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Osaka MR HackathonとWebXRハンズオンの札幌サテライト会場を設置した話

こんにちは、じゅんです。
Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というHoloLens・VR技術好きの技術者コミュニティの勉強会を運営していて、開発者の知見の交流を促進しています。また、元・物性研究者として、研究機関に所属する若手研究者でxRに興味を持つ人を見つけてはHoloLensを被せに行き、開発者コミュニティへの橋渡しを行う事を続けています。これらを適切に表現する職名が無いので、勝手にScientist/Developer Relations と名乗っています。

2月中のおもしろイベントとして、Babylon.jsで始めるHoloLens2/Quest対応WebXR(2/11 #AR_Fukuoka )、Osaka MR Hackathon 2023 #MRHack (2/18-26 大阪・福岡・札幌・長野・オンライン)のそれぞれのイベントに運営サポートとして入りました。運営・参加者の皆さんお疲れさまでした。札幌の役目としてはいつものごとくサテライト会場を設置して地元の人向けに機会を提供することと、あとは個人的なテーマとしてこの設営ノウハウを他の地域の運営者へのサポートとして使ってみる事を試してみました。それぞれ収穫があったような気がするので、順に書いておこうと思います。

イベント:Babylon.jsではじめるHoloLens 2/Meta Quest対応WebXR

↑福岡のページと↓togetterまとめ

 2/11に福岡のエンジニアカフェにてWebXRコンテンツ作成のハンズオンが行われました。今回は、お手軽簡単に3Dオブジェクトとのインタラクションが仕込めるBabylon.jsという仕組みを使った講座になりました。こういうのが作れるようになります。

WebARなので、ブラウザがAR表示に対応していればリンクを踏むだけで発動します。たこ焼きは私が去年3Dスキャンしたものをハンズオン中に慌ててGLBに書き出したものです。他の参加者の方も任意のモデルを空間表示にしていました。

 この講座はオンライン参加も可能ですが、集合用の会場を別途用意して配信を放映することで、地方のサテライト会場として運営参加することもできます。北海道 #DoMCN 会場と、長野の #XR信州 会場がそれぞれ設置されました。

 小会場を立てることによって、開発中にうまくいってない様子を運営側から目視・対応できたり、ハンズオン参加のために持ち寄った機材を休憩時間に試しあったり、対応デバイスを持っていない方にも貸し出せるようになったりという効果があります。札幌会場では私を入れて6名の参加者が居ましたが、全員目的のコンテンツまで完成させました。

こんな感じ。この回はQuestユーザーが多めで、さってーさんの持ってきてくれたQuest Proを私が初めて体験できたりと、わりと役得な回でもありました。ProVision会場を準備してくれたさってーさんありがとうございました。

シリーズイベント: Osaka MR Hackathon 2023 #MRHack  

#大阪駆動開発 コミュニティメンバー中心に毎年行われているHoloLensハッカソンです。今年はMRハッカソンと名前が変わり、Mixed Reality全般の技術を使って成果物を見せ合う会になりました。前年を踏襲し、基本的にはオンラインハッカソンですが、日本各地の有志による運営サポートにより、さまざまなオフラインイベントが付随してくるのもこのイベントの特徴になっています。

2月11日(土)【大阪】MR体験会_2023/02/11
2月16日(金)Osaka MR Hackathon 2023 アイデアブレスト #MRHack
2月17日(金)Osaka MR Hackathon 2023 前夜祭! Think Reality A3 体験会
2月18日(土)ThinkReality A3 体験会【ARグラス】 (#福岡XR部)
2月19日(日)【大阪/オンライン】XRもくもく会 2023/02/19
2月19日(日)【大阪/オンライン】だんグラ/ホログラスUnityハンズオン&もくもく会 2023/02/19
2月25日(土)【大阪/オンライン】XRもくもく会 2023/02/25
2月26日(日)Osaka MR Hackathon 2023 #MRHack 長野パブリックビューイング会場 (#DoMCN)
2月26日(日)Osaka MR Hackathon 2023 #MRHack 北海道パブリックビューイング会場 (#XR信州) 

2/11にイベントでお知らせしたイベントの分布はこんな感じ。

 18日に20アイデアが出された後13チームができ、26日の発表会では10チームが発表できました。発表会場にはzoom接続で常時30名くらいおり、Youtube配信も5名くらい見ているという状態でした。大阪・札幌・長野のパブリックビューイング3会場にもそれぞれ現地参加者がいたので、総勢50人弱くらいはいたのではないでしょうか。

