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コーヒーの朝

もうこれで何年くらいになるのかな。コーヒーを飲み始めたのが18才くらいから、味を意識して飲むようになったのが人並みに20才くらいだとして、もう 50年にもなるかな。でも今覚えている感慨はそういうことではなくて、AeroPress(アエロプレス)というコーヒーを淹れる器具のことです。これがその写真。というか、Aeropressの一部だけですが。

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これはちょっと変わったもので、言ってみれば大きな注射器。その筒状のボディにまずコーヒーの粉を入れて、コーヒー カップの上に据えてからお湯を注ぎます。それをプランジャーでギューッと押さえつけて下のカップでコーヒーを受けるという、これだけの操作でコーヒーを淹れるのです。

これだけの道具でこれだけの操作、使い始めてからもう 15年くらいになるでしょうか。調べてみるとこの器具が発表されたのが 2005年 11月だそうですから、そのごく初期から使ってきたことになります。15年間ほぼ毎日使っていれば摩耗してしまいそうなものですが、確かに摩耗してきているものの実用には問題なく、しかし実用に問題ないといっても老いてきた印象があります。それは(よく今まで頑張ってきてくれたなぁ)という感慨であり、(そろそろ引退してゆっくり休んでもらおうか)といういたわりの気持ちであり、(これまで長いことありがとうございました)という感謝の心です。そういう気持ちをもって少し傷んだ本体の部分だけを買い替えました。プリントの文字が赤色に変わっていますね。

AeroPressに関してはウェブサイトがありますし、にいろいろな人が書いていたり、YouTubeに映像があったりしますので興味があったら覗いてみてください。ただ僕がここで書いておきたいのは、AeroPressは自由度が大きいということ。コーヒーを淹れる方法は他にもいろいろありますが、AeroPressほど自分で決めることができる要素が多いものはないだろうと思っています。それはお湯の温度であり、お湯にコーヒーを浸けておく時間の長さであり、抽出に掛ける圧力の強さであり、あるいはまたこうやって抽出したエスプレッソ コーヒーに注ぐお湯の量の加減であり、ここまで自由度の高いコーヒー メーカーはほかにはないだろうと思います。コーヒーの豆に対するこだわりと合わせて、僕は AeroPressにこだわってきました。コーヒーを大切に思うから、朝のコーヒーではなく、コーヒーの朝。


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