自然の中で遊ぶとは？

第一回2021/7/17～7/18

カヤックって面白い

今回、自然環境リテラシー学の講座で初めてカヤックに乗った。乗る前までは、「上手に漕げるだろうか」「転覆しないだろうか」と不安な気持ちが7割、ワクワクした気持ちが3割であった。

いざ乗ってみると…！
思ったよりも早く操作に慣れ、漕ぐことに慣れれば慣れるほどさっきまでの不安な気持ちは吹き飛び、

「カヤックって楽しいー！」

体とカヤックとが一体となって水面近くを走り抜け、風を感じて進む感覚が初めての感覚で興奮が止まらず、楽しさやワクワクする気持ちが心のほとんどを占めるようになった。とはいえ、それほど漕ぐ際の体の動かし方が上手なわけではなく波が来た時などは転覆しそうな場面もあった。
ただ、それ以上にカヤックを漕いだ時の、自分が水面を走る生き物のようになった感覚はとても気持ちよく自然と笑みが溢れた。

僕は普段から釣りをしたり海や川で泳いだりと水辺で遊ぶことが多かったため、自然の景色の美しさは分かっていると思っていた。

しかしそれは思い込みであるとカヤックに気付かされた。

海海面近くから見る景色は、普段釣りをする際に防波堤や磯の上から見る景色とは異なった見え方で新鮮な気分になった。より一層海の広大さ、山々の美しさが際立ってみえたのが印象的である。
漕いだ時に受ける海風を感じることもでき、新たな海の美しさを感じられた貴重な体験となった。

2日目は1日目よりも沖合を漕いだ。
ここでも"新たな海"を知ることとなった。

この日は雨風が強く、漕いでいる中で不安な気持ちも多少生じた。

「なかなかうねりが強いなぁ」

漕いでいる時、僕はこのように感じた。
しかし、いざ上陸して海を見てみると...

「あれ？こんなもんなの？」

陸から見た波は大したことがなく、釣りをする分際には気にも留めない程度の波だったのである。
この時僕はびっくりした。今まで海面近くで波を感じたことがなかった僕にとって、"体で感じる"波と"目で見る"波の違いを初めて感じるいい経験となった。
この感覚もある意味"新たな海を知る"ことではないかと僕は思う。

このように、自然の中で過ごすと行く度に新たな視点で感じることが出来るといつも感じる。同じ場所でも行く度に違った表情を見せるのが自然の面白さであると再確認させられた実習となった。

話は逸れるが、実はこの実習の準備の際、釣具を用意していたのだ。

海に行って釣りせずにはいられない！

2日目の朝早起きしてライトタックルにクロー系のワームを用意する。遠浅の先のブレイクラインに投げボトムバンプで誘うこと数投...。

コツっ！

小さな当たりが竿先に伝わり、軽く合わせてあげてみると...

オオモンハタの赤ちゃんだぁ〜
食べるには小さすぎるサイズではあるが幸先がいい。

またしばらく数投すると、
コツっとまたまた小さい当たり。

合わせるも乗らない。
またもう一度小さい当たり。今度こそ...よし、乗った！

いざ合わせるとなかなかのいい引き。
牡蠣殻が散在していたので慎重に取り込むと、

65センチ程のアオヤガラ、中学生サイズ！

この後も投げるも反応がなく終了。
大満足の釣果では無かったが、30分ほどの釣果にしてはまずまずであった。

少し余談が長くなってしまった...本題に戻ろうと思う。

自然との付き合い方は？

自然の中で遊ぶにあたって忘れてはならないことがある。それは"街で遊ぶのとは異なる"ということである。

街で遊ぶ際、5分や10分の遅れは大きな影響を生まないことが殆どである。また、雨が降ってきても風が強くなっても大きな影響を及ぼすことはない。

しかし自然下に於いては異なる。海上や森の中での急な天気の急変は時に命取りになるということを忘れてはならない。
雨風が直接命を奪うには至らなくても、移動を阻まられ予定通りに進まない、食料に影響を与えるといった間接的に影響を及ぼすことは十分考えられる。

これは自然下で遊ぶということは楽しいだけでなく常に危険と隣り合わせであるということを示している。

上述したような危険は一見目には見えないかもしれない。しかし、五感全てで自然を感じることができればこれらの危険を防ぐことが可能になるのだ。

僕自身、今まで何度も海や川沿いで野宿をしたことがあるが、野宿を重ねる度に天候の変化に敏感になり対応することが出来るようになっていった。
しかし、恥ずかしながら僕は"五感で感じることの重要性"は今回の実習を通して初めて考えさせられた。

とはいえ、自然の中で遊ぶことに対して恐怖の念ばかりを抱く必要はないと僕は思う。自然は時に猛威を振るうが、美しいものであることに変わりはない。こうして自然に触れることは非常に良い経験になると僕は思う。

今回の実習を通して僕は"自然の中で遊ぶこと"について学ぶことができたと思う。ただ遊ぶだけではなく、天候の変化などを感じることが重要であり、それが出来れば命を守ることに繋がるだけでなく、新たな視点で自然を楽しむことができるのではないかと思った。

今後も自然の中で遊ぶ際には五感で自然を感じることを意識していこうと思う。