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好き、が私を元気にする。

ここ1ヶ月半、思考回路はショート寸前な忙しさと落ち込むことがあって、書くのをサボってたnote。
ようやく再開。
ネタは前から決めていて、大好きなカメラのこと。
落ち込んだ時に自分を元気付けてくれるのって、誰かの明るい話題。可愛いペットの動画とか、感動的な親子のエピソードとか、いわゆる推し活とか。
だから私も自分と、ほんの少しの誰かを、元気にするために「好きなもの」の話を書いてみる。
奇想天外なエピソードはないけど、ほっこりして帰って下さい。

DESIGN SETTA SANGOの宣材写真

私が撮るのは3つ。カフェと雪駄と我が子。
だから素晴らしい山脈や、カッコいいビル群や、繊細な花なんかは、逆立ちしても良く撮る事は出来ない。
カメラの知識に乏しく、まして人様から依頼されてお金を頂いて撮影するなんて力量は持ち合わせていない。

一眼レフカメラを初めて購入したのは19歳の時。まだデジタル一眼は高額で、大学生の私には手が届かなかったので、今は懐かしいフィルムの一眼レフだった。
20年前はデジタルの写りも今みたいに繊細じゃなくて、いかにも「デジタルですねん」みたいなザラつきやのっぺり感があって、どうしても好きになれなかったのもフィルムカメラを選んだ理由だった。

フィルムカメラで撮った写真は現像プリントするまで確認出来ないので、なかなか上達しない。
さらに現像するたびにお金が掛かり、いつもバイトしてるのにいつも金欠だったあの頃。
でも、写真を撮るのはとても楽しかった。

例えば絵画や習字、楽器演奏やスポーツなど、なんでも練習を重ねて努力を積まないと上手になれないもので溢れる世の中で、写真は、素人の無知な人でも奇跡的に素晴らしい写真を撮れる瞬間がある可能性のある一攫千金、博打みたいな存在だった(個人の見解です)。
たまたま押したシャッターが、思いもよらない出来になることもあって、それが癖になった。
ようするに、怠け者のわたしにちょうど良いアイテムだったのだ。

葡萄の白ワインコンポート。自作。

Instagramがこんなに浸透するなんて想像もしていなかったが、今となっては仕事に欠かせない武器を、知らず知らずに手にしていた訳だ。ラッキー。
飽き性の私には珍しく20年も続けているから、自然と必要最低限の知識は身についた。
愛用のデジタル一眼レフも、撮りたい写真によって3つもレンズ使い分けるようになった。

でも良い写真を撮れるコツって、私の中ではたったひとつ。
対象物に恋することだ。
恋に落ちたら、それだけで良い写真は撮れる。

時にカフェラテ、時に雪駄、時に女性でも男性でも、ケーキでもパンでも、レンズを構えている間は恋をしている。
恋する事が出来なければ、納得のいく1枚を撮ることは出来ない。

a bread of fresh airのパン

このパンの写真が良い写真かどうかの評価は、専門家の方にお任せしましょう。
私はこのパンを撮っている間、このパンに恋をしていた。
このパンの魅力はどこにあって、どの角度からどんな明るさで撮ればいいか、好きじゃないと分からない。

ちなみにこの写真を撮っている時の私は、とても魅力的なボディの女性が大きく胸元が開いたシャツを着ていて、そこから溢れ出るおっぱいの色っぽさを捉えているのと同じ感覚で撮っている。

そしてシャッターを切る瞬間はいつも息をするのを忘れるので、ずっとシャッターを押していると段々、小走りしたくらいの息切れになる。
呼吸する間もないくらい、恋に落ちる。

言語を習得するときに、覚えたい言語の恋人を作ると早くマスター出来るのと同じ原理だと、勝手に思っている。

もしくはどんな凄腕カメラマンよりも、親が撮る我が子の笑顔が1番かわいく写るのと同じ法則だと信じている。

注がれている牛乳に恋している写真

きっかけは、高校生の時だった。
仲の良い友達がアイドルを目指していた。いや、むしろすでにちょっとした地元アイドル活動をしている子だった。
その子の写真を撮るのがとても好きだった。
いかに彼女が可愛く見えるか、彼女の可愛さがより鮮明になるか。
当時、携帯電話に初めてカメラ機能がついた頃だった。画像の粗い携帯カメラと、使い切りインスタントカメラを持って、公園のブランコや日当たりのいいビルの階段なんかで、沢山写真を撮った。
それによって彼女のファンが増えると思うとワクワクした。

私のカメラワークはこの頃から変わっていないのだ。

最近は娘とインスタントカメラにハマっている

もっと自由に、もっと上手く撮りたいと思う日もあるけれど、私は忙しい。
バイク(中型)に乗るのも好きだし、三国志も好きだし、子どもも大好きだし、漫画も好きで、音楽や映画も好き。そして仕事も好き。

好きな人や物が多過ぎて
見放されてしまいそうだ
虚勢を張る気は無いのだけれど
取り分け怖いこと等ない
「月に負け犬」椎名林檎 

いつもこの歌詞を想う。私の中には好きが溢れてて、いつか手のひらから溢れて落ちていくかもしれないけれど、それでもいいから、好きでいたい。

今もただただ一攫千金を狙って、毎日毎日、何かに恋してカメラを構える。

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