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僕の0泊東京夜行トリップ

店の営業を終え、閉め作業をして帰宅したのが午後8時。
晩ご飯を食べ、風呂に入り、身支度を整えて、JR奈良駅へ。
僕は今夜、夜行バスに乗って東京に行く。そして、明日の夜行バスに乗ってまた、この場所へ帰ってくる。0泊(夜行バス2泊)1日の東京出張である。


7月後半から8月は、僕たちのような飲食店にとっては割と閑散期に入る。
観光地でもなければ、人口もそう多くないこれらの地域は、主婦のママ友ランチでのご利用がかなり多くの部分を占めるため、学校が夏休みの期間はランチタイムのお客様が減少するのが慣習である。
そのため多くの飲食店はこの時期に長めの夏休みをとったり、勉強会に参加したりと「アウトプット」よりも「インプット」に力を注ぐ。

例にもれず僕も、7月に入り食品メーカーの展示会に参加したり、同業者と交流会という名の飲みに会行ったりしている。
中でも今年はオリジナルのソフトクリームの販売を決意。関西中の気になるソフトクリームを食べ歩きした。ソフトクリームひとつ食べるためだけに、和歌山・三重・・京都・兵庫と走った。

今回の東京行きは突然決まった。コーヒー豆の焙煎の勉強会である。
実はこの勉強会、オンラインでの開催のつもりで申し込んだのだ。7月後半から8月の日曜日、すべてスケジュールが埋まっていたのだが、7月30日だけは空いていた。運命的なものを感じ、即申し込み。そしてそれが、東京開催の勉強会だったことに気づいたのは、申し込みからすでに数日過ぎた後だった。

ちなみにだが、僕は夜行バスが得意だ。夜行バスが得意とは。
ぐっすりと快適に睡眠がとれることを指す。
さて、僕の弾丸0泊東京トリップの始まりである。


THEモーニングって感じ。

早朝に着いたバス。グットモーニング、東京。
初めて入る喫茶店でTOKYOマダムに囲まれながらモーニングを頂く。
午前中はこの旅の一番の目的であるコーヒー焙煎の勉強会へ。
コーヒーの焙煎に関しては、募る思いが熱く煮えたぎっているので、また別の機会に書こうと思っていますので、ファンチャーナのコーヒー好きの方は今しばらく続報をお待ちください。

コーヒーの焙煎をいつかこの手で

さて、勉強会を終えた僕は、ここからDESIGN SETTA SANGOの社長として動けるだけ動く。
酷暑の中、新橋にある「奈良まほろば館」向かった。
奈良県の特産品や県産食材が並び、カフェレストラン併設している。この日は奈良県で名物となりつつあるかき氷のイベントも開催されていて、暑いながらもお客様の活気を感じられた。

新橋にある奈良まほろば館

肝心の僕らのSETTAは、正直に書くと、残念な展示だった。
手に取りづらい隅の方で、どのメーカーの履物なのか分かりづらい、価格帯も統一感のない売り場だった。
雪駄はどのメーカーのものであっても、夏が売り時だ。今、目立つ位置になくて、いつ売れるというのか。夏でなければどんなに隅っこでも構わない。夏は、そこじゃない。
言いたいことは多々あったが、この売り場の配置は先日まほろば館を訪れた奈良県知事のご意向が大いに反映されているとの事だったので、さらに悶々とした気持ちを抱えたまま、奈良まほろば館を後にした。

渋谷ヒカリエ d47 design travel store

続いて訪れたのは渋谷。
渋谷ヒカリエにある「d47 design travel store」。こちらはD&DEPARTMENTが手掛ける47都道府県の物産品を販売、ワークショップなども行っているショップだ。
もう5年以上前からうちのSETTAを取り扱って下さっている。こちらは夏という事で、今の時期はかなり目立つ位置に展示してお勧めしてくださっているのがわかる売り場だった。今後の新たな展開・企画についても打ち合わせできた。

自分たちの店以外で販売して頂くときに感じるのはやはり、売り場のスタッフの熱意、である。
担当者の方やスタッフ人たちがどのくらい情熱をもって、うちの商品を理解しお勧めして下さるかによって、売上は大きく変わる。もちろん、自分たちが全部の地に赴き、接客できればいいのだがそうもいかない現状で、どのように商品の魅力をお店の方たちと共有できるかは、これからもずっと大きな課題となってくる。
どんなに優れた商品であろうとも、最後は「人」なのだ。


0泊東京トリップも最後。高円寺に。
ここには僕の敬愛するご夫婦がいる。空手家の安廣一哉さんと奥様のりえさん。お二人と高円寺で晩ご飯をご一緒させて頂いた。
暑い中歩き回った1日だったので、ビールの美味しいこと。

安廣ご夫婦。SETTAがかっこいい!

安廣さんは空手の正道会館「K-1」のミドル級の選手。輝かしい戦歴をもつ格闘家。
このご夫婦が僕のことを「ほっしー」と呼ぶのには訳があって。
実は奥様のりえさんとは、前職のサラリーマンだったころの同僚なのである。僕は親しみを込めてサラリーマン時代からの呼び名「よこちゃん」で通している。彼女もまた会社員という立場から自分のやりたい事に向かって飛び出し、チャレンジした人。このご夫婦にSETTAをブランディングしている姿勢に共感してもらい、愛用してくれていることは、ただ嬉しい気持ちのみならず、頑張って続けていける励みになっている。

楽しい時間はあっという間で、危うく帰りの夜行バスに乗り遅れてしまいそうになるほどだった。
バスに揺られ、僕は相変わらず、眠気に身を任せたままうつらうつらと眠りに入る。


うっかり東京に行くことになったが、思った通りインプットに満ちた1日となった。

歩く人の流れやスピード、どんな店に人が入り、どんな人が何を求めているのか。或いは、どんな場所が僕の五感を刺激してくれるのか。奈良にいても見えない「流れ」を感じることが出来た。もちろん、その流れのすべてに乗るわけではない。
大きくうねり、目にもとまらぬ速さで消費されるものを、僕は追いかけたりしない。ファンチャーナやDESIGN SETTAやブレッドオブフレッシュエアにとって、必要なものを汲み上げる。
必要なもの、カッコいいもの(色んな意味でね)を見極めるセンスこそ、僕の社長としての武器であり、15年商売を続けてこられた要因であろう。

来週の定休日は家族旅行に行ってきます!

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