盛夏音祭20に、ハードルを下げる役として参加した話

 こんにちは。結構久しぶりな感覚で日記を書きますね。
 7/31~8/2の金土日で、盛夏音祭2020(せいかおとまつり)というイベントを開催しました。3日間ともYoutube再生回数1000 over (8/7時点)、サテライトワールド訪問数のべ 1900(VoxelKeiさん調べ)、イベント関連ツイートアウトプット 4600以上 (8/7時点)という、完全ボランティアイベントとしては意味不明な数字だらけのイベントになりました。スタッフ・参加者の皆さんお疲れ様でした。いちスタッフとして御礼です('ω') 
 この記事では、非VRChat枠としてスタッフ参加した私の活動記録が書かれますので、感動的なお話は一行もありませんw イベント運営を行う心構えを少し得るための舞台裏のはなしと思って読んでいただければ幸いです。


スタッフの役割(私の偏見です。)

<主催>
  Tnohito1 さん。企画、運営、進行もろもろ全範囲の判断係。
<ワールドまわり>
 ・三日坊主さん:メインワールドのコンセプト決定。最初期のみ参戦。
 ・コクリコさん:カントク。気づく係。
 ・えこちんさん:デザイン、モデリング爆速。しあげ。
<ギミック(ステージの仕組み)まわり>
 ・タイラーしゃん:動かなくなったらなにがなんでも何とかする係。つよ。
 ・ハツェさん:コントロールパネルの回りの演出用UIをカバー。組み込む人。
 ・TomTomACESさん:アクロバット飛行実現のためのアレンジ。
<ギミック(ラスボスステージ)まわり>
 ・Toneさん:マヨ。実はすべてが見えている。ステージSE作成も担当。
 ・VoxelKeiさん:MIDI信号と空間の演出変化を対応付けるプロ。ステージごと空間を違うワールドに転送したりする。
<運営まわり>
 ・三十個(みそこ)さん:司会に抜擢。Unite2018で見かけた気がする。麗し系ボイス。
 ・クリーヴァさん:Youtubeへの中継をいつもしてくれる。プロジェクト見守り役。
 ・あいぽさん、もいさん:ビジュアル全般。制作物管理。広報もできちゃう。気づく係。
 ・Miliaさん:あいぽさんと、#VR音楽のススメ の企画進行に協力。
 ・YAMADAの兄貴:演奏ワールドV-kitazawa AWAKE の主。二日目の公募デーの演者マネジメント全般。
 ・Ozさん:演奏ワールドClub Refrainの主。準備期間中に改築しまくる。
 ・あおねこさん:演奏ワールドSpot Light Talksの主。ポータルワールドをマッハで作った神。
 ・KLさん、_UMA_さん、ゆーげんさん、ざぶとんさん、じるあさん、ほかバンドメンバーの皆さん:ヘルプの照明さんなどの現場仕事
 ・わたし:特に何もできないのでお仕事を探す係(!?)後述。

適切な言葉が思いつかないので修正するかもですが、書き出せる範囲ではこんな感じです。オールラウンダーな方は隣の作業とかも手伝っているようでした。他にもたくさんの方々にスポットで助けて頂きました。

発端

 5月8日の何気ない会話から、『VRChat音楽イベント増えてきたけど、私からは音楽セッションのやり方とかイマイチちょっと分からんのよね~(´・ω・`)』という話になり、Tnohitoさんの「じゃあ習いますか!一人でやっても勿体ないのでどうせなら勉強会にしよう!」という感じで簡単に方向性がきまりました(←いつものDoMCNミートアップのノリ。普段接点のない音楽勢は分からないかもしれない。)。
 その時の会話の焦点は、”一般の音楽勢(非VRChatの人々)にVRChatをまず知って良さに気づいてもらって、VR側の音楽セッションにも加わってもらえるようになると、界隈のすそ野が拡がって楽しさがあがるかも?”でした。なので、企画当初のメインターゲットは、”VRChatに入ったことはないけれど、音楽活動が出来るのならばやってみたいと思っている方”と定まっていました。これは最初に決まっていました。
 そこから具体的な形態が決まり、プレイベント #VR音楽のススメ (運用紹介編) → #VR音楽のススメ (運用実践ワークショップ) → 多元平行のフェス=盛夏音祭 という流れの案が出来ました。
 ①やり方を知る → 運用紹介編を観てもらう 
 ②実際にライブ対応のワールドで試す → ワークショップに来てもらう 
 ③公開の場でも演奏して楽しむ → たくさんのフェス内セッションでやってもらう 
という、3段階のステップをそれぞれのイベントで消化していって、その過程を通じて、"やってみたいけどやれてない人"の中から一人でも多くの”やれそうな気になった人”を生みだせればいいよねという趣旨の企画案が出来ていました。

