-28)@島根県


 6月に電子顕微鏡の学会の年次大会が開催され、こちらは現地参加していました。というのもオンライン開催が廃止になり、現地開催のみになってしまったので、行く以外にはなくなったという事情もありました。
 こちらの学会に展示ブースで参加していた九州大学の技官さんや、電顕ホルダー会社の方とお話していたことが秋以降のイベントの伏線になってきていました。

応用物理学会秋学会(9/19-23)@熊本

 秋の全国大会は熊本でハイブリッド体制で行われました。春学会でVR関係の企画があったので秋は参加することにして、福岡経由で熊本に行ってきました。
 体験ブースでMagic Leap 2が体験できたほか、2021年の超異分野学会でHoloLensを被せた先生がXRを使った教育システムの提案でポスターセッションを出していたのが主な収穫でした。
 また、顕微鏡学会ではよくしゃべる九大の技官の方がうまくつないでくれて、半導体グリーンファブ研究会の主催の秋永先生とお話しすることができ、同研究会にお誘いいただき入りました。


NICT未来ICT研究所 一般公開イベント (7/29)

 2022年の秋からご縁のあるNICTの井原先生がいろいろ担当している一般公開イベントに参加していました。現地会場とバーチャルプラットフォーム会場と配信のハイブリッドになっていました。

 井原先生とは一般公開イベントの前に、北海道のIT展示会イベントで出会った360°カメラの会社の方を紹介して研究交流をするためのミーティングをアレンジさせてもらったりもしました。

超異分野学会 北海道フォーラム2023(9/1) 

 リバネスさん主催の超異分野学会には今年も参加してみました。道内外から若手が研究結果を持ち寄って発表している会で、これまでもいろいろな出会いがありました。講演会パートとポスター発表パートがあり、ポスター中心に見て回っていました。今年は化学方面で面白い先生を見つけられたので少し有意義でした。

出られなかったイベントたち

8/8 NIMS 一般公開@茨城

NIMSのイベントには頻繁に参加していたのですが、8月のこの時期は飛行機が取れず断念しました。

8,9 URA協議会 第9回年次大会

 大学の研究支援を主に資金調達面などで行う部署がURAです。URAの情報交換の場があり、以前はオンラインでしたが今回は現地開催でした。そしてNIMSイベントと被っている。。飛行機も取れないので断念しました。

11/11,12 顕微鏡学会第66回シンポジウム@群馬

11/10 『Network Tele-Microscopy 研究部会』第2回研究会@群馬・オンライン

 顕微鏡学会シンポジウムも去年楽しかったので行きたかったのですが、先約のアルバイトの日程と丸被りしてしまい、重要な会合には出れない事が決まっていたので群馬出張は消えました。来年は参加したいと思っています。
 特に、Network Tele-Microscopy研究部会は去年の顕微鏡シンポジウムのメインセッションをベースに新設された遠隔運用の研究会で、私が在職中に取り組んだVR・AR運用とも今後重なってくるため、今後も付いていきたいと思っています。

12/16,17 サイエンスフェスタ2023@札幌

 北海道大学の大規模アウトリーチ企画で、チカホなどを舞台に研究発表をするイベントです。去年も盛り上がっており、参加してみたかったですが、17日からの東京出張がかぶっており、出張直前に人込みに出かける事のリスクも高かったことから見送りました。中の人が会場レポートを残してくれているので雰囲気は後から知ることが出来ました。


定期開催のイベントなど

・サイバーシンポジウム by 国立情報学研究所 (月に1,2回)

 コロナ対応の必要性が高まる時期から始まった情報共有の場で、大学の中でも、施策の現場担当者がお話しすることの多い会です。Slackも設置されていて質問することもできます。去年の前半はメタバース活用のトピック、今年に入ってからはChatGPTなどAI活用の話題が多く、IT界隈のトレンド変化のタイミングとほぼ近い感じの展開をしてきました。

・赤い糸カフェby 北大先端人材育成センター (2月に1回程度)

 北大の博士支援の部署による無礼講トーク(?)の場です。Spatial Chatを使って夜に行われています。北大OBの企業所属者と、博士進学を考えている修士・現役の博士の参加者がいます。私はこちらの就職支援プロジェクトに在職中お世話になっており、「民間転職はできなかったけど元気に遊んでいるフリーランス枠の元PD」という特殊な立場で学生さんの相談などを聞いて無責任なアドバイスなどもさせていただいています。

(New!)ときどきVR・AR体験会を学内で開くようになった

 北大のなじみのスタッフさんの計らいで、今年の夏から体験会を学内で行えるようになりました。木曜日にほぼ限定されていますが、お互いの都合の良い日については文学部棟のとある部屋に機材を持ち込んで、VRに興味のある学生さんや教員・スタッフさんに体験させたり、部屋に来た人の研究分野を聴いて私がアクセスできる関連事例などをレクチャーしたりという活動になりつつあります。小一時間で話題を提供してパッと解散する今のスタイルが気に入っています。
 また、北大の理学部の近くにコワーキングスペースが出来ました。学外の人も利用できる余地があり、私も利用者登録済みです。もし必要な際には呼んでもらえればそちらでも体験会出来ます(イベントスペースが貸し切られてなければ)。

活動場所の広がる一年になっていた

 マイペースに学会参加などを続けてきて、ようやく自分でも実効的に働きかけられる相手が増えてきたように思います。本当なら私が大学にいた方が学内での事例構築に早く寄与できていただろうなと思う場面もたくさんありはするのですが、辞めてしまっているものは仕方ないと割り切って過ごしています。
 学外に居る自分の機能の一番重要なところは、大学組織のルールに縛られない情報収集・情報発信ルートを自由に運用できる点(大学側に配慮も随時している)ですので、そのアドバンテージをアカデミアの人たちに知ってもらえると今後も楽しい活動にできるのではないかと思っています。アカデミアの研究者がXRなどのコミュニティに遊びに来てくれるように導線を張っていきます。
 来年も装置共用系のプロジェクトの人達に関係を作りに行ける機会がありますので、活かしてみようと思っています。

以上です。
(2023/12/31 初稿 3086字 240 min)

おまけ:NFCタグ入り名刺 by tayo.jp

 プレーリーカードという名前のサービスが一瞬流行りましたが、カードにスマホをかざすと自動的に通信をしてくれるアレです(雑な説明)。Tayoさんが突発企画で始めた若手研究者向けのプレゼント企画で、こちらのカードを作ってくれました。指定のページに操作なしで飛んでもらえるので、なにか活用の方法がありそうです(私のもらったものはtayo上のプロフィールに飛ぶ仕組み)。