PMによる新規事業の立ち上げとユーザーインタビューの学び
Nstockで金融事業のプロダクトマネージャーやってます、さとじゅんです。
年末なので今年を振り返るnoteを書こうと思います。
この半年間の動きとしては、わたしは新規事業の仮説検証をひたすらしていました。よかったら下記のnoteに詳細は記載してあるので、ご一読ください。
立ち上げの過程の中で、お客さまの声に耳を傾ける機会を意識的に増やしてきたのですが、自分自身、ユーザーインタビューについては知識も、自信もそこまであるわけではなく、たまにTwitterやnoteで流れてくるUXリサーチ関連の記事を気が向いた時に読む程度でした。
そんなわたしが半年間で50件以上のインタビューをさせていただく中で学んだことですので、リサーチについて詳しい方でしたらこのnoteはすでに知っていることであり、あまりおもしろくないかもしれません。
ただ、せっかく学んだことなので、年末ですしアウトプットしていこうと思います!
はじめに
新規で立ち上げる事業については、金融に関する事業をする方向性は決まっていたものの、詳細が決まっていない状態でした。
初めにやったことは、お客さまの抱える課題と、ビジネスの機会(市場)と、自社の強みと、会社のミッションとの交点をみつけることでした。
1. 仮説をつくる
まずはチーム内で事業の方向性についてラフに議論していきました。
自社の強みを生かしてどんなことができのか、どんなマーケットを狙っていくべきか、どんな課題があるのか、それらを実現できたらどんなワクワクする事業になりえるのかなどなど議論していきました。
ワイワイしながらあーでもない、こーでもないと議論を深めていき、「なんとなく、このへんかな」という領域を特定。それが実現できた時にどんなことが実現できるのかのストーリーもざっくり作り、メンバー間で認識を合わせていきました。
2. 仮説を検証していく
議論を経て作られた仮説をベースにインタビューをしていきました。
余談ですが、解像度について最近、馬田さんの本が出まして勉強になりすぎる内容でしたので、こちら超おすすめです。
インタビューを実施するにあたり、意識したことは大きく3つ
自分たちが考える仮説が成り立つか検証すること
お客さまが抱える課題について置かれている状況含め解像度を上げること
課題の深さ x 課題の広さ で解くべき課題を見極めること
いわゆるバーニングニーズがらどこにあるのかを探ってきました。
3. インタビューの設計をする
インタビューをする前に、インタビューで得たいことをまとめていきました。
インタビューをなぜやるのか、どんな仮説を検証したいのか、どんな質問をするのかをまとめていきます。
これの良いポイントとしては、どんな背景があるのかを記載することで、あとから振り返ることができること、どんな仮説があってやっているのか整理してからインタビューできることが挙げられると思います
わたしは調査企画書というのを作っています。
FMTとしてはこんな感じです。
インタビューを行う背景
明らかにしたい仮説
インタビュー対象の定義
インタビュー項目
↑はメルペイでご一緒させていただいたmihozonoさんの本を読み、本の中にある調査企画書をカスタマイズして作成しました。
すばらしい書籍をありがとうございます!
最後にインタビューの項目についてはメンバーとも相談しながら考え、ストーリー、時間配分のイメージなどを決めていきました。
4. インタビューのお願いをする
次にインタビューを受けていただきたい方にお願いをしていきます。
どんなペルソナの方のお話を聞きたいのかをざっくりとまとめてイメージを可視化してから、実際にインタビューを受けていただけないか相談していきます。
Nstockではまだリリースしているサービスが1つもないため、例えばリリース済みのプロダクトの中から依頼の告知を出すことはできませんし、営業チームもないため、営業の方経由で依頼することもできません
そのため、自分やメンバーの知り合いに頼んでお願いをしたり、Twitterで募集するなどしてきました。
(改めてですが、インタビューを快諾してくださったみなさま本当にありがとうございました。貴重なお時間をいただき大変重要なインサイトが多く見つかりました。)
5. インタビューをする
インタビューはこちらは2名で、1名が進行し、1名が議事録を書くことが多いです。
インタビューをしていく時のTIPSはさまざまなnoteや書籍で書かれていると思いますが、改めて私は下記の3点が学びでした。
事実を問うこと
新しいサービスを作っていきたいので、どうしても「将来こうだったらどう?」という趣旨の話をしたくなりますが、よく言う、「車がない時代に、早く移動する手段として人はもっと早い馬がほしいと言っていた」みたいな話で、未来の話をしてもよくわかりません。
基本的には過去の事実を深く掘り下げていき、その意思決定にいたった思考プロセスや感情を追体験していくという点にフォーカスをしていきました。
誘導尋問しないこと
これがすごく難しかったです。回数を重ねる中で思考のバイアスがかかってしまう部分があったり、「きっとこういう返答をしてくるかな」という推測をしてしまい、それが誘導尋問のような質問につながってしまう時がありました。
あくまでフラットに、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分けて事実を掘り下げていくことの難しさを体感しました。
最後になにかありますか?と聞く時間こそ宝
インタビューの最後に上記のようなややふわっとしたボールをぽんと投げたときに、出てくる感情こそが本心がつまっていました。
過去のつらさについてなにがつらかったのかをまとめて話してくださったり、冗談交じりで最高のパンチラインをくれたりと、重要なキーワードがこの質問の中からいくつも出てきた記憶があります。
6. インタビューをまとめる
インタビューに参加したメンバーとどんなインサイトがあったかについて議論する時間を必ず設けるようにしています。
アウトプットに個人のバイアスが入らないように、お互いに思ったことについて、認識をあわせていきます。認識があった段階で結果をまとめていきます。
私達はFigmaを使ってどんな課題を抱えていて、どんな考え方を持っているのか、課題のグルーピングをしていき、お客さまの理解に努めていきました。
そしてチームにインサイトをシェアして共有資産にしていきます。
このあたりはこの本にいろいろ書いてあるのでオススメです。
7. 1に戻り再び仮説をブラッシュアップする
得たインサイトをベースに1についてチーム内で再び議論していきました。
だいたい輪郭が見えてきたら、下記も平行して行っていき、徐々にビジネスにしていくプロセスをチームメンバー一丸となってしていきました。
国内 / 海外で同様の事例はないかの調査
実際にビジネスとして成り立った時のTAM, PL
8. 法観点で問題ないか確認する
また、忘れてはいけないのが、Fintechにおける事業立ち上げにおいては、やりたいことが法令上問題なくできるのかというリーガル確認です。
せっかくやりたいことがあっても、法というルールの中で実現しない限りはリリースができません。
このあたりにも目を光らせる必要があるという点でFintech事業の難しさと奥深さを感じました。
まとめ
こんな感じでワイワイ楽しみながら仮説をブラッシュアップして、インタビューしていきました。
仮説検証の段階なのですが、0→1を生み出す過程を楽しみながら毎日を過ごしています。
そんなNstockですが、この半年の成果によって会社全体の事業ストーリーが見えてきました。
こちらの資料に書いてあるのでぜひご覧ください
またエンジニア採用がんばってますのでぜひお気軽にご連絡ください。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!
来年も楽しんでやっていくぞ〜!!
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