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PMが創業1期目のスタートアップに転職して変わった事、変わらなかった事10こ

こんにちは、Nstockでプロダクトマネージャーをしています、さとじゅんです。

わたしはかれこれ10年くらいPMやってる人間でして、前職ではメルペイという会社で決済処理や加盟店が使うプロダクトのPMをやったりPMチームのマネジメントをしてきました。

今年の6月にNstockという会社に入社したのですが、入社してだいたい半年が過ぎました。

Nstockという会社は2022年1月24日に誕生した会社なので、会社としてはまだ設立から1年経っていません。

設立間もない会社で働けるというのは、それだけでもとても貴重な経験だと思うのですが、実際に働いてみると、立ち上げフェーズ特有の0→1にするためのアクションが必要になる場面がたくさんあり、大変さと楽しさを日々感じながら課題に向き合っています。

このnoteでは、この半年、設立1年未満のスタートアップで働いたことで学んだことや、起きた自分自身の変化について書いていこうと思います。

こんな人に読んでもらいたい

創業間もないスタートアップでチャレンジしたいと思っている方、そもそも創業したての会社ではどんな動き方が求められるのか気になっている方、などなど、職種関係なくスタートアップで働くこと自体に興味がある方。

またはスタートアップですでに働いてる、働いた経験がある、そんな方に向けてなにか伝えられればと思っています。

また、もしかしたら新規事業を立ち上げる際に持っていると良いマインドの話かもしれないとも思ったので、事業立ち上げをがんばっている/いた人にも見ていただけるとうれしいです。

あとNstockで働く人ってどんな人か興味がある方にもぜひ読んでもらいたいです。

Nstockはこんな会社です

その前にまずNstockがどんなことやろうとしていて、その中でわたしの役回りはなにかっていうところから話をしたいと思います。

Nstockは株式報酬と金融で、スタートアップのエコシステムを強くする会社です。
2022年11月1日現在で社員数は10名です。

創業者の想いはこちらが一番わかりやすいです

プロダクトの1つである株式報酬SaaS『Nstock』については先日事前登録用のLPをリリースしました。

実際に多くのお客さまから反響をいただいている状況で本当にうれしい限りです。

このプロダクト、自分がPMしているわけではないんですが、とても意義のある課題解決をしているという点が推しポイントであるのはもちろんのこと、中の人からすると携わるメンバーが最高ですよ〜と言いたい。

メルカリで6年以上ストックオプションの業務に向き合ってきた株式報酬のドメインエキスパートと、SmartHRの立ち上げから今日の成長までを経験してきたPMと、数々のスタートアップで鍛え上げられてきたデザイナーと、ベテランと若手のバランスがとてもよく取れたエンジニアチームが、それぞれの能力をいかんなく発揮して最良のコラボレーションを生み出しプロダクトに昇華しています。

エンジニアチームに関しては特にこのブログをみるとすごくよく雰囲気がわかります。

あまり知られてないことかもしれませんが、このチームの強さこそがプロダクト開発をする者としては最高の福利厚生と言えるのではないでしょうか。

少なくとも私には最高に良い刺激を得られる仕事環境だと思っています。

わたしは金融事業のPMです

ちなみに、わたし自身は上記プロダクトのPMをやっているわけではなく、「金融事業」という新しい事業を立ち上げるべく奔走しています

どこにどんな課題があるのか、なにをどの順番で解決すべきなのかという難しい問いについて、仮説検証を繰り返しながら、立ち上げの楽しさと難しさを実感しています。

そんな日々を繰り返す中で、自分自身が変化してきたことがいくつかあるので、書いて行こうと想います。

変わったこと [仕事編]

1) 海外の事例をたくさん調べるようになった

新しい事業を立ち上げる時、特にFintechの領域は国内に参考にすべき事例が多くは存在しないケースがよくあります。

そのためFintech先進国のアメリカやヨーロッパの事例を必然的に調べていく必要があり、さまざまなソースを使って調査をしていくことが求められます。

DeepL片手にTechcrunchやsubstackを利用してさまざまな情報を調べるクセが身につきました。

もともと自分自身が過去の歴史を紐解いて調べていくスタイルが好きっていうのもあり、このやり方がすんなりと習慣にできたというのもあったと思います。

そのおかげで海外Fintechの動きのダイナミクスに魅了されFintechがより好きになるという良い循環も生まれました。いまでは自称Fintech大好きPMと言えるまでになりました。

それから、知識の引き出しが増えたので、新しいアイデアのヒントもたくさん得ることができました。

私の好きな書籍の中でこんな一文があります

センスとは、知識にもとづく予測である

センスは知識から始まる

まさに知識を得ることは事業を正しい方向に導くセンスを磨いてくれるのかもしれません。

2) 王道を理解するようになった

新しいプロダクトについて調べる時に、漠然と調べるのではなく「なにが王道のやり方なのか」を理解するようになりました。

いろんな会社のいろんな施策がありますがどんな利用シーンがメインストリームなのか、支持されているポイントはどこなのか、やり方はどれがいいのか、こんなことを考えながら調べものをする時間が増えました。