VR音楽のススメ

 Tnohitoさんは彼の企画案が出来上がってから一瞬で音祭の協力者を集める事に成功しました。キックオフのミーティングがすぐさま開かれ、自己紹介をやり、そこで上記のメンバーと知り合うことになりました。ただし、本当に非VRCの民である私は音楽イベントに関しては何もできないわけです。自己紹介後のメンバーの戸惑っている様子がよくわかりました(アバターだけど)。
 一方で、過去の私の札幌のイベント運営の蓄積から、宣伝の協力だったり、それぞれの回のアーカイブをちゃんと残すだったりの部分ではそれなりの経験があります。なので、ここでの自分の役割は”模範参加者”というふんわりしたものにしました。どういう振舞いの参加者が居ると運営が一番助かるかを私は知っている。だからその辺をちゃんとやることにしました。
 結果、VRライブなんもわからんの状態だった私が、この一連のイベントを通じて機材の基本的な扱いやライブ用ツールなどを一通り知ることが出来ました。だからここで一番得をしたのは私かな('ω')ふふふ ↓いちおうやった

音祭当日前後

 日程が厳しく最終調整が混沌としてきた中、結局ワールド作りもライブ構成作りも何も技術的に協力できない私の仕事は"黙る"だったかなと振り返っています。皆さんがそれぞれの持ち場の調整に集中しているので、コミュニケーションを新しく起こすだけで何かの破綻を引き起こしそうでドキドキしていました。
 そして、おそらく当日ツイッター班が不足するだろうと心の中で思っていたので、VRC内でのライブ観戦は早々に諦め、フェス参加のシミュレーションを”運営の想定ではなく参加者側から”重ねてみることにしました。準備メンバーのdiscordサーバの中で飛び交っている情報とtwitter・公式サイトで流通している情報の差があるので、それを計測するために本祭togetterの事前作成を始めて、実際にどの情報が回っていないのかを何となく日ごとに調べていました。
 結果的にはこれは有効で、Day 2の参加方法がほぼ知られていないという重大なことが3日前くらいに分かりました。でも大丈夫、ここ数か月のオンラインイベントの参加者予約者数推移って開催三日前に伸びるので、予約システムが存在しないDay 2のイベントにおいてもこの傾向は共通だと考えていました。並行して、26日から具体的作業が始まっていた青猫さんの音祭りポータルワールドの設置が29日に終わっており、この出来が非常に素晴らしかったため、ここを起点にした動線をしっかり広める事を決定しました。ここをキッチリ押さえておけば、Day 2のデジタル迷子を大幅に減らせるわけなので、あとは普段やらないバズツイートを狙って作ればよくなりました(実は二日かかった)。

 クリックしなくても分かるレベルに作りました。文字にするとややこしくて連ツイになるので、ワンサムネイル(←ここ重要)で理解できる画像をメインコンテンツにして、移動用リンクの打ちにくい文字列をツイートに含めて放流しました。拡散の方式は、 自分-運営メンバのRT-それを見た演者さんのRT(各演者さんも周知方法に相当困っていた模様)-各演者さんのファンのRT の四段階くらいで拡散していきました。そして放流時刻はDay 1の開場直後の19時('ω') 私はどんなデータが取れるだろうかとワクワクしながら流しました(普通に危機的状況だったのでこの思想はやばいと思う。仮にこれが企業の担当者とかだったとしたらストレスで死んでいるのかもしれない。)。

 Day 1のデータも当日中にtogetterで評価しつつ、上のツイートの拡散具合とを見比べていました。次の日にしか効力のない決定版ツイートをバズらせると、予約制じゃないイベントなのに参加者数がある程度見積もれるんですよ。これがもう一つの目的です。

画像1

Day 1終了直後の拡散状況とエンゲージメント。

画像2

Day 2開演直前の拡散状況とエンゲージメント。

 これをみれば、"必要があって詳細を見た人”の数が分かるので、4つのサーキットフェス本会場への直接来場者は1000を超えないだろうというある種の安心が得られます。運営サイドは地上班の私をちょっと増やせば対応できるかも?みたいな感じになりますよね。あふれる分の仕事を既存メンバーで吸収して頂きました。
 実際にDay 2の4会場の同時公演状況をひたすら数分置きにアナウンスしながら接続トラブル報告を発見して対応策を提供していく作業はシューティングゲームみたいで大変だったんですが、最新情報デバイスを駆使して自分自身と参加者の混乱を食い止めた感じです。(HoloLens 2の広い視野角で参照資料を拡げながら、素早い対応が必要な作業はPCモニタ上で各個対応 が連続8時間くらい)

 さすがに現地観戦に失敗する参加者を0にすることは残念ながらできませんでしたが、各ライブ会場の運営がとてもこなれていて会場内からの不満はほぼ上がってこなかったので現地スタッフに感謝ですね。また、スタッフに感謝する内容のツイートが非常に多かったのが励みになりました。

画像3

ちなみに開催後一週間時点でのガイダンスツイートのインプレッション。
上のツイートはDay 3以降は拡散はしなかったです。目的のハッキリしたツイートはこういう特性があるということがわかりました。データって面白いですね('ω')

