見出し画像

いつもと違う色味で朝の公園と街を撮る|Streetphotography

5月上旬の早朝、お天気が良くて散歩した時の写真です。


⒈外に出た途端、通りを満たす朝日に心奪われる

早朝に起きて家を出ると気持ちのいい快晴。市電が通る大きな通りまで少し歩いてみると、東西に広がる通りには朝日が差し込み、あふれ、道ていました。こうなるとどこを切り取ってその時の感動と光の綺麗さを伝えるか、迷います。

伊予鉄大手町駅近く

伊予鉄大手町駅まで歩いてきて、見つけた瞬間↑。シャッターの横のラインと、左から差し込む朝日の青が少し入ったゴースト、少し白飛びしそうなぐらいのハイライト。いつも大体松山の街の雰囲気や色味でKodak系のレシピを選択する私ですが、この日は少し変えてみようと思ったのと、X100Fのカスタムに入っているCinestill800Tレシピで撮ってみたらハイライトが綺麗だったので、このレシピでお散歩しました。レシピの元ネタはFujiXweekly.comです。

PRO Neg. Std
Dynamic Range: DR200
Highlight: +3 (+2 when there is a bright light source in the image)
Shadow: +1
Color: -1
Noise Reduction: -3
Sharpening: +1
Grain Effect: Strong
White Balance: 3200K
ISO: Auto up to ISO 6400
Exposure Compensation: 0 to +1/3 (typically)

fujixweekly.com

Cinestill800tは再現が難しいみたいで、様々な方が挑戦しています。検索したら他にもいいものが出てくるかもしれません。あくまで、Cinestill800t風、ぐらいに見てもらえたらと思います。

⒉朝日が綺麗そうな公園に来てみる

街を抜けて松山市の中心にある城山公園まで歩いてきました。

城山公園

このレシピの特徴はなんと言っても、PRONegスタンダードと3200Kという色温度。だいぶ“青い”写真です。KodakGold200やKodakPortra160の黄色〜オレンジ系の色味のレシピを愛してきた自分としては、急展開の色味です。でも実は嫌いじゃないです。
このレシピのもう一つの特徴が、ハイライトが強めで、シャドウも強めな点。なので、ハイライトが強めに綺麗に入ると同時に、シャドウもちょっと潰れる感じ。そこにノイズリダクション−3とグレインエフェクト強が、全体的に荒っぽい画素にしてくれています(あくまで個人の感想です)。夜とか雨の日とかの方がもっと雰囲気でると思います。雨上がりの暗い朝をこのレシピで動画撮ったものがこちら↓

ハイライトとシャドウの具合は、この写真を見てもらったらもっとわかりやすいと思います↓。

城山公園

ハイライト側は白飛びしそうなぐらいです。ですが、シャドウ側は影がしっかり出ています。レシピをみると、明るい光がある場合はハイライトトーンを+2に、とあるので、ここで下げても良かったのかもです(こういう振り返りがじっくりできるのもnoteのいいところですね)。

残っていた椿の花

ピンクの椿の花を見つけました。シャドウ側にお花が位置していたので露出を上げましたが、上げすぎると白飛びしそうになります。ファインダーを覗きながらハイライトとシャドウが綺麗なところでシャッターを押します。こういう集中する時間が必要な朝だったのかもしれません。

城山公園の芝生広場近く

↑のような、ハイライトとシャドウ側の光の差が顕著な場面ではCinestill800tレシピでは、シャドウ側は潰れてしまいます。後処理でシャドウ側を持ち上げてもいいですが、レシピ自体の雰囲気を壊すなら、本末転倒な気もするところです。

⒊公園の緑に目を向けてみる

色温度が3200Kという点と、ProNegStdというフィルムシミュレーションの雰囲気で行くと、緑の色がいつもと違ってかっこいいなと気づき始めて、視線を朝日から変えてみます。

城山公園の銀杏並木

ここの銀杏並木はまだまだ背の高くない並木ですが、秋になるといい色になります。今は新緑の銀杏が並んでいます。空の青も3200KとProNegStdがいい働きしてくれて、しっかり綺麗に出ています。うん、青と緑を入れるととってもきもちいいな、このレシピは。とここで気づきましたw。夜の街と雨上がりにしか可能性を感じてませんでしたが、可能性が広がった時でした。

城山公園の芝生広場

↑は35mmの画角を生かした、バランスのいい画になりました。シャドウ側は大分色濃くなるため、あえて影を印象的に画に入れるといい感じです。緑と青が今までと違った感じでかっこいいなという感覚を大切にして歩いていると、ハイライトが綺麗に出ている場所に目が行きました↓。

愛媛県美術館近く

城山公園の敷地内にある愛媛県美術館。そこのガラス張りの2階部分、1階部分の壁に出たドロップシャドウ、手前側の緑の潰れたシャドウと真ん中の木に続くハイライト側の緑。ガラス張りの透き通る雰囲気とそれに続く青い空の開放感。気持ちいい写真になりました。

⒋公園を抜けて街へ向かう

城山公園を県庁側に出たところ

城山公園を抜けてみたら、朝日が街に差し込んできていました↑。
市電が通る大きい通りから一歩入って、三番町通りにきました。ここは最近中心街の再開発で道が綺麗になって、通っていて気持ちいいエリアです。

三番町通り

リードラインと人のシルエット、朝日のゴーストが通り過ぎる人にスポットを当てているような瞬間でした。こういう場面を見ると、誰にでも光は注がれていて、誰でもそれぞれの生活の場で光る時があるんじゃないか、とか考えてしまって、注がれる朝日を尊く思えたりします。

松山三越辺り

↑の写真は朝日を背にして陸橋から通りを見下ろした様子です。陸橋から道路を見下ろす私の影と、その下の横断歩道を歩く人の白いスニーカーが被った瞬間です。通りが気持ちいいぐらい真っ直ぐ続いていて、気持ちいいラインです。ここは、夕方には西陽が差し込んで綺麗なところでもあります。

松山三越辺り

早朝でしたが、少し歩いている方がいました。観光客の方のようでした。お日さまの角度がまだ低くて、印象的な影が伸びているのと、ハイライトが綺麗に出ているために、道路標識の白が綺麗に出ています。道路のラインが対角線のように斜めにした分、歩いている2組のカップルの、あっちとこっちの位置もバランスがとれて、構図としては気持ちいい感じです。

⒌やっぱり楽しいStreetphotography

こういった、ハイライトとシャドウの偶然の出会いを、街の背景の中で独創的に構図にしていく、これがStreetphotographyの楽しみの一つだと思います。私がハマっているところでもあります。ここに、富士フィルムのフィルムシミュレーションとフィルムを再現したレシピが加えて、その場でオリジナルな画を生み出していく、とっても楽しいです。またご覧いただき、ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?