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詩 #52 春雷

警鐘が鳴らされる
苦労をもろともせず
あなたの中から奪い去る
何かに

警鐘が鳴らされる

「目的は果たされるためにある」
すり替えられて
巧みに語られる問題
いい夢見れて良かったわね
二枚舌を出しながら
仮面の下の感情は冷たいまま
透けて見えるのは誠か幻か

警鐘が鳴らされる


「目的のためには手段は選ばない」
眩む甘い香りで
とかく鈍くなる感覚
ねっとりした違和感と
醸し出される高揚感
どれをとっても正しくはない

警鐘が鳴らされる

契約とは何か
いつでも破れる紙切れは
果たす約束にも値しない
おまえのいないところで
どこまでも伸びる2人の光の道は造られ
言葉で終わりを告げられる


警鐘は鳴らされた

春雷を無視したまでだ
おまえはただの道化として
笑われて生きるがよい


衣装をつけろ!
鳴り響くテノールの声
道化ならば道化として
客を楽しませるまでだ!と
笑いと嗚咽と嘲笑を
清濁の盃にぶっ込み
毒を注ぎ込め!と


最高の復讐とは
自らの道を作ることなのだ




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