 北海道コミュニティの協力としては、18日のチームビルドの段階で札幌近隣エンジニアへのHoloLens2貸し出し協力制度の存在を表明し、希望者を募ってみました。その協力は必要なさそうと分かったので、26日にパブリックビューイング会場を立て、成果発表会の16時までの間をガジェット体験会や交流会に充てる方針で進めました。

 同様の方針を #XR信州 も立てて、Microsoft Base 長野会場で運営されていました。


 札幌会場では、私がもって行ったHoloLens2のほか、PICO4、PICO4 enterpiseをそれぞれ持ち寄ってもらえ、11日とは打って変わってPICO体験会場になりました。きっぽじさんが到着してからは、彼が参加していた18日・東京でのPLATEAU AWARDの動画をみんなで観たりして、ハッカソン組がちょうど日程かぶりで見られなかった内容を振り返ったりしていました。
 また、ハッカソンに開発参加したみやうらさん(@takabrz1)が発表会前にHolo2用アプリパッケージをこちらに共有してくれたので手元のHolo2にインストールしてこちらでも遊んでいました(というかデバッグ?)。
 札幌と長野をMicrosoft Meshで結ぶ準備もしていましたが、こちらはMeshのサーバーエラーの問題が解決せず、別の機会に見送りとなりました。残念。
 人数に余裕があったため、参加者さんたちとたっぷり近況の交換などもできたりしました。会場提供いただいた、Microsoft Base Sapporoの皆さんありがとうございました。

サテライト会場を作ることの利点はやはり省エネ

 ハッカソンを地方開催で単独コミュニティで運営するのは容易ではありません。会場の確保、機材の確保、技術サポートスタッフの確保、大人数の参加者の確保、発信者の確保、スポンサーの確保、期間中の進捗確認など多岐にわたる膨大な作業をさばく必要があります。現在、イベントにフルコミットできる人が札幌だと私しか残っていないため、事実上不可能です。

 そこでサテライトなわけなのですが、この協力様式であれば、会場は最小限でもよいし、機材も手持ちの物で十分まわりますし、技術サポートはオンライン越しに本部の方から受けられますし、ハッカソン開発参加者がたとえ0でも別のイベントに作り替える余地があります(今回交流会にしたように)。よって地方拠点は運営者1人でなんとかなることになります。ただ、本部のリソースを食うようなある意味タダ乗りの存在に私がなってしまうので、発表会・進行のツイート実況や告知の拡散などに協力することでGive/Takeのバランスを取っています。

 ハッカソンをきっかけに新しい機会を地元にもたらすことを目的としているので、参加者が増えたときはまた最適な形を考えればよいかなと思っています。

#AR_Fukuoka 、#大阪駆動開発 それぞれの共通点としては、①地方の機会を作ることに熱心である ②地方の運営者を尊重してくれる懐の深さがある 
などが挙げられるかと思います。具体的には、主催側から地方をちゃんと紹介してくれたりしてみんなでやってる感を損なわずにいてくれる姿勢が見られます(全国コミュニティイベントと言いながら東京だけしか光が当たらないものはちょっと邪悪さを感じたりします)。

 コミュニティ参加者の気質や背景に地域ごとのバラツキがあるので、そういう状況を受け入れてくれつつ地方をちゃんと取り上げてくれる運営者の人とは仲良くなれる気がしています。

裏テーマは札幌スタイルの横展開を形にすることだった 順調そう

 去年の春に、こんなスライドを発表したことがあります。この時も、札幌でサテライトを試したあとに知見を共有したいと思っていたようです。

 今回、#XR信州 の @fit51 さんがハンズオン・ハッカソンそれぞれで北海道のスタイルを模倣してイベントを開催してくれました。↑↑の各章でのリンクを踏んでもらえればそっくりであることが分かると思います。長野のコミュニティは去年の後半にできたコミュニティでオフライン運用の知見はなかったため、すごくシンプルに札幌のコピペから初めて練習してもらえばよいと考えて、立ち上げの補助をしてきました。

