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道の流れの中での自転車

今回は機材から離れて…僕なりの自転車観で日本のルールを"守る"という概念が生む閉塞感と窒息しそうな圧迫感のある雰囲気について語ろうと思います。

所々、自転車から大分離れます。すみませんがお付き合い頂けると幸いです。

まずルールを守るって、他に言い方ある??って思う方が大多数かと思います。実はルールを守るって全員で共有しようとするのって日本だけなんです。外国では、ルールを扱い管理する立場にある人以外はルールに"従う"という言い方、考え方です。


ルールを"守る"とルールに"従う"ほとんど一緒じゃん?ほとんど一緒だけど違うんです。ルールに"従う"はルールに則った行動を取る。で終わりです。他人とかは関係なく自分の判断での行動です。

ですがルールを"守る"という表現になるとルールに則った行動を取る。に加えてルールを維持管理する。という側面も持ってきます。維持管理するという事は他人がルールに従っているかを監視するという側面も持ってくる。という事です。

この考え方のおかげで、海外に比べると日本は緊急時の混乱が小さい(東日本大震災あたりから事情が変わってきていますが)というとても大きなメリットがあるのは事実ですが…普段はなかなかどうしてクセモノなこのルールを"守る"という概念…。

1990年代くらいまでは良し悪しはあれど、なんとなく内輪の申し合わせで、法律には厳密には沿ってないけど、流れを壊さないやり方(交通であれば軽微な違反のもみ消しであったり、入札のある業界であれば談合であったり)が暗黙の中で存在することで、閉塞感が過剰にならない側面が確かにあったように感じます。

2000年代初頭くらいからアメリカからコンプライアンス(法令遵守)という言葉が日本にも本格的に英語で浸透し始めて…途端に閉塞感の強まりに歯止めが利かないような状況が始まったように感じます。

アメリカは元々が多民族国家で自分と他人は違って当たり前で文章化しないと行動の統制が全く取れないという事情から、コンプライアンス!と強く言ってギリギリみんなが同じ方向を向けるというレベルなのでいいですが…。

日本は元からルールを"守る"という位ある程度みんなが向いている方向が一緒な所に更に"コンプライアンス"と言ったら一言一句まで覚えていないと従えないレベルを全員に徹底する勢いに当然なります。

この流れ、スポーツ自転車においてはヘルメットの着用(大人は義務ではない)をしていないと、同じスポーツ自転車に乗っている他の人間からヘルメット被れよ!とどやされる。イヤホンは、市区町村の条例によって片耳は大丈夫な所も存在するようですが、(チャリのお巡りさんが片耳に無線して乗っている地域は大丈夫なはずです。)基本的には法律上アウトになります。

ですが、イヤホンで乗っているのが原因で相手に危険や危害を及ぼしてしまった場合は国や地域に関係なく、法律でダメなんだから!という怒られ方になりますが…相手には何の害も及ぼしていない段階から、ガンガン怒る人がいるのは日本だけです。

これだけだと、僕が法律なんて無視しましょう!という意図のようになってしまうので、早めに否定しておきます…積極的に無法をしようと言いたいわけではありません。

ただ、日本はみんな元からルールに従う姿勢が強いんだから、自分は自分の納得の基でルールに"従う"でよくない?という意図です。法律とか関係なく、他人を不快にさせたり、害悪を与える意図での行動は避けるべきって考えはある程度共有できているんだから…。ルールを"守る"のは警察や裁判所やその他の法律を扱う専門機関にお任せして、そうじゃない立場の人は他人の揚げ足は取らずに自分は自分、他人は他人で、もっと楽にいきましょうよ。

社会主義の相互監視体制ってこんな感じなんだろうなって疑似体験しているような気分なのは僕だけでしょうか?

極論、他人に悪影響を与えていない状態の他人をわざわざ糾弾したり断罪したりする権利は一般の人には無いと思うのですが。。。もちろん法律をはじめとしたルールを司る方々は別として。

いくら芸能人の方とはいえ週間誌が独断でLINEの内容を公にしてしまうというのは、どんな見方をしてもやり過ぎとしか言えないと思うのですが…。(日本の宗教的な倫理観が無い悪い面がモロに出てる)歯止めの利かない他人の揚げ足取りをしている間に、もっと自分を見つめた方が良いと思うのです。

自転車で言えば、他人の乗り方どうこう言う前に歩行者や変な自転車やクルマをカバーする動きや予測力をつけるのを他人をどうこう言う前にやっていれば良いと思うし、何より普通では有り得ない行動をしてくるであろう…という予測を立てられるレベルになると、ストリート(公道)は断然面白い。

何が起こるか解らない混沌は、管理されたイベントやサーキットエンデューロなどでは決して味わえません。同じ混沌をクルマやオートバイで楽しむには夜の高速や峠など、どうしてもステージが限定されますが、自転車は昼からそこら辺で混沌からくるスリルを味わえると考えれば、こんな面白い乗り物はないのに…。他人の揚げ足とってる暇があったら自分の予測能力を高める方法を考える方がはるかにやる事が多くて楽しいのに。

誰かに顕示するとか、プライベータで乗る以上考えるの止めよう。自分の能力が自分で上がったと感じる満足感をもっと重視しよう。これはきっと自転車に限らず全てに通じる気がするけど…自分を持って他人に接しよう。そうすればナンセンスな揚げ足とりしようなんて考えもしなくなる…はず。


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