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タイミーと10Xのエンタープライズ営業の現状と課題を考察する

#ゼロトピ でご紹介いただきました!

こんにちは。タイミーの竹内です。

今回は、僕自身も携わるタイミーのエンタープライズ営業と、株式会社10X(以下、10Xと称します)のエンタープライズ営業について触れていきたいと思います。

そのきっかけになったのが、こちらのポッドキャストです。

Stailer事業開発本部長 赤木さんをゲストにお招きし、10XのBizDevのこれまでの振り返り、現状の課題、これからに向けた変更点などを話しました。

https://open.spotify.com/episode/70bRqQiJJEJSkt5eNQrNtg

ちなみにエンタープライズ営業とは、大企業や公的機関などの大規模組織を対象とする営業手法のことを指します。

エンタープライズ営業について、他社の事例を俯瞰的な立場から学ぶことで、新たな視点や気づきを得ることができたため、記事にまとめてみました。

この記事の特徴


この記事では、タイミーと10Xの事業開発やBizDev組織の課題から、超エンタープライズ企業とのパートナーシップの構築方法を学ぶことができます。

解決策として、「個人の能力開発がサービス導入の鍵となる」ことが体系的に理解できます。

なぜなら、ローンチとグロースは型化しやすい特徴を持つ一方で、導入部分の事業開発は、属人的な要素を多分に含むからです。

その再現性をどう実現するかについて、詳細をお伝えしていきたいと思います。

それぞれのミッションのご紹介


10XのBizDevのミッションは、

  • パートナー企業のフロントに立ち、パートナー企業と一緒にネットスーパーやネットドラッグストアの事業をつくること

  • 小売チェーン向けECプラットフォーム「Stailer(ステイラー)」の事業機会をつくること

とありました。

これを、我々タイミーの事業部のミッションで捉え直すと、

  • パートナー企業の経営戦略を知り尽くし、経営層に接触し、圧倒的な関係値を築くこと

  • 多種多様な機能を活用し、オペレーションを確立すること

  • 現場の声をもとにプロダクトを進化させること

となりそうです。

現在、僕も社内で数少ない個社専属チームのリーダーを務めていますが、
この経営戦略の部分は、複数社を担当するチームに比べて圧倒的に高い解像度を持ち、目下の現場課題と俯瞰した経営課題の両方について対話できる成功事例を生むことができています。

タイミーの事業部のミッション

パートナー企業のフロントに立つとは


これは10Xの事業開発について触れながら説明します。

『セールス』や『カスタマーサクセス』ではなく、あえて『事業開発』と定義する理由は、ネットスーパーという「事業そのものを引き受ける」特徴にあります。

具体的には、ネットスーパーを通じてお客様との関係を築き、イシューそのものを引き受けることが目的であり、これは通常のセールスやカスタマーサクセスとは異なるアプローチになります。

要するに、1社1社に対して高品質のサービスを提供するため、複数社を同時に担当するフェーズではなく、現時点では「確実なグロースを実現できる組織」として存在していることがわかります。

12社のパートナー企業と対峙するために、各企業に1人ずつ専任の『事業責任者』が配置されることも特徴だと言えそうです。

10Xの事業開発とは

タイミーではどうか


実はタイミーでも同じような試みを、自身の組織で行なっています。

ネットスーパーのように、パートナー企業の事業そのものを引き受けることはできませんが、イシューが発生しそうな課題を抽出し、解決するまで伴走し続けます。

実際に、タイミーは「単なる人を集めるプラットフォーム」ではなく、事業課題における人件費を、あらゆる側面で解決するために提案し、活用いただいています

特に、これから繁忙期を迎えるパートナー企業に対しては、日々変動するエリア情報を逐一お伝えし、事業に完全に合致した提案を行い、課題解決の確実性を極限まで高めています。

サービスの浸透率について


ポッドキャストでは、サービスの浸透率についても触れていますが、10Xも「サービス自体が、まだインフラのような、当たり前の存在になっていない」「率直に物足りない」と語り、多くの点で共感しました。

現時点で、僕が担当する企業においても、求職者が余っており、逆に求人が掲載されていないため、「企業で働きたいが、求人が掲載されていないために継続的に働けない」といった価値を提供している状況です。