#XR信州 では、#XRMTG の長野拠点設立を皮切りに、#福岡XR部 の定例記事読み会を参考にした定例ミーティングを重ね、長野内外のエンジニアとの交流を積み重ねてきました。勉強会参加者の規模感も札幌のそれと同じ程度になってきているため、真似してもらうには良いサイズとやる気だったと思います(やる気が最重要なのだけど)。今回のイベント運営も大変だったことは想像できるのですが、それぞれでよい体験を作り出せていたんじゃないかと思います。というか札幌より盛り上がったんじゃないかなとツイートから感じていました。

 物好きな私が一人でやってる分には再現性を人にアピールできませんが、全く別な地方でも一人からの運営ができると分かることは東京圏以外での界隈の盛り上げの点でとても重要です。信州でも楽しい流れが始まりそうなので、応援している私としても少しワクワクしています。@fit51さんをはじめいい人が残っていてよかったです。
 最初の1人で勉強会運営を始めたり、最後の1人で勉強会運営を続けたりという状況が一番心理的ハードルが高いので、これを少しでも緩和できるように試行錯誤や分析を続けている毎日です。コミュニティは突然音もなく消えますので。。

↑のような環境を身の回りに作っていけるといいなと思っています。他の地方にもこうして遠隔から種が蒔ければ、私が出張したときに会える人が増えて楽しくなりそうかなとも思っています。こういうゆるーい会を開催して近隣の興味ありそうな人に体験させることもできますので、「うちのアプリを体験させるために共有してもいいよ!」という道内外の会社さんもお待ちしております。

毎月のXRミーティングも継続しています。3月は15日開催ですのでこちらも明日から準備が各所で進められます。発表者も増えることを期待しています。

 ハッカソンは成果発表会まで終わりましたが、作品のお披露目される機会はこの後も準備されると聞いています。去年はJapan XR Fest(神戸)で試遊のブースが立てられました。今年こそは現地に遊びに行きたい気持ちもありますが、時期次第という感じです。


また、明後日の3/2には東京で久しぶりの体験会イベントが旧xR Tech Tokyo
メンバーによって開催されるので、こちらも行ってみたいところでしたが確定申告作業が終わっていないためおとなしく留守番です。機会損失~~。


以上です。
(2/28 初稿 4276文字 240min
     サムネ追加、イベント情報追加 5299文字
 3/1   備忘録追加 5756文字)

おまけ(備忘録)

・iPadのHDMI出力アダプタは給電なしだと、本体がアダプタを見失う頻度がけっこうあってその都度Youtube再生が止まるので、ちゃんと給電しながら使うとよい(電源タップのON/OFFスイッチを勘違いして止めてた)
・発表会が始まったらツイートに必死になってしまって札幌会場のトラブル対応が遅れたりするので、実況をするなら会場スタッフ2人にした方が確実。
・告知方法はツイッター中心の方法に当初絞った。名前の欄にイベントの告知を入れて他の技術イベントで実況しまくることでサブリミナル的にお知らせを残す方法と、呼んでもらったイベントで告知スライドを見せたりいろいろやっていた。
・非エンジニア層向けの告知を始めた時期は開催三日前とかになってしまったのは遅すぎたかも。Domingoとサイエンスコミュニケータクラスタに向けて告知を貼ろうとしたら、両方でそれぞれ投稿エラーに遭ってしまい共倒れになった。参加者が募集枠数に至らなかったので、前日までのエントリ締め切りを当日夕方まで伸ばして、受付体制を変えた。
・現地参加人数が少ないという事は感染のリスクコントロールがしやすいということでもあり、このメリットが今はかなり大きい。会場の飲食可否が人数依存だったりもするので、少ない方が実は過ごしやすい空間になる。なので数をむやみに追わずに、やる気・関心度合で来てもらう方針をしばらく継続する。
・地域会場を設置してしまうと、会場のケア優先になり発表会後の審査タイムに加わることができない。Slackの連絡を何度も見逃すことになってしまったので、そこは大阪本部に申し訳ない気持ち。
・ハッカソン開発参加チームがこっちにあれば技術サポートも含めて並走することで技術を吸収することもできそうだけど、今回はいなかったので特にそういうことはなく普通の交流会の側面が強かった。どっちにしろ楽しかったので流れ任せにした。
・大阪駆動開発のロゴステッカーを以前たくさん頂いたので、こういう時にノベルティとして配ろうと思って名刺ケースに入れといたのに当日そのケースをどこにしまったか忘れてしまった。ほんとごめんなさいって感じですm(__)m
・思い出したらまた追記する。