山岡 潤一

慶應義塾大学 専任講師(KMD), デジタルハリウッド大 非常勤講師, 東京大学 客員…

山岡 潤一

慶應義塾大学 専任講師(KMD), デジタルハリウッド大 非常勤講師, 東京大学 客員研究員。博士(政策・メディア)。Future Crafts Project主宰。研究者、メディアアーティスト。 https://www.junichiyamaoka.net/

最近の記事

自由に形の変わる流体、磁性流体 - マテリアルとデザイン

慶応大学KMDの山岡です。専任講師としてFuture Craftsというグループを主宰し、新しいものづくりのテクノロジーの研究開発やメディアアートに取り組んでます。このnoteでは、世の中にある色々な素材の面白い性質や使い方などを解説してます。 磁性流体 磁性流体は、磁性のある流体です。磁石に吸い寄せられるような振る舞いをする液体ですね。作品の素材としても利用されるので見たことある方もいるのではないでしょうか。これは児玉幸子さんが制作したMorpho Towersです。磁力

    • 遠隔でデジタルファブリケーションと電子工作の授業をやってみた。

      慶応大学KMDの山岡です。専任講師としてFuture Craftsというグループを主宰し、新しいものづくりのテクノロジーの研究開発やメディアアートに取り組んでます。 4月から新しく着任したのですが、いきなりこういう遠隔授業前提のイレギュラーなスタートになりました。そして、さっそく授業を持つことになったのですが、それも遠隔でデジタルファブリケーションと電子工作というモノづくりを教えるという極めてハードな内容。 通常は大学のキャンパスの工房に学生皆集まって、モノに触れながら手

      • 暗闇で鮮やかに光る蛍光素材 - マテリアルとデザイン

        慶応大学KMDの山岡です。専任講師としてFuture Craftsというグループを主宰し、新しいものづくりのテクノロジーの研究開発やメディアアートに取り組んでます。 僕の活動のアプローチは、世の中にある色々なマテリアル(素材)をよく観察して、実際に触れてみながら対話をして、研究や作品に昇華してます。その素材の観察の仕方や、ハックするノウハウ、そもそもどういった新素材があるのか、といったことを学生向けにシェアしようと思ったのですが、世の中のデザイナーやアーティストにも有益かな

        • マテリアルとものづくりの未来を考える研究グループ、Future Crafts Projectを立ち上げました

          私、山岡は、今年4月より慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科 KMD の専任講師に着任しました。着任してからも、こういう状況ですから、遠隔で授業を行ったりしていましたが、その中で今月より、KMDの中に新しくFuture Craftsというリアルプロジェクトを立ち上げました。 リアルプロジェクトというのは、大学でいうところの研究会と同じような立ち位置で、学生や企業とともに社会との接点を持ちながらプロジェクトを進めていくような感じです。いわゆる研究主宰者(PI)として、皆

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          なんでもリモートワークの流れの中で、これから必要なテクノロジーとは

          ※内容的にはYoutube配信している番組とほとんど同じなのでそちらを見てもらってもいいです。テッカル #1 リモートワークの未来!03.25.20 新型コロナウィルスの影響で、日々の生活、日常的な業務を進めるが中々難しい状況が続いている。私もメインの業務は研究者であるが、会議は基本的にZOOMなどを利用したオンライン会議に移行している。ボストンの知人の研究者はラボが使用できなくなり、機材を自宅に移動させて研究しているという。これがいつまで続くかわからないが、こんな状況の中

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          台風の後で自給自足の未来について考える

          先日の台風19号襲来の前後、スーパーに行けば、多くの食料品は棚から消えてしまっていた。 日常生活でいかに食料があるのが当たり前だったのか。 お腹が空き、コンビニに行けば、食べ物はあたりまえのようにそこにあり、手に入れることができる。 これが日常であると思い込んでいたところがあったのかもしれない。 少し前から現代の自給自足について考えている。こういった状況からさらに悪い状況になった時、我々は生きていけるのだろうか。 それで家庭の中で、食品の生産、加工、消費、再利用まで、テクノ

