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PoppaとNannyと~ウェリントンに通って20年(8)

 Absolutely Positively Wellington
 私が初めてこの街に来たとき、市はこのような標語を掲げていた。正直にいうと、「活気がないなあ」というのがこの街の私の第一印象だったから、市がこういうメッセージを出すのももっともだったと思う。
 ウェリントン駅から町を見ると3つの道筋があり、出口から右側に進むと商店が並ぶLambton Quayという通りで、百貨店のFarmersや大手書店のWhitcoullsがあります。商店やホテルが並ぶFeatherstone Street、そして広めの自動車道、Custumhouse Quayである。最初の二つは先に合流してWillis Streetとなります。合流地点にはBNZタワーという高層ビルがあり(今は他の会社のものとなり、State Insurance Building)、ウェリントンののシンボル的存在です。この通りも商店が並び、途中Manners Streetを左に入り、飲食店や劇場が多い地域、Courtnay Place、あとこの手前で右にいくCuba Streetがあり、おもに飲食店が多くあります。
 ざっと街の中心を紹介しました。今、これらの地域をCBD(central business district)と呼ぶようになったのが、大きな変化だなと思います。昔は商売っ気がない店もありました。観光の街でもないのに、お土産屋が結構ありました。でも今は、通り沿いには見られなくなりました。コンビニができるようになり、スーパーの小型版も進出、さらに地元や海外のアウトドアブランドの店などもあり、活気が出てきています。一方最も古い百貨店がLambton Quayにはあったのですが、数年前、オーストラリアの百貨店が引き継ぐことになり、地元の人が別れを惜しんでいました。他にも消えた店もかなりあります。しっかりビジネスを考えないと、商売を続けていけないことを実感します。最近ではコロナの影響もあるでしょう。
 ウェリントンは平地が少なく、この中心街は埋め立て地が主になっています。そんな狭い中でも、街づくりを行い、便利で快適にしようとしてきました。道筋は変えずに、車の流れを変えたのです。先ほど出てきたManners Streetは昔から歩行者専用でManners Mallと呼ばれ、さらにCuba Street(ここも半分は歩行者専用)につながっていました。ここに歩道を作り、真ん中を自動車が通るようにしました。いずれ触れますが、一部路線で、架線から電気を取り入れるトロリーバスがありましたが、全廃し電気バスの導入が始まっています。道路から架線が消えました。
 また、海側の間で空いていた土地を公園化し、その先のOriental Bayという海岸沿いのエリアと合わせ、市民の憩いの場にしています。小さいけど砂浜があり、そこに砂を入れ整備しています。
 日本では、再開発計画があちこちでありますが、そんな大掛かりでなくても、少しずつ工夫していけば、結構心地よい街になると思うのです。
 ウェリントンにはもちろん、商売がシビアになってきても、ずっと続いている飲食店が多くあります。今度行ったら、コロナ禍後だけに、応援の意味を込めて、そのようなところに行ってみたいと思います。
 ウェリントンは今も Absolutely Positively Wellingtonな感じがします。

 

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