それはやはりぼくらも作ったプロダクトがメインストリームになってほしいと思うからであり、やっぱり人に使われるプロダクトになりたいからなんじゃないかなと思います。

3) 仕様を書く時間よりも、一次情報を聞く時間が増えた

半年前まで前職でバリバリ仕様を書いて、書いて、書きまくってきたのですが、まさか自分がこの会社に入社してからほとんど仕様を書かなくなるとは。

じゃあなにをしてきたかというと、ひたすらお客さまにインタビューを繰り返し仮説検証を繰り返してきました。

インタビューを繰り返す中で、なにが刺さっているか、刺さっていないかを感じながら、仮説の軌道修正を行ってきました。

また、新しい事業領域について知識レベルを上げる為、解像度を上げたい時に、その道の専門家に直接お話を聞く機会をいただけるよう動いてきました。

その道の専門家を誰かにご紹介いただいたり、時にみずからお声がけしたり。

これはつまりより一次情報をあびるようになったということでもあります。

一次情報から得られる情報は、なにものにも代えがたいインサイトばかりなので、自ら一次情報をあびにいくという事自体がとても有意義なことだと改めて実感することができました。

とにかくインサイトだらけで、むしろ仕様ばっかり書いてちゃアカンという自戒につながる非常に良い機会にもなりました。

4) なにもない環境で、なんとかする能力がついた

なにかしたいと思っても、自分が動かないと、なにも起きません。

まだ社員数10名のスタートアップですから、それぞれがそれぞれの領域について背中を預け合って事業を推進しているので、自分がやるべきことは自分がより責任を持って推進しないといけません。

特定のペインを抱えてそうなクラスタにインタビューしたいと思っても、社内にいる人の人脈の中、自分の人脈の中からどうにか該当の方とつながっていそうな人にお声がけさせていただいたり、SNSを駆使して募集をかけたりとあの手この手でなんとかしてきました。

おかげで、なにもない環境化でも動じずにやるべきことをひとつひとつやっていくある種の鈍感力みたいなものが身についた気がします。

5) 自らが変化を起こす主体になった

社員数の少ない会社においては、自分1人がした意思決定の影響範囲は大きく、特に前述の金融事業についてはチームに意思決定の裁量をある程度任せてもらっているので、自分たちで方針転換が必要だと思ったらすぐに軌道修正してきました。

自分および、自分たちのチームの意思決定によって変化が起きていくというのは、どんな会社においてもやっていることではありますが、会社規模が小さいほどに、より自分たちがその主体になっている感覚があるように思えます。

(この事業をどうしたいかだけでなく、この会社としてどうあるべきかを考えるようになるといいますか)

アウトプットするためにやるのではなく、課題を解決するためにやる。本当にそのやり方で課題解決につながるのか考える。だめなら変えていく。

そんなことを繰り返しながらチーム全員で、自ら変化を受け入れて前進してきた気がします。

6) まだ見ぬ未来について夢を膨らます議論をする時間が増えた

まだまだ、何をやっていくか具体的に決まっていないという状況だからこそ、なにかできそう、なにかが起こりそう。そんなワクワクした気持ちを持っています。

「めっちゃいいじゃんこれ!!!!!」

「やっぱだめかも、、、、」

そんな繰り返しの中で、それでも楽しくてずっとみんなで未来について話あっている。

みんなでみんなが作りたい未来について話あっている。

そんな時間がたくさんあって、とにかく楽しくて刺激的。

7) 学ぶことを、より楽しめるようになった

ぼくらが解決したい課題の領域は覚えるべきドメイン知識が多いです。

ストックオプションを始めとした株式報酬の仕組みも、税の仕組みも、金融に関する知識も網羅していないと正しく課題を把握してプロダクトを設計することができません。

Nstockにはその道のプロであるドメインエキスパートの方がいて、勉強会を頻繁に開催してくれて本当にありがたい限りなのですが、それでも覚えることが多く、なかなか大変です。

でも新しい知識を覚える度に、過去に聞いただれかの課題と知識がリンクして新しいインサイトにもつながり、新しいアイデアが生まれたり。

学べば学ぶほどその領域についての理解が深まり、解決すべき課題の広さや深さを知るきっかけになりました。

そういった発見が楽しくて、楽しくて、学ぶことがとても楽しめるようになったのが大きな収穫です。

8) 「戦術」ではなく、「戦略」から考えるようになった

Nstockでは代表の宮田さんが戦略ストーリーをドラフトしてくれて、みんなで意見を出しながらみんなで作り上げる合宿をやったりしています。

こんな話に当事者として参加できるなんて、最高に楽しそうでしょ?