僕自身も、もっと柔軟に、自由に、いつでも、誰にでも働く機会を提供できるまで満足することはなく、改めてそれが言葉で表現されたことを感じました。(前職のドトールがタイミーを導入し、求人が掲載されていることについては嬉しく思います)

ただ、ポッドキャストでも言及されていたように、双方の提供するサービス自体は確実にいいものになり続けています。残りは、それをより広く浸透させる力量にあるのだろうと思います。

10Xの事業開発の内容


10Xの事業開発は、

  • 事業開発

  • ローンチ

  • グロース

の3つの組織編成で実行しており、過去には、ローンチに約1年かかっていたものが、今では約3ヶ月で実現できるようになっています。

これは、事業開発(導入)、ローンチ、グロースのプロセスが体系化し、他のパートナー企業にも適用可能になったためです。

したがって、現在の課題について、個々の事業開発がパートナー企業全体に広範な影響を及ぼす存在となる必要性について述べられました。

10Xの事業開発の内容

企業全体に広範な影響を及ぼす存在とは


後半の要素、つまり

  • ローンチ

  • グロース

は比較的型化しやすかったと述べています。

一方で、事業開発、新規のパートナー企業との導入合意を獲得することは得難く、型化するのは難しかったと述べています。

なぜなら、提案内容のテンプレートや商談の進め方は整えられても、メンバー自身の洞察力やパートナー企業との関係構築力に依存するものだからです。

また、最終的な成果や導入合意については、パートナー企業が主導し、それらに依存する難しさについても述べています。

なので提案書や商談の内容ではなく、成果への結びつきが、実際にはパートナー企業の支配下にある現実についても触れられました。

メンバー個々がベストを尽くしても、不確実性に挑む組織として、時には健全でない特質についても理解できる内容でした。

事業開発、導入部分は不確実性が高い

10Xの事業開発の課題


前段で、企業全体に広範な影響を及ぼす存在を継続的に生み出す必要があると述べました。

しかし、一方で、メンバーの成長環境についても具体的に探究しています。

現在、10Xに入社する新たなメンバーは、後半の要素、つまり

  • ローンチ

  • グロース

のみに従事する機会しか与えられず、その前段階での事業開発の経験が得られないという問題について説明しています。

もちろん既存パートナーのビジネスを築くことは価値のある経験ですが、10Xの目指す組織の構築において、中途入社したメンバーにも事業開発の経験を積ませる必要があり、その経験を実際に手触りのある状態で提供しなければなりません

経営としても、中長期的な計画で、これらの課題を解消しようと考えていることがわかりました。

そもそも0→1の機会は限られている


先日、タイミーを導入いただく、まさに0→1の現場に、朝4時に起きて向かいました。

これも、0→1という、パートナー企業にとっては何度も訪れることのない大事な機会だったため、特に考えることもなく、当たり前のように行動しました。

しかし、このような貴重な体験は、僕がメンバーに語り継ぐことはできても、パートナー企業のイメージに根強く残るのは「タイミーの導入時期は、竹内さんにフォローしてもらったね」という、ローンチやグロースを担当する者よりも深い関係構築が築かれます。

語り継いで、深い納得を得られることでもない、貴重な機会だと思い、実際に体験できる間は、自ら率先して行動したいと思いました。

明け方の事業所は神々しかった

まとめ


最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は、タイミーと10Xの事業開発やBizDev組織の課題から、超エンタープライズ企業とのパートナーシップの構築方法について触れてきました。

解決策として、「個人の能力開発がサービス導入の鍵となる」とありましたが、企業全体に広範な影響を及ぼす存在になるためには、事業機会を自ら取りに行き、肌触りを感じられる状態にする必要性を、強く感じることができました。

また、これは自己研鑽が必要であることも同時に理解し、相手の信頼を築く方法を考える機会にもなりました。

まさに型にはまらないもので、メンバー自身の洞察力やパートナー企業との関係構築力に依存する部分をどう解消するかを意識できるようになりました。

タイミーは11月1日に新しい期が始まりましたが、今期の個人テーマは「経験と学習」です。
どれだけ目的意識を持って取り組めるかが重要ですので、機会を創出し、よりプロフェッショナルな存在として活躍できるよう、今回の記事のテーマも解決していきたいと思います。おわり!

おまけ


私のガーデン 果てるまで♩


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