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続・令和五年末に自民党に何が起こっているのか

 前回自民党の安倍派に検察がメスを入れ、政治資金の問題で安倍派議員の裏金問題について捜査をしている事について書いた。私はこの時、検察と安倍派の、というか安倍晋三との確執を軽く考えていたので、親米の安倍派、清和研究会がどうしてターゲットになったのだろう、といぶかしんでいたが、幾つかの記事、例えばこういうものを読んで大いに考えが変わった。

 記事を読んでもらえば分かるが、検察の人事という「聖域」にまで安倍元総理は手を突っ込んだ。三権分立も何もあったものではない。私たちの予想以上に検察は怒り心頭だったのだろう。2020年に出された意見書にはこう書いてある。

3 本年2月13日衆議院本会議で、安倍晋三総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。

 時代背景は異なるが17世紀の高名な政治思想家ジョン・ロックはその著「政治二論」(加藤節訳、岩波文庫)の中で「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。

検事総長や検事長らの定年延長を可能にする検察庁法改正案に反対する意見書より

 絶対王政、ルイ14世、ジョン・ロック……。18世紀のフランス革命前後の登場人物の言葉が、まさしく中世から亡霊のように現れた、という感じだ。ここまで元検察総長らが書いたのは相当の怒りや懸念があったのだろう。そして、安倍元総理が暗殺された翌年にこれである。

 容赦なく徹底的にやるつもりなのだろう。もう、実際に逮捕されるどうの以前に、安倍派、清和研究会、通称清和会は終わった。解散あるのみだろう。これから先、自民党内での勢力地図は相当変わっていく。99人を擁する最大派閥が消滅した後、何がどうなるのか。創価学会の池田大作も亡くなり、公明党がどうなっていくのかも分からない。岸田内閣の支持率もとんでもないことになっている。

来年、令和6年は日本の政界、永田町はまさしく激動の一年を迎えることになるだろう。野党、特に立憲民主党は今こそ存在感を示せ。政治資金規正法を更に強化した内容とする法案を提出し、裏金を作れないようにして、政治とカネを徹底的にクリーンにすると強く訴えるのだ。国民の生活は物価高などで苦しくなっている。こんな時に政治家だけが裏金でウヒャウヒャしているなどとんでもない、と訴えれば支持を得られるはずだ、頑張ってほしいと思う。

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