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XRKaigi Hub in 福岡に行って札幌では何が出来そうか考えている話

こんにちは、じゅんです。
Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というHoloLens・VR技術好きの技術者コミュニティの勉強会を運営していて、開発者の知見の交流を促進しています。また、元・物性研究者として、研究機関に所属する若手研究者でxRに興味を持つ人を見つけてはHoloLensを被せに行き、開発者コミュニティへの橋渡しを行う事を続けています。これらを適切に表現する職名が無いので、勝手にScientist/Developer Relations と名乗っています。

7月23日にXRKaigi Hub in FukuokaがJR博多シティ会議室 (博多駅のタワー施設の一角) で行われました。大阪でのXRKaigi Hub in Osaka(5/28)に続いて二か所目の地方開催でした。直後に顕微鏡学会が幕張で予定されていたため私は大阪には行きませんでしたが、7月後半は特に予定も混んでいなかったため、十分な準備をして参加することにしました。今回は備忘録としてその報告をまとめていこうと思います。

目的としては2つあり、XRKaigi Hubの地方会場を現地で実際に見る事で札幌での実現可能性を測る(もしくは上げる)。最近のエンジニアカフェの様子をまた見に行って前回との差分を見る。です。


XRKaigi Hub in 福岡 

 東京では毎年12月くらいに開催されているXR領域のみの大規模展示交流会です。トークセッション+ブース展示のスタイルで行われるイベントですが、他の地方でも開催が始まりました。
 大阪に引き続き今回もセッション紹介とブース展示紹介がそれぞれnote記事で出されていました。内容についてはまずこちらを見るのが良いほか、#福岡XR部 がpodcastで公開している雑談でも予習のための紹介コーナーが設けられています。大阪との違いは、イベントページの段階で協力コミュニティとして #福岡XR部 &後援に福岡市が入っている事が明示されていたことです。

 会場には大きく展示を体験するための大ホールとセッションを聴くための会議室が一室用意され、その間を廊下でつないでいる構成でした。大ホールでは3m四方くらいのブース用空間が13くらいと、会議室には30席くらいの椅子がありました。午前中は展示体験のみで、午後からセッション+展示の同時進行になっていました。
 私は午前を別の対応に費やしてしまったので午後から会場に入って、セッションのスクショ実況(↓は一部)と、出会った人との世間話やお悩み解決などで過ごしました。

オーガナイザーセッション

観光×AR/MR開発

福岡発 メタバースで描く未来のビジネス展望 4社によるプレゼンテーション
 展示ブースにいたので残念ながら聴講なし

『Why → What : コミュニティ活動のすすめ 〜福岡XR部の事例〜』

 

なお、実況は私のほかに、#XRm鹿児島 運営のあぶちさん (@abricheese) が猛烈なスピードで書き込んでいました。どうして開催地の外部からの参加者が発信を重ねるのかについては彼がまとめてくれています。


XRKaigi Hub in Sapporo の誘致に向けて多少のアクションをしてみた

#福岡XR部 の展示の作戦会議に混じってみる

 今回は協力コミュニティとして最初から福岡XR部が明示されていました。6/15に福岡XR部の展示の作戦会議が開かれましたので、そちらに紛れ込み、ちょっと協力する感じのポジションを勝手に作りました。Discord内で進行したため大部分の作戦は表には出ていませんが、moguraVRさんからの出展案内などの資料やメンバーのプロジェクト進行などの現場の様子を間近で見る事が出来、とても参考になりました。福岡XR部に会いに行くこと自体はイベント告知されてからの早い段階で表明していたため、わりとすんなりと受け入れてもらえていたようです。

 ハッカソンなどで前から見ていたコンテンツを体験させてもらえる良い機会でもありました。RayNeo X2のカメラ機能とチャットAIを使ったブログ生成アプリChattiary、Looking Glassの65インチ版など、福岡に行かなければ現状体験できないものも少し触ることが出来ました。



②イベント運営の人たちに直接ポイントを聞いてみる

 事前の表明芸(?)を運営側にも向けていくつか仕込んでおき、現地で迷惑がなさそうなら深くアレコレ聞いてみようと思って会場に行きました。
 会場受付のスタッフさんが私のツイッターアカウントを憶えてくれている方々だったため(顔はお互い知らないけど)、会場に入った瞬間からいつでも聞けそうな雰囲気で助かりました。
 ①次に他の地域でやるとしたらどの地域を検討しているか?
 ②東京開催のXRKaigi本編に対するXRKaigi Hub各地の位置づけとポイントは何なのか?
 ③地方遠征って赤字事業じゃないのか?(直球)
 ④地方ごとの雰囲気について違いは感じるか?
みたいなことを質問してみて話題を拡げてみました。私からは、できる範囲で協力する用意があること、札幌のXR界隈の現況、市の取り組み、札幌市以外で開催するとしたら私が行きたいところ(名古屋)、などを共有しました。
 