役員が戦略の大枠を決めて、執行部分を現場ががんばるみたいな構造ではなくて、みんなでワイワイ戦略をつめて、みんなでゴリゴリ進めていくのは小規模スタートアップならではの楽しさなのかもしれません。

変わったこと [プライベート編]

ここからは仕事以外の面でも自分自身が変わったことがあるのでそれも書いていきます。

社員10名未満の少人数のスタートアップにいると、まわりの影響を少なからず受けると思うのですが、特にNstockの人たちからは良い刺激をたくさんもらってるな〜と思った話です。

9) DIE WITH ZEROを意識するようになった

「DIE WITH ZERO」自体は宮田さんに教えてもらった本なのですが、自分的にはめちゃめちゃ刺さった本でした。

本の中にこんな一文があります

人生の充実度を高めるのは "そのときどきに相応しい経験" なのだ。

時間と金という限りある資源を、いつ、何に使うか。
この重要な決断を下すことで、私達は豊かな人生を送れるのである。

DIE WITH ZERO

お金の使い方に関する本ではあるけれど、経験に投資する、10年後じゃなくいまやることに価値がある、そんなことを教えてくれた本でした。

今わたしがスタートアップで働いていることも、今やることに意味がある経験に自分の時間を投資しているのかもしれません。

あと、私事ですが今年引っ越しすることを決めたのですが、それも子供が小さいうちにいろんな経験をさせたくて、場所を変えるということにお金を使うことにしました。

Nstockのメンバーの中でも大切にしたい考え方のひとつとして存在しているように思えるので、これからも大事な価値観にしていきたいなと思います。

10) メンバーの影響で、仕事以外に打ち込めることを見つけた

Nstockで働く人たちは、仕事以外のプライベートでも全力で好きなことに向き合っている人が多いです。

好きな音楽についてめちゃめちゃ語れる人がいるし、山が好きでめちゃめちゃ登山にいっていたり、海が好きですんごいダイビングいってたり、映画がめちゃめちゃ好きで語れる人がいたり。

料理好き、サウナ好き、ランニング好き、キャンプ好き、ととにかく好きなことに真剣な人が多い。

わたしもそんなメンバーに良い影響を受けて夏頃から2つの趣味を持つようになりました。

1つはスケボー。だいたい10代、20代で通ってくる道だけど、なぜかわたしにはそれが30代しかも後半に訪れました。5歳の息子と毎週週末の朝に河川敷で練習しています。

スケボー乗ってる時はすごく楽しくて、少しずつトリックをメイクすることができるようになってきて。あと息子との大切な会話の時間にもなっていてと有意義な時間を過ごしています。

2つめはMCU(マーベル・コミックの映画)。Nstockの中に好きな人が多く教えてもらったらドハマリしてしまった。ディズニー+は子供にピクサー映画みせるために契約したのに今では自分がマーベルの映画観る用の週末のお供になっています。

変わらなかったこと

家族を大切にしながら働けている

前職のメルペイで働いている時から、子供の保育園の迎えで業務時間中に一次抜けする時があったけど、Nstockでもその働き方は健在です。(前職のメルペイもめちゃめちゃ働きやすかった)

創業間もないスタートアップで働くことで、働き方は大きく変わるのかと思ったけど、意外に変わらなかった。ここはNstockの経営陣の考え方が色濃く反映されている気がして、SmartHR社と同様、社員にとってはとても働きやすい環境ができていると自信を持って言えます。

会社の午前休をもらって息子の授業参観に出席したときは、メンバーに優しく送り出され、息子の授業風景をはじめてみることができたからすごくうれしかったな。

そんな家族に対しても配慮のある環境なのでとても働きやすいです。

とはいえやっぱり立ち上げは大変だよ

ポジティブなことを多く書きましたが、とはいえ立ち上げは大変です。

不確実性があまりに高い中で推進していかなければいけないので、迷うことも多いです。

お客さまにインタビューでアイデアをぶつけても何十回も「NO」を突きつけられ、テンションをなかなか上げられない日々もありました。

でも、たまにある熱量高めの「YES」に助けられながら、ここまでやってきた感覚があります。

大変だけど、それでもそれを超えるなにかがあるから、自分たちが思い描く未来を作っていきたいから、やっぱりこの環境が好きなのかもしれません。

そんなことを思ったりしています。

おわりに

スタートアップといってもさまざまな働き方や働く環境があると思いますが、自分はこうだったよ、Nstockだとこうだったよっていう内容を羅列しました。

すべてのスタートアップで働く人に共通する話ではないかもしれませんが、「こんな人もいるんだー」程度に見ていただければ幸いです。

そしてこんな個人的激推しスタートアップのNstockでは現在、ソフトウェアエンジニアを大募集中です。

こんなに刺激的な環境で一緒に働きませんか?


(2022/12/23追記)
Nstockがどんなミッションの元、なにを成し遂げようとしているのかわかる資料が公開されましたので、ぜひこちらみてほしいです!



もしかしたら、ここに書いたような変化があなたにも訪れるかも?そんな前向きな変化を望まれる方はぜひ応募してくださるとうれしいです。

さて、今年も終盤に差し迫ってきましたね。
あとちょっと走りきりましょうね!

長文になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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