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          デザイン・設計ってコンピュータに任せるようになるの? | 新しいものづくりの未来

          最近、街なかを歩いていると、明らかに人が設計するには難しいような見た目の建物が増えていないだろうか。例えば、ザハ・ハディド氏が提案していた新国立競技場の案も、コンピュータが設計した形が反映されている。そう、最近は、設計も機械が行うようになってきたのである。 前回までは、機械による立体物の造形速度の向上が、人の手作業を遥かに超えているという話で終えた。では設計の工程では、人の役割は完全になくなっているのだろうか。加工の前段階、発想や設計といったフェーズでは、まだ人が行う作業が残

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          最先端の高速製造技術に人は勝てるのか | 新しいものづくりの未来

          前回では、現在普及している加工技術と手作業の比較を行い、機械による造形速度は驚くべき速さになり、もはや手動である必要は無いように感じた。さて、最先端の研究では、高速化を目指しているのか、そこに限界はあるのか、どうなのか。やはり日々発表される研究成果でも、立体物を作る際の造形速度を向上させることはとてもホットなテーマである。 超高速3D造形現時点での最高速造形技術は、Shusteffらの研究ではないだろうか。これは光によって硬化する液体樹脂に向けて、レーザーを三方向から照射す

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          ものづくりは機械に奪われるのか。 製造技術の高速化 | 新しいものづくりの未来

          東京大学で特任助教の山岡潤一です。 大学では、デジタルファブリケーションつまり3Dプリンタなどの未来のデジタル工作機械に関する研究をしています。今回は、研究中に考えていた、昨今人工知能などが注目されていて、はたしてものづくり的な視点から人間の仕事は無くなってしまうのか、未来のものづくりはどうなってしまうかなどの思考をまとめていこうかなと思います。まとめの延長に、人と機械の関係性、将来の人の役割について、推察出来たら良いなと思います。 人工知能とものづくり多くのメディアでも取

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          安全な作品を作るには:体験型作品展示の安全管理チェックリスト

          学生や作家の方、展示などで体験型の作品を制作方々向けの、危険な所や使い方はないかという安全管理のチェックリストです。安全管理と言いつつ、展示全般のノウハウなども入ってます。博物館の設営マニュアル、遊具や玩具の安全チェック、作成者の経験などからこのリストは作られています。 これを守れば安全ということはなく、火気を伴ったり、大型の構造物等は、消防法や建築法なども関わると思いますので、専門家の方に相談してください。このチェックリストは目安にしてください。 また追記情報や補足などもあ

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          誰かのために手作りしたモノが凶器にならないために : DIYにおける安全管理

          先月、父親が作った手作りだんじり(祭りなどに使う乗り物)が横転して子供が亡くなった事故が起きてしまった。まだ原因を調査中なので、どういう状況だったか分からない。記事によると台車に木枠を取り付けて、走っていた所、横転して事故が起きたらしい。固定方法や乗り方などの問題もあるだろう。 ただ、ものづくりやDIYに関わるものとしては、誰かのために作ったものが、その人を傷つけてしまう道具になるのは、とても悲しい。最初は誰かが喜ぶだろうと思って作ったものが、最終的にその人を傷つけてしまう

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          ものづくりの未来に関する研究成果を海外で発表して気づいたこと、2017年振り返り

          年の瀬なので、2017年を振り返ると、色々とデジタルファブリケーションに関する発明して、特に海外で発表した年でした。 Denverで開催されたCHI では、ピンディスプレイとバキュームフォームを組み合わせて高速かつ再利用可能な2.5Dプリンターを発表しました。 LAで開催されたSIGGRAPHでは、これと回路印刷を組み合わせたツール ActMoldのワークショップ展示をしてきました。 オーストリアのLinzで開催されたArs Electronicaでは、展示会全体のテー

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