 Day 3 も専用ガイダンスツイートを拡散しました。この日は現地会場はすでに抽選済みなので、Day 2と同じ形式じゃない参加方法であることを示す目的と技術(DepthFieldStreamビューワ)の存在をアピールする目的がありました。ですが、告知自体は割と不発に終わったような気もしています。Day 2と違ってみんな困っていないのでそもそも拡散が弱かった。

 ところで、Day 2までに集めたツイートから、誰がつぶやきそうか分かっている状態がすでに私の頭の中に出来ていました(現在はもう忘れた)。なので、新しく増えたつぶやきの束を見た時に、誰が友達の口コミによって急遽駆け付けた参加者さんなのかがかなり分かります。具体的には、開催の昼間にツイッター上で音祭の情報がシェアされて、夕方以降で実際の参加者の画像付きツイートが上がるというパターンが多いです。たくさん喜んでもらえて、フェス形式に初めて挑んでみた甲斐があったといえました。

#ツイ廃 属性をベースに、#コミュニティマーケティングコミュニティ で常用されるツールの発展利用法を発明し、 #HoloLens2 被って自己強化しながら、なんもしらない #VRC音楽勢 のイベントをサポートしたというのが、今回の音祭本祭での私の機能となりました('ω') ここまで書いてみて、本当に感動の話がない気がするので最後にまとめます。

盛夏音祭とは自分にとってなんだったのか

私なりの意見になり、他のスタッフとは違う可能性があります。
最初の企画案にもどると、こうですね。

 ①やり方を知る 
 ②実際にライブ対応のワールドで試す 
 ③公開の場でも演奏して楽しむ 

 これら①-③は、演奏者に寄り添った設計思想で組まれたものですね。例えば別分野の #DevRel 領域だと、①ミートアップorセミナーで技術に触れる②ハンズオンで作ってみる③ミートアップのデモ展示側に回る のプロセスで参加者(エンジニア)のステージアップが図られます。今回の音祭はこれらの演奏者版をやったとみることが出来ると思います。これって、発信者側にたくさん仲間が出来る一般的なプロセスなので、今回いち演者さんだったはずの方が次はイベントを開催する側に回れるのです。

 今回のイベントを通じてもし同志を発見できた方は、ぜひイベントを企画してみて過去と同じような"やってみたいけどやれてない人"の中から一人でも多くの”やれそうな気になった人”を引っ張り上げて欲しいなぁ~と思っていたりします。そういう話です('ω')

 本祭に関しては、今回のオーディエンスが次の演者さんを目指してくれればいいなとシンプルに思ってました。少なくとも参加してガッカリしない会になればいいなと思ってサポートしてきました。工夫は随所にあるけど、蛇足なので省きます。演出面に関しては、ToneさんVoxelさんコンビが異次元の空間パフォーマンスを即興で繰り広げてくれることが分かっているので全く気にすることが無かったです。

 私が直接かかわった部分としては、それまでリアル演奏のみだった非VRC民の @yoonakamura さんがVR音楽のススメを通じてフェスのセッションデビューまで行けた事が今回何よりうれしい事例です(通称・沼に沈めた)。あと、Miliaさんがソロからバンドに進化して、しかも演奏が難しいバイオリン奏者(ローラさん)と組んでいることに感動を覚えました。自分がお手伝いできなくてごめんなさいだったのですが、私は歴2年のバイオリンなので、今後はVn3をひっそりサポートするくらいには進化できるかもしれない。ローラさんのVRへの適応力はスゴイ。

 3年前くらいの日本列島VRで初めて知って、HoleLens (無印/Gate)アプリで大変な感動を与えてくれたVoxelKeiさんと、何かしら共通のプロジェクトでお仕事してみたいとつねづね思っていました。今回の機会で、ボランティアとはいえ活動の場を共有できてすごくうれしかったです。ほんとうにTnohitoさんに感謝しています。

 まとめると、みんなにとっての音祭が、それぞれのステージを一段上がれる場となるよう努力しました。私にとっては、他分野から得られていた知見でもって色々実験を試す場という感じでした('ω')

 参加して頂いた方々、本当にお疲れ様でした('ω')ノ

(2020/08/10 参加者打ち上げの項追加↑↑)

(蛇足)運営技術の展開について

 参加者同士のリアルタイムの相互作用を楽しむ会はフェスの他にもあります。学術講演会です(すごい飛躍だ)。今のところオンライン化した学会でリアルタイムのポスターセッションをVRで行えた国内学会はまだ少ないのですが、その中でもマルチ会場の進行スタイルは見たことがありません。今回のフェス形式を、学会会場にアレンジして会場間移動をもうちょっとスムーズにすれば、100人規模のポスターセッションまで拡大可能だなと思いました。工夫の余地がものすごく多いので可能性を感じております。
(ただし運営は大変です('ω'))

(20/08/08 5583字 執筆2h 追記するかも。
 20/08/10 6287字 追記&読みやすさ改善。)

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