 すんくぼさんには会場で直接お話するタイミングは無かったため、終わった後にFBで友達申請を出しました。忘れられる前に出す必要があります。

③(できなかったこと)福岡市以外からの出展企業に福岡出展のモチベーションをたずねてみる

 これも重要な事で、関東・大阪以外の展示会に遠征して出展する企業の方がどんな機会を今後に期待して福岡で出展しているのかを直接聞いてみたいと思っていました。その時に北海道でも心当たりがあればこちらでの出展も提案できそうです。
 会場では廊下スペースでのおしゃべりの時間が大半だったため展示ブースの体験はほとんど時間が取れず、残念ながらこれらの情報を得る事はできませんでした。

④(できなかったこと)北海道の意思決定者層・XR推進者と知り合う

 今回のような中規模イベントを開催するにあたって地元行政側の協力はあった方がよいので、もし札幌市or北海道の行政サイドの人と現地で会えたらこちらに戻ってからの調整もしやすくなるかな~と思っていました。でもやっているように、「北海道から」のフックに引っかかる人を現地で探そうと思っていましたが、残念ながら新たに見つける事はできませんでした(A-kunさんはもともと知り合い)。
 地元でイベントたくさんやっててもこの属性の人と知り合えておらず、「実際いるのか…?」と思っているところです。紹介してもらえれば会いにも行くのですが。。


以上のような感じで、参加スキル・運営・コンテンツ・サポート面のピースがどれだけ現時点で揃いうるのかを調べてみて、実現の可能性を考えていたのでした。

私が思う開催地以外からの参加のコツ

・積極的に身バレを狙う

 普段のXR系勉強会で実況をするキャラなのは割とみなさんに憶えてもらえているようなのですが、福岡まで来ると顔まで知ってくれている人はごくわずかになります。ですので、参戦ツイートの中に自分を特定する情報を山ほど詰め込みます。いつ到着したか、どんな格好でいるのか、セッション会場のどこの位置から写真撮っているのかを分かるようにしておけば、会場内の私とツイッターアイコンが一致した人から話しかけてくれるようになります。

結果:人見知りなのに色んな人とはじめましてのご挨拶をしました

・利他ムーブが現場で生きる

 身バレできる事を前提にはするのですが、今回は自分から話しかけに行くというよりは会場をウロウロしてたら話しかけられてそのまま近況を聞いていたら次々と人が現れるという流れが多かったです。東京でのイベントの時同様何かしらのお礼から始まることが多くて、何かしらの助かったエピソードがあるらしい人が寄って来てくれる形でした。イベント情報の拡散だったり、勉強会の実況を読んでくれているとの事でした。発信活動は私にとってはもはや日常になっていますが、このまま続けていこうと思いました。現場でも、ハッカソンイベント開催の橋渡しをしたり、北海道情報に強い人を教えたりして、いろいろな事へのハードルを下げて回っていました。

翌日は福岡エンジニアカフェで作業&交流

 24日の午前中は、東京からの突然のお便りに対応して、25日に札幌に来る人のためにDeepTechCOREの見学をアレンジしたりしました(翌日の昼は私がまだ博多にいる時間だったので)。
 昼からはエンジニアカフェに遊びに行って、PC作業をしながら元スタッフの田中さんを待ち、合流後は最近の面白いデモで遊んだり、世間話をしながら過ごしました。
 食事後にAIPCafe(https://npo-aip.or.jp/aipcafe)にお邪魔して、札幌の取り組みのお話や、福岡との比較を議論してきました。とても参考になる話が聴けて良かったです。夜に行ったため具体的な活動はされていませんでしたが、AIPCafeでもエンジニアの活動場所としての取り組みが行われているようです。層が厚いですね。


AIPCafeにも訪問


どうやってテックイベントフレンドリーな場を札幌につくるか?

 札幌ではテックイベントを気軽に開ける場所が会場利用料の有料化などでどんどん減ってきています。関心の近いエンジニアで気軽に集まれる場所の確保が私の中で今年のテーマになっており、解決策をあれこれ模索しているところです。XR系のテストなどに利用できる場所があれば教えていただければとても嬉しいです。

道中+αで出会ったイベントたち

7/22 地方でエンジニアとして活躍するためのLT会 #yumemi_grow

 関東の勉強会で出会ったうーたんさんが主催していたこちらのイベントに後追い視聴ながら参加してみました。地方勢のエンジニアが抱えている課題がいろいろ垣間見えて、自分たちの環境とも近いと感じました。どうしたらいいんでしょうね。。

7/22 UnityではじめるVR開発【3.オブジェクトを掴んでみよう】

 エンジニアカフェのコミュニティマネジャーの上田さん(@keyaki_kaihatsu)さんが講師の初心者向けワークショップです。福岡に移動していた当初はこちらに参加してみる予定でいましたが、夕方にホテルでうっかり寝落ちして↑の地方エンジニアLT会の視聴参加に代わりました。

