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政治運動は「見られるもの」である

 長くフェミニストのアライをやっているとわかる事がある。フェミニストになっている人のほとんどが性被害・DV、家庭内虐待、つまり、男性からの何らかの被害に遭った人たちだということを。それゆえ、根底に「男性不信」「男性嫌悪」を抱えていて、人によっては「男性憎悪」を抱いている。これらのことにおいては全て男性が100%悪いのであって、男性がそれらについて何かを言う資格はない。加害属性が「俺たちを憎むな、嫌うな」なんて言えるはずがない。言うべき事、すべきことはそれら全てを無くしていくために出来ることをやっていくことだ。
 
 だが……そんなフェミニストの彼女らも、だからと言って何を言っても、何をしてもいいわけではない。法律は守らねばならないし、公序良俗、社会規範も守らねばならない。まして、SNSで何かを発信するなら、読まれること、自分がフェミニストを名乗っている事は必ず考えておかなければいけない。さらに言うと、具体的に政治運動を行い、街宣やマスメディアの媒体で発信するならば、言動は慎重に行い、支持、賛同を増やすことを目指さなければならない。なのに、今私が目にしているGCF(Gender-Critical Feminist ジェンダーイデオロギー、トランスジェンダリズムに批判的なフェミニストの事)の言動は、正直見ていられないレベルになっている。はっきり言うと差別発言をしてしまっている。これはTRAに付け入る隙を与えてしまうし、何より差別は絶対にしてはいけないことなので、直ちにやめてほしい。具体的に書くと、GID特例法を廃止して、性別変更禁止法を制定しようという主張は、性別違和を持つGIDの人たちの尊厳と権利を根こそぎ奪い取ってしまうもので、差別以外の何物でもない。ちなみに、人権思想における差別とは、人種・女子差別撤廃条約一条に定義があり、「〇〇←属性名、人種、性別など の権利の制限もしくは排除、優先である」となっている。今すぐにGID差別をやめてほしい。

 SNSでの発信のみならず、街宣やマスメディアの出演までしている人たちは、自分たちが「見られている、ジャッジされている、支持に値するか判断されている」という自覚を持ってほしい。何でも好き放題言っていれば支持者が増える、などということはない。正しい原理原則を言っているだけだ、女性を守りたいだけだ、と思っているかもしれない。しかし、自明な事を他者が共有してくれる保証はどこにもない。だからこそ丁寧な説明が必要だし、理解しあえなかったとしても攻撃をする必要もない。また、誰かを攻撃している時の言い回しや内容も見られている事も強く自覚しておいてほしい。LINEグループの中で身内だけに話しているのとは違うのだと。

とにかく最後にもう一度強調したい。

政治運動は「見られるもの」である。

しっかりと考えてほしい。

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