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無人島に違法薬物を持っていこう

無人島に1つだけ持っていけるなら、あなたは何を持っていきますか?

ライター?
ナイフ?
ろ過器?

私はもちろん違法薬物。

無人島で行うべきタスクは一般的に水分確保、食料確保、火の確保、脱出or救助の4つだろう。
大抵の場合二兎を追う者は一兎をも得ないが、違法薬物の場合は一石四鳥。大体なんとかなります。

…………
………

まず無人島についたら一発キメる。白昼堂々、お天道様にみられながらキメるのはたまらない快感だ。きっと空も飛べるはず。
無人島に1人。普通なら耐え難い孤独と不安が襲ってくるだろうが、キメることでスタートダッシュ。気分は上々(下々系でもok)

不安を払拭したら人間ってもんは腹が減ってくる。
違法薬物での食料調達といったら薬物釣り。魚を中毒にさせて釣ればいい。ただそれだけ。
とった魚は手で捌けばいいし、とれなかったらキメて飛べばいい。魚を食べようとする頃にふと気付くだろう、その尋常じゃない汗と気分の悪さに。
そうこの汗こそが貴重な水分。溢れ出るシャブ汗を衣類で吸って薬物袋に入れればもうCRYSTAL GEYSER。そこはユートピア。気分はカリフォルニア。
おいおい火がないじゃないかと思った愚鈍の衆もいるだろう。
落ち着いてほしい。起こせるから。
薬物袋に入った汗、こいつは飲水だけでなく先端に入れて袋を絞ることで球体のレンズになる。
レンズ+太陽光=ファイヤー
流木を燃やせ!!

この様に違法薬物があれば充足感を得ながら生きながらえることが可能だ。
だが1週間も無人島にいれば奴らが来るだろう。
そう、よゐこだ。
よゐこはこれまで数々の無人島を荒らしてきた。その様は現代の海賊。
こちらが1つの道具しか持ってこれないのに対し、よゐこは調理道具やモリ、建築道具まで持っている。しかも2人組。
ただこの島の主である私には違法薬物がある。これを使えば狂犬よゐこを飼い慣らすこともできるだろう。よゐこに違法薬物を少量渡せばきびだんごが如し効力でよゐこは傘下に加わる。
世が世なら大悪党だがここは無人島。よゐこを迎えに来るテレビクルーを待ってる間、島の王として好き勝手暴れよう。

しかし現実はそう甘くない。
よゐこを舐めてはいけない。あの2人の凶暴性。知能と力の二重奏。シュールコントのパイオニア。
悠長によゐこの前で眠ってしまった私は違法薬物を奪われ、身ぐるみを剥がされ、首輪をつけられる。
起きた私に濱口はきっと「お前は今日からしゃくれや」というだろう。
そこからは酷い生活だ。
よゐこの奴隷として海でのモリ突きや仮小屋の建築、なんの意味もない大量の穴掘りをやらされ、少しでも気に入らないことがあればちねられる。
夜もふけ、薬物の禁断症状で朦朧とし、ちねられすぎて傷だらけの私を、熱した油へダイブさせていたよゐこの2人がふとこんなことを言い始める。

有野「俺な、この島にな、宝埋めようおもてんねん」
濱口「ほんまか!有野ほんまか!」
有野「並の宝よりよっぽど価値あるんちゃうかなぁ」
濱口「ほんまか!有野ほんまか!!」
有野「人の命って尊いからなぁ」
有野「お前、この島の伝説にしたるよ」
有野「とびっきりの黄金伝説にな…」

ニヤけながら、疲弊しやせ細った私を穴に落とす有野。そこに砂をかけていく濱口。
もうだめなのか?このまま終わるのか?

誰か…助けて…
か細い声で呟く私を笑いながら埋めていくよゐこ。
口に砂が入る。もう肩まで埋められ、身体はピクリとも動かない。夜空に浮かぶ月に願う。来世は鳥になりたい。綺麗な鳥に。

「諦めちゃダメよ!」

無人島に響く高い声、驚く私、慄くよゐこ。
こ、この声は…
もしかして…

「月に変わってお仕置きよ!!」

セーラームーンだ!!

「ムーン・プリンセス・ハーレーション!!」

…………
………

それからのことはあまり覚えていない。目覚めた私はいつもの様に、汚い部屋で気怠い朝を迎えた。

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ゴメンね 素直じゃなくて

夢の中なら云える

思考回路はショート寸前

今すぐ 会いたいよ


泣きたくなるよな moonlight

電話も出来ない midnight

だって純情 どうしよう

ハートは万華鏡


月の光に 導かれ

何度も 巡り会う

星座の瞬き数え 占う恋の行方

同じ地球に生まれたの ミラクル・ロマンス


も一度 ふたりで weekend

神様 かなえて happy-end

現在・過去・未来も

あなたに首ったけ


出会った時の 懐かしい

まなざし 忘れない

幾千万の星から あなたを見つけられる

偶然もチャンスに換える 生き方が好きよ

不思議な奇跡クロスして

何度も 巡り会う

星座の瞬き数え 占う恋の行方

同じ地球に生まれたの ミラクル・ロマンス

信じているの ミラクル・ロマンス

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