7/23 LODGE XR Talk #LODGEXRTalk 

 毎月開催のLODGE XR Talkは今回XRKaigi Hubと被ってしまいました。後でハッシュタグを追って、面白そうな展示が今回もいくつか出ていたことを知りました。

7/24 MIERUNE BBQ #MIERUNEBBQ

 札幌のMIERUNEさんが毎月開催しているLT交流会は、私がエンジニアカフェにいる間に行われました。歴史のある建物の中で行われたようで、楽しそうなツイートがタイムラインに流れてきていました。

7/25 帰宅

7/26-27 NICT未来ICT研究所一般公開

 NICTの未来ICT研究所(神戸)の井原先生とはわりと長い付き合いになりましたが、彼がシステムを担当する一般公開配信イベントが今年も行われました。Studio-RXという、360°映像と3Dオブジェクト(外部端末由来)の合成システムをフル活用した番組構成で、後半にはシステムの構造などの紹介も行われました。
 

7/26-27 TechRAMEN #techramen24conf

 春からとみおカンファレンスと呼ばれていた北海道IT界隈のお祭りイベントが同時期に旭川で開催されました。北海道(特に旭川)のIT業界を盛り上げたい一心のにしはらさん(@tomio2480)のほとばしる情熱が形を成した個人
(!)のイベントです。派生イベントが増えすぎて追い切れてないのですが、それらも網羅した紹介などがnoteに載っていたりしました。
 分野違いかつ技術も乏しい私自身はあまり価値を旭川にもたらせられないのでXRKaigiを優先しました(現在コロナ感染者爆増中の九州帰りのため外出自粛)。

7/27 Blender Meetup Sapporo #道総研XR  

 3DCGを扱うフリーソフトウェアBlenderのユーザーのための勉強会イベントが道総研主催で行われました。主催の安田さんより連絡を受けて、告知協力などもしています。現地開催&オンライン配信のハイブリッド(2講演目から配信)という体制で、Microsoft Base Sapporoで講演+LT大会の構成になっていました。

まとめ

 今回の出張では大きく2つの目的をもって行きました。
①XRKaigiを札幌に呼び込める可能性を探る(可能性が上げられれば尚良し)。
②福岡エンジニアカフェに対する理解をもうちょっと深めて札幌でのアレンジに活かせるか考える。

 ①についてはMoguraVRさんで検討が進む材料は提示できたかなと思っています。ただ福岡程の参加者規模には絶対ならないため、主催運営側でのゴールの設定を工夫していただく必要があるかなとは思っています。時間かかりそう。
 ②については、今年前半に札幌でのエンジニアカフェ化の取り組みを失敗したので未だに落ち込んでいますが、無いものは無いので、発想を切り替えて工夫していくしかないと思っています。

 地域独自のコンテンツがたくさんあって、コンテンツを生み出す原動力のある人がたくさん残っていて、それらをワイワイ進めるための場もある、そんな土地が福岡だなと再確認できた出張でした。

 札幌での活動について、私一人ではできる事がそんなにないですが、そんな中でも #XRMie コミュニティはイベントをやりに来てくれる(用事のついでですが)ので、コツコツと手伝っていく事を見せていくことで他の地域から「札幌はアリかも(リソース少ないけど)」と思ってもらえたらいいなと思っています。ただ期待値調整はむずかしいです。#UE_Kyushu in 札幌もやりましょう。

[8/29 XRミートアップ三重 in 札幌 #XRMie ]

以上です。
(2024/7/27 300 min 初稿 5207字
 2024/7/28 60 min 追記 出来なかった事パート、XREALの話など 6337字 )

おまけ(費用、感染拡大対策など)

 今回は3泊4日と短く、予算抑えめ、やれること少なめの旅でした。
飛行機往復 29520円、宿20400円+宿泊税、電車・バス 計5000くらい、食費5000円くらい、行き帰りのおみやげ5000円くらい、 参加費0円(うれしい)でだいたい7万円弱でした。XRKaigiのアナウンスが5/31に唐突に出た後、丁度タイムセールが直後に始まったのがラッキーでした。5泊6日であれば九大に突撃したり鹿児島・熊本コミュニティに現地日帰りしたりの無茶が利いて良かったのですが、なぜ当時の私は3泊にしたのだろう。。??

 前回のコロナワクチンから9か月ほど経っており感染拡大中の地域に行くのは不安がありましたので、任意接種できる札幌のクリニックを探して7/1に8回目の接種を受けてきました(当時数件しか見つからなかった)。16500円かかりましたが、40℃付近の熱で寝込むよりはマシと思っています。
 出張前後も大人数の場には行かず、懇親会も不参加で、帰札後も1週間くらいは自宅で様子見です。

おまけ② XREAL Air 2 Ultra の到